第10話
「やはり殺気だっていますね・・・」
リノは街中を見渡し、呟いた。
「ああ、これから人波乱起きそうな雰囲気だ」
リトは周囲に気を配りながら言った。
その時、街の中央で歓声が上がった。
「何だ?」と、リトは言った。
「行ってみましょう」と、リノは目を細めた。
リト、リノ、ユーリは声のする方へと足早に急ぐ。
黒い甲冑を身に纏い、馬に乗った兵士達が黙々と歩いている。
「隊長あれは・・・」
リノは呻いた。リトは頷く。
「軍事国家ダイソンのオルクス隊だな。いつにもまして禍々しいぜ」
「国の為なら何でもする、別名殺し屋集団・・・ですか」
ユーリはキョトンとしている。
「どうしたユーリ。怖いか?」
リトはユーリに訊ねた。
「あの連中そんなにすごいのか?」と、ユーリは小首をかしげながら呟いた。
リトは驚いた。
「ユーリ、お前、相手の強さがわからないのか?ここまであいつらの嫌な気配が漂ってきてるんだ。相当な手練れの集団だよ」
「そうかな?」
ユーリは興味なさそうにしている。
リトは思う。ここまでの戦歴からしてユーリが相手の強さがわからないほど素人ではない。しかし、ユーリがまるでオルクス隊が弱いとでも言う態度に疑問があった。
その時、オルクス隊の目の前に少女が立ちふさがった。頭を下げながら何かを叫んでいる。
「うちのお父さんを返して下さい!」
少女は泣きながらそう叫んでいた。遠巻きに街人はざわついている。
「遠征に行ったまま帰って来ないんです!何か知ってるなら教えて下さい!」
哀願する少女。オルクス隊の一人が馬を下りて、少女に歩み寄る。だが、剣を抜く素振りを見せた。
「まずい・・・切る気だ」
リトは衣装道具から大剣を取り出そうとした時、隣にいたはずのユーリがオルクス隊の剣を蹴り飛ばしていた。
「ユーリ!」
リトと、リノは叫んでいた
暁の国は眠らない ゆま @yumayumaj
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。暁の国は眠らないの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます