終わった世界の深夜旅行

味噌わさび

プロローグ

夜の道に落ちていたノートの切れ端

 世界に夜明けが来なくなってからどれくらい経っただろうか。


 随分と長い間、夜が続いている。というより、夜だけが続くようになってしまった。


 もう何日も、何年も誰かと出会っていない。


 外には人間よりも、あの人間モドキの方が多くうろついている。


 おそらく、近いうちにこの世界にはアイツらしかいなくなってしまうだろう。


 俺もそう長くこの夜だけの世界には存在していないだろう。


 その後の世界のことなんかは……俺には関わりのないことだ。


 いつか世界に終わりが来るとしてもそれを迎えるのはあの人間モドキ共だ。


 もう二度と世界には夜明けなんて来ないであろう。


 あの眩しい、美しい朝日を見ることは、もうないのだろう……。

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