第8話
焼け崩れ灰になった老婆。
「隊長!大丈夫ですか!?」
ユーリとリノが心配そうにリトに歩み寄った。
「ああ、大丈夫だ。お前らは平気か?」
リノは頷く。
「あたしは大丈夫です、あの・・・老婆が言っていたミナ様とは何なんでしょう?」
リトは少し考え込んだ。
「おそらく、東の魔女だろう」
「魔女・・・ダイソンに東の魔女が付いているのは本当だったのですね」
「どうやら一筋縄ではいかんようだな・・・」
(それにしても)
リトは、視線をユーリに向けた。
(あの状況で、怯みもせずに、相手のすきをついて倒してしまうとは、一体どんな訓練を受けたのか気になるな。暗殺技術ならうちの隊でトップクラスに近い・・・相当な手練れの技だ)
ユーリはリトの視線に気づき、照れ笑いを浮かべる。リトはわからなかった。この少女がどれだけ重い業を背負っているのか。いや、わかりたくなかったのかも知れない。知ってしまったら、確実に後戻りできない予感がしたからだ。
(機会があれば、どんな訓練を受けたか聞いてみるか)
赤い月が出ている。まるで血の色を連想させた。ユーリはその月を仰ぐように見つめた
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