FILE1 毒殺 2
毒殺が謀殺に呼び出されたのは、それから一ヶ月ほど経ってからだった。
「あー、謀殺さん、本日はお日柄もよく……」
「本日は雨ですよ、毒殺さん」
「………………」
「ああ、私は雨も好きなので、いい天気と言えなくはないですか」
「……はあ」
「貴方はどうですか? 好きな天気とか、あります?」
「……晴れの方が好きですね。洗濯物が乾くので。……あと、雪とか」
「それはなにより」
などという世間話をしにきているわけではない。
謀殺が直々に家に――先日の会合でも使われた、彼が殺人鬼として活動するための謀殺個人所有の邸宅に、招待状によって呼び出されるなど、ただごとではない。
「そんな大仰なものじゃあありませんよ」
やんわりと否定をして、赤い革のソファに座る。そして、どうぞ、と毒殺には黒い革のソファを勧めた。
座ってみたら、毒殺のために誂えたかのように心地よかった。
通された部屋も、毒殺の貧困な語彙力では豪華としか言えないほど立派だ。よれよれの古着にジーパン、白衣。手入れもまともにしていないぼさぼさ髪の毒殺は、この空間にはミスマッチでしかない。
「紅茶、どうです?」
「いただきます」
出された紅茶を口に含むと、その舌根が悦びに打ち震えた。
芳醇な香りと密かに顔を出す渋み。舌触りも柔らかい。
どんな高級な茶葉を使用しているのだ。
そしてこの、隠し味と思われる刺激……!
「お気に召したようで」
「……高級な食材は自分の口には合わないと思ったんですがね」
アンティーク調のティーカップをテーブルへ置き、そんな風に溜息をつく。
「貴方の口に合うようにしましたから」
「謀殺さんが淹れたんですか? この邸宅の主人が、直々に?」
「私の淹れた紅茶など、そんな過分な評価をもらえるほどのものではありませんよ」
ハハハ、と顔色がほんの少し上気した。嬉しいらしい。
「まあ、練習はしましたがね。それはもう、貴方のために、試行錯誤を重ねて」
「それは味でわかります」
「ただの使用人には任せられませんから」
謀略を駆使して、己の手は汚さずに人を殺す『謀殺』にしては珍しい台詞だと、毒殺は思った。
「呼び出すなら招待状なんてわざわざ出さずに、普通に呼び出してほしいものです」
「性分でして」
そう言って微笑む。
「……で、今日の要件は?」
これ以上無駄話をする趣味はない。
なにをするのかは予想がついている。
殺人鬼クラブは組織なのだ。
組織である以上、活動がある。
殺人鬼クラブの活動とはつまり――殺人。
「人を殺すんだったら、そういう組織にでも依頼すればいいのに」
世界には、そういうものが当然のように跋扈しているのだから。
それこそ、殺人、暗殺にのみ特化した殺し屋の集団だってある。
「そういう人たちには、任せられませんよ。これは、私たちの問題です」
「………………」
手駒は多い方がいい。
多すぎれば、斬り捨てればいいのだから。
切り捨てられる駒になりたくなければ、働くしかない。
殺人鬼クラブ――謀殺の意のままに。
「……誰を?」
毒殺は虚ろな瞳で天井を見上げ、重い口を動かした。
「引き受けてくれますか」
「報酬は惜しみなく貰いますがね」
「ご安心ください、ちゃんと用意します」
そう言って、一枚の写真を差し出してきた。
この写真の人物が、今回のターゲットか。
「先月の会合で行った『見せしめ』……の、幹部です。最後のひとりにして最も重要なひとりですから、丁重に扱ってくださいね」
「丁重に」
「丁重に、じっくりと。これ以上ないくらい、苦しめて」
笑顔の裏には激しい感情が見え隠れしていた。
怒っているのだ。
殺人鬼クラブに害をなす存在に。
謀殺は殺人鬼クラブをなによりも大切にしている。
その愛情は肉親に向けるものよりも、温かく、確実だ。
何故そこまで殺人鬼クラブに重きを置いているのかは知らないが、その愛には、応えたいと思う。
毒殺にだって、それくらいの人間らしい感情はある。
「それじゃ、拝命します」
結果をすぐに出して、またこの邸宅に来よう。
きっと美味しい紅茶を出してくれる。
◆◆◆
「……とはいえ」
と、溜息をつく。
こう何日も連続で規格外の大きさの家を見るというのは、狭い研究室で寝泊まりしている毒殺にとって目の毒だった。
もう少し、世間は自分に優しくないものか。
殺人鬼に優しい世間など、どの世界にもありえないだろうけれど。
「殺してえ……」
これは軽口としての殺意だが。
別に、袖が擦りあったからとむやみやたらに殺したいわけではない。
そういう無差別で大量な殺人は、自分ではなく虐殺の領分だろう。
「俺は、自分の作った毒で人を殺せりゃ十分だ」
独り言を呟くのも虚しくなってきた。
こういうとき惨殺が近くにいれば、なにか気の利いた言葉でも投げかけてくれるのだろうが。
某県某所。
謀殺の邸宅ほどではないが、大きな家だ。
相当な金持ちだろう。
「ターゲットは木村仁義。新しい毒の実験台になってもらおう」
そう言って、呼び鈴を鳴らした。
◆◆◆
人は見かけによらない。
今この家に訪れている毒殺の姿を見る限り、殺人鬼だと思う者は少ないだろう。
いつものくたびれた白衣姿でも、着古したジーンズでもない。
スーツ姿。
寝不足気味だったのでわざわざ睡眠薬を摂取してまで寝た。それでも目の下の隈は一切薄くならなかったが。手入れをしていなかったぼさぼさ髪も、美容室に行って徹底的にセットしてもらった。口元を隠すマスクやガスマスクを身に着けないのは少々落ち着かないが、スーツに合わせるものではないだろう。
今の毒殺の姿は、普通の会社勤めのサラリーマンと言っても問題ない。
見た目的には、会社の重役の家に突如として招かれた若い社員といったところだろうか。
流石に新入社員という歳ではないので、そこは自重する。
家政婦に通された客間。
そこには、よく知った顔の美少年が、美味しそうにジュースを飲んでいるところだった。
「なんでお前がいるんだよ!」
「わ、びっくりした。いきなり大声を出さないでくださいよ。珍しいこともあるんですね」
美少年――惨殺の言う通り、毒殺が大声を出すことなどひどく稀だ。
いや、じゃなくて。
なんでいる。
「別に特別なことはありませんよ。ただ、美味しいお菓子とジュースがあるからって誘われただけです」
「完璧に誘拐犯の手口だぞ……」
「ぼくは美少年ですから」
「自分で言うな」
殺害対象の家に身内がいるとか、やりづらいにもほどがある。
それにしても、木村仁義。
そこまでやるか。
「いや、あっはっはっは。惨殺君とこういう場所で会ったら、毒殺君の仏頂面も崩れるのではないかと思ってね。読みは当たったようで嬉しいよ」
大口を開けて笑うのは、先月の会合で『殺戮家』の話を持ち出してきた資産家――木村仁義。
「……今日はお招き預かりまして」
「堅苦しい挨拶はいらないよ。こちらから誘ったのだからな」
「それじゃ、お言葉に甘えて……」
それだけ言って、惨殺の隣に腰掛ける。
「とりあえず、茶でも飲みなさい。それともコーヒー派かな?」
「そういう派閥には所属してませんね。どっちも普通に飲みます」
「ふうむ、そうか。ではコーヒーにしよう」
木村は先程の家政婦を呼び出し、コーヒーを持ってくるように命じた。
毒殺は家政婦を盗み見る。視線に気付いたらしく、彼女は穏やかに微笑んだ。
「ああ、彼女か? そういえば先日家に招いたときに彼女は雇っていなかったから知らないだろう。榛(はしばみ)だ」
紹介された家政婦は、しずしずと頭を下げた。
そして足早に部屋を出ていく。
「新しいメイドさんですか」
「最近いきなり他の家政婦や使用人がいなくなったりしてね……仕事が辛かったのか、皆やめてしまったよ」
「やめた……」
それは恐らく、謀殺の手腕だろう。
全員生きてはいないはずだ。
確か、家政婦や使用人も含めた人間が、組織に所属していた。
「それは……ご愁傷さまです」
「殺人鬼のきみが言うと不穏だな、その言葉」
「俺は殺人鬼クラブの中でもまともな部類ですよ。遊殺なんかと話したことあります? まともな会話なんかできませんよ」
本当に。
あそこまで破綻した人格というのも珍しい。彼女を見ているとそれでも自分はまともなのだろう――と、無意識に安心してしまう。
本能に従って殺人を犯す以外、おかしなところはないはずだ。
まあ、そこまでいった時点で、もう十分、おかしいのだろうけれど。
それこそ今更だ。
「お待たせいたしました」
榛がコーヒーのマグカップを毒殺の前に置く。
触れてみたらまだ熱かったので、少し待つことにした。
「飲まないのかい?」
「猫舌なもので」
「自慢の豆を使ったんだ。是非熱いうちに飲んでほしいが」
「勘弁してください。コーヒーは逃げるものじゃないでしょう」
溜息とともに、軽く目を閉じる。
と、スーツの裾が引っ張られる感覚があった。
目を開けて、そちらを見る。
すると、惨殺が眠たそうに目をこすっていた。
ジュースやお菓子で満腹になってしまったのだろうか。
「どうした、キク?」
「…………ん」
けだるげな、ただ呼ばれたから言葉を返したような返事が返ってきた。
「……榛さん」
「はい」
「あの、少しキクをお願いできますか」
「かしこまりました」
そして惨殺を抱き、彼女に預けようとする。
しかし、惨殺は毒殺に力いっぱいしがみつき、頭を毒殺の肩に埋もれさせて激しく首を振った。
「どうした」
「……んん、ん」
離れたくないらしい。
懐かれているのは嬉しいが、こういう仕事の時は少し困る。
榛は困ったように微笑し、頭を下げて部屋の隅へ移動した。
――彼女が部屋を出て行かないのは、監視のためか。
用心深い男だ。
仕方なく、惨殺を抱いたまま木村と話すことにする。
「キクもこの通りなので、今日は早めに帰りますね」
「どうせなら泊まっていったらどうだね?」
「はあ」
「部屋くらいならいくらでも用意できる」
「………………」
魅力的な申し出――ターゲット自らが殺すタイミングを作ってくれた――だが。
――裏がある。どころか、裏しかない。
この男とて無知だが馬鹿ではないはずだ。
組織員が次々といなくなれば、それくらい察しがつくだろう。
謀殺を怒らせれば、報いは必ず訪れるのだから。
殺人鬼クラブの協力者として、謀殺のやり口は知っているはずなのだ。
少なくとも先月の会合で、末端とは言え自身の部下があんな死に様を衆目の前で晒したとなれば、危機感を十分に抱いてしかるべきなのだ。
「だけど、下手くそなんだよな」
そう呟いて、あえて罠にかかる。
騙し合いは得意ではないが、この程度なら自分にもできる。
毒殺は、適温に冷めたコーヒーを、一気に煽った。
「…………っ!」
喉が焼けるように熱くなる。
コーヒーの苦味とは別に、別の味がする。
これは――馴染み深い、毒の味。
途端に、木村が水を得た魚のように生き生きとし出した。
元気いいな、おっさん。
「は――はははははは! どうだ、自分の毒で殺される気分は! 最高だろう!? 大好きな自分の毒で死ねるのだから、本望に違いない! やった……! やったぞ! まずはひとりめだ! あの忌々しい謀殺の、驚いた顔が拝めるぞ!」
去年のいつだったか、木村に毒を売ったことがある。
それも商売のひとつだ。問題ない。
金持ちの道楽だと思っていたが、これのためか。
毒殺を毒殺するために、わざわざ高い金を払ったのか。
「ぐ、ぅ……」
抱きかかえた惨殺を、ソファへおろす。
惨殺はぼんやりとした瞳で、毒殺を見つめていた。
「キク……」
「惨殺君を最期の光景にしようと言うのかね? 確かに賢明な判断だ。私だってきっとそうする。最期は美しいものを見たいからね」
どさりと膝からくずおれる。
流石は俺の毒。
よくできている。
「ああ、きみが死んだあと、惨殺君は私が優しくおもてなしするよ。心配しなくていい。本当はきみが来る前に惨殺君は眠ってしまう予定だったんだが……」
「……キクの飲み物に、睡眠薬を、仕込んだのか」
「そうだよ?」
悪びれもせずに、その顔を喜悦に歪める。
「惨殺君は殺人鬼といってもまだまだ子供だね。こんな簡単な手に引っかかってくれるとは。それでこそ、私の理想の子になるというものだが。これから毎日愛して、私好みの奴隷にする」
変態かよ。
ああ、変態だったか。
惨殺も惨殺だ。
最も残酷な殺人鬼のくせに、こんな安い罠にかかるなんて。
子供らしい、迂闊さだ。
守りたくなる。
「がっ……!」
木村が蹲っている毒殺の腹を蹴った。
「きみが惨殺君と仲がいいのは、非常に不愉快だったよ」
「………………」
「『キク』? それは惨殺君の本名かな? キク君か。これから毎日呼んでやらないと。きみごときが惨殺君をそんなに馴れ馴れしく呼ぶなんて、おぞましい」
「俺ごとき……? なんであんたにそんなことを言われなきゃいけないんだ」
赤い液体を口から吐き出す。
「ほう、まだそんな口をきけるのかね。たいしたものだ。毒殺だから、毒には強いのかな?」
「………………」
「それでもいずれ死ぬだろう? 死に顔を見せてくれ。人を殺す鬼が、人に殺される気分はどうだ?」
「………………」
「大事な同胞を守れない気分は、どうだ?」
ぱん。
それはあまりにも、間の抜けた音だった。
間の抜けた音にもかかわらず、人を殺す音だった。
「あ……あぁっ!」
喉の奥から漏れだす声で呻き、木村は穴の開いた肩を押さえる。
「毒殺だから、銃は使わないと思いました?」
ゆらりと、毒殺は立ち上がる。
しっかりと足で地面を踏みしめて。
蹴られた腹が少々痛むが、問題ない。
「もう少しその妄想話を聞いていたかったんですが、我慢できませんでした」
「なんで……毒は……」
「さっきあんたが自分で言ったでしょう」
頭を軽く掻きながら、けだるげに答える。
「俺は、毒に強いんですよ」
だから、自分自身さえも実験台にできる。
先程の口から吐いたものは演出のための血糊だ。思っていたよりも不味かった。
致死性の毒だろうと、毒殺を死に至らしめることはできない。
最終的に死ぬような毒だろうと、毒殺は数日体調が悪くなる程度で済む。
生来から、異様に耐性があったのだ。
毒殺だから、毒に強い。
その通りだった。
「そうだ。冥土の土産に教えてあげます。『殺戮家』のこと」
「殺戮家……」
「あんた、本当になにも知らないんですね、彼女のこと」
殺戮家は、こちらの世界にいれば否が応でも情報が入ってくる存在だ。男か女か? そんなもの、すぐにわかる。
木村が無学なだけだったのだ。
謀殺はもちろんのこと、毒殺だって知っている。
「彼女は殺人鬼じゃありません。殺戮家という、彼女だけのカテゴリーです。残虐で狡猾。これは正解ですが」
「………………」
「そもそも殺戮家は殺人鬼クラブの協力者です。殺人鬼クラブの創立前からずっと、謀殺さんを支えていました」
「…………は?」
「会合にも来ていましたよ」
「そんな」
「『そんなわけがない?』」
毒殺は木村の言葉を先取りした。
「俺からしてみれば、彼女を知らないことの方が『そんなわけがない』んですけどね。まあ、彼女自身があまりあんたに関わろうとしなかったみたいですけど」
殺戮家は、かなり人懐っこい。
毒殺だって何度も会って話をした。
かなり気さくな人だった。
その美貌や中身は、なかなか衝撃的だったけれど。
「俺から話せるのは以上です。あー、殺戮家みたいな言い方になるけど『銃殺は好みじゃないけど、こういう場合は仕方ないよね』」
そう言って、銃口を、木村の頭へと定める。
人差し指に力を入れて――。
目の前に黒いスカートが広がったかと思ったら。
――撃つ前に、拳銃が弾かれた。
拳銃を持っていた手はしびれ、衝撃で拳銃は部屋の隅へ放り出されてしまった。
「駄目ですよ、お客様」
目の前に立つ、蹴りの姿勢の榛に、蹴り飛ばされていた。
「は――榛! よくやった!」
そうだ、忘れていた。
この女がいた。
監視が、いた。
「今すぐそいつを殺せ!」
「うふふ」
榛は微笑んで、くるりとターンをする。
メイド服が、花びらのように広がった。
「邪魔しないでくれますか……抉殺さん」
「だってそれじゃ、謀殺様は満足しませんよ?」
「…………え?」
呆然とした表情がみるみる青ざめて、木村の顔に、絶望が浮かぶ。
ここには最初から、木村の味方などいなかったのである。
ホームにいながら、完全にアウェーだったのだ。
抉殺は謀殺が送り込んだスパイだ。。
「これ」
と言って、抉殺は胸のリボンを示した。
「このリボンの飾り、カメラになっているんです。これで謀殺様は見てらっしゃいますよ」
「そこまで念入りだったんですか」
本当に、謀殺という男は用心深い。
会合に参加していたはずの抉殺の顔を覚えられないで、疑いもせず軽々しく雇ってしまう木村とは雲泥の差だ。
「……わかりました」
溜息をついて、持って来ていた少し大きめの鞄を開ける。
「まさかキクが来ているとは思わなかったのでふたつしかありませんが、俺はなくても平気です。抉殺さん、これをつけてください」
「ふむ?」
差し出されたガスマスクを受け取り、装備する抉殺。
メイドにガスマスクとはなかなかマニアックだなと場違い的に思う。
「ほら、キク、眠いだろうが、これを着けろ」
「……待ってください」
目をこすり、惨殺はポケットからバタフライナイフを取り出した。
「ぼく、まだ、お礼をしていません」
「お礼?」
「脚を触ってきた、お礼です」
お礼参りかな?
そしてゆっくりと惨殺は木村に歩み寄る。
木村は呆気に取られ、反応できなかった。
「ぁぁぁぁあああああああああああああああああっ!」
気付いたときには、木村の左目にバタフライナイフが刺さっていた。
「これで、勘弁して、あげます」
バタフライナイフはそのままに、惨殺は毒殺のもとへ戻ってきた。
「着けて」
「はいはい」
言われるがままにガスマスクを着けてやる。
「間違っても、途中で外そうだなんて思うなよ」
「はい」
いつもはなにか言い返す惨殺だが、今回は珍しくおとなしい。
眠いだけかもしれないが。
「そんじゃ、いきますよ」
抉殺のリボンの飾りへ向けて、言う。
「今回はガスです。先日見せた毒に改良を重ねてできたものなので自信はありますよ」
毒ガスがその家の主を殺すまでにかかった時間はあえて伏せるが、それは謀殺を満足させるに足るものだったことは確かである。
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