【100日後に死ぬワニ は電通?】違和感を紐解けば、距離感と余白の大事さに。
「オカンがおもろい漫画を見つけたんやけど、名前が思いつかんらしい」
「特徴を教えてや」
「服を着て、人語を話すワニが主人公らしい」
「100日後に死ぬワニちゃうか~?ワニの何気ない日常を描く4コマ漫画やからな~
ちゃっかりスタンプも販売してるわ~」
https://twitter.com/yuukikikuchi/status/1225011208597565441
「それとな、ワニは賢者の石を手に入れたから永遠に生き続けるらしい」
「ほな、100日後に死ぬワニとはちゃうわ~。
あれはタイトル通りワニが死ぬ設定や~
死までの日数が漫画の下にカウントされててて、1日1話更新されるたびに残り日数が減っていくんやで~」
「けどな、どうやらその漫画は電通案件らしいねん」
「そら、100日後に死ぬワニやな~」
「100日を迎えた瞬間、大規模な商売路線が発表されて、ネット民がドン引きしてるんや~
https://twitter.com/Rewn_Games/status/1241220306120798209
でもな、俺は思うんや。
電通が関与しているかどうかは関係あらへん。
100日経った後の発表に、違和感がありすぎるんよ~
これを深読みすると、現代社会を生き抜く勉強になるから紹介するわ~」
<HeyHeyHey!ワニが~起こすよ~ムーブメントー!>
『100日後に死ぬワニ』:きくちゆうきによる日本の4コマ漫画作品。作中のワニの100日間を、4コマを1日としたカウントダウン形式で描く。2019年12月12日から作者自身のTwitterアカウントで公開が開始され、翌年の3月20日まで毎日更新。
https://twitter.com/yuukikikuchi/status/1205427224490328065
https://twitter.com/yuukikikuchi/status/1240946299467259905
公開された漫画はTwitter上で話題を呼びました!
タイトルで、結末を暴露しているものの、
「その死が一体どのようなものなのか」
多くのリプライが寄せられ、考察が考察を呼ぶ展開に。
https://twitter.com/inoue_tommy/status/1241209311071588353
個人的にぼくが好きな呟き。宇宙戦艦ヤマトのパロディwww
2020年からは、Twitterだけでなく、フジテレビ(FNN)、YouTube、オリコンなど、各メディアも取り上げ始めます。
指原莉乃、有吉弘行、はじめしゃちょー、映画監督の上田慎一郎などの著名人もファンを公言し、認知度が向上!
作者きくちゆうき氏のTwitterアカウントのフォロワーは、
連載開始前1万人程度→最終回が投稿される3月20日時点では約195万人にまで増加
コロナウイルス騒動によって、世界の金融バブルが崩壊する中、
東洋の島国日本では、「ワニバブル」が巻き起こっていたのです(笑)
<ジャブジャブストレート!怒涛の宣伝ラッシュ>
「100日後に死ぬワニ」は3月20日のワニの死の配信を最後に、100日間続いたマンガも幕を閉じました。
しかし、彼の死から、始まったのです…
*連載中の展開
56日目
LINEクリエイターズスタンプ「100日後に死ぬワニ」が発売!
99日目
4月8日に小学館から同タイトルの書籍が発売されることが公表。前日譚となる「0日目」や100日後の後日譚などの描きおろしも併せて収録される予定。
<ワニの死を皮切りに始まる商業戦略>
100日目(3月20日)
あらゆるメディアからコラボやメディアリミックス情報が解禁。
特設サイトがオープン!アニメ映画化が決定!!
ロフトで "100ワニ追悼 POP UP SHOP in ロフト" と題してトートバッグやキーホルダーなどグッズ販売が開催!
⇒追悼ってなんやねん(笑) 力石徹の葬儀を思い出す…
横浜駅直通のアソビル3階「MONOTORY」で "100日後に死ぬワニ展" と題したイベントを実施!
ラコステはワニとコラボした新商品のポロシャツとTシャツを発表!
いきものがかりとのコラボムービーが公開!
死という主題と向き合った際の感情を題材にし、リーダーである水野良樹がテーマソング「生きる」を作詞!
https://www.youtube.com/watch?v=QT5eW7OsDFQ
(しんぷるいい歌)
タワーレコードとのコラボグッズが販売!
ロックバンド・KANA-BOONも各バンドメンバーを動物と融合させた、きくちによるキャラクターイラストを公開!
一方、ライブハウスはコロナ騒動で瀕死…
「百日なんて余裕ねえよ」
「このままだと俺たちは来月死ぬライブハウスだ」――
<100日後にコラボするワニ>
ぼくらの声…
「お、お、おおう。ワニの死が花火代わりになってんじゃねーか!
もう情報が整理しきれねーよ!!」
<違和感の正体 情報量の多さとお金の匂い>
かなったさんもnoteで取り上げていたように、
歌が出来て、本が出版され、映画まで。早すぎる展開に誰もが驚いています。
https://note.com/kanatane/n/n7e542b43a820?scrollpos=comment
情報量が多すぎるのです。
嵐が活動休止までの間に、たくさんのイベントや企画を実施しすぎて情報を処理しきれなくなった嵐ファンの気持ちがわかります。
あらゆる媒体がワニの死を皮切りに、ワニを利用して儲けようとしているように思ってしまう人もいるでしょう。
このメディアリミックス展開は、
「どうや。ワニは100日で死んだで。ええ作品やからコラボグッズ買えよ?
みんな買うでしょ?感動したでしょ、作品に??」
と、言われているような気がするのです。
<距離感なんだよ、人生は 余白を残すべきだった?>
このマンガの魅力は、「100日後に死んでしまうことを知らないワニの何気ない日常」でした。
作者のきくちゆうき氏は本作を制作した理由について以下のように語っています。
「いつか死ぬ」生きているということはいつか死ぬということ。自分の「終わり」や周りの人の「終わり」それを意識すると、行動や生き方がより良い方向にいくのではないか。ワニを通してそれらを考えるきっかけにでもなればいいなと思っています。
— ORICON NEWS(2020年1月16日)[5]より引用
しかし、その何気なさを売りにしていた作品が、
ワニが死んだとたん、全く何気なくなくなった…
「利益」「儲け」「資本主義」が見え隠れし始めたのです…
なんでしょうか、この違和感は。
メディアリミックスの展開が速すぎる、わけですね。
きっと水面下で、大型タイアップが進んでいたのです。
<情報解禁はワニの死を待つ、と口裏を合わせていたのでしょう>
作者のきくち氏がどこまで、このタイアップを主導したかどうかはわかりません。
ぼくの勝手な予想では、
はじめは何気なく始めたツイッターの漫画連載が人気が出始める
⇒大手メディアがビジネス展開を考える
⇒作者に話が通る
⇒情報解禁はワニの死、と決定される。
こんな感じなのかな、と。
たぶんこれは、学校生活や仕事でも一緒です。
あまりに事がうまく運びすぎると、人々は違和感を覚えるのです。
作品の宣伝担当はよかれと思って、「露出がある段階で最大限の告知をしよう」としたはずですが、それがあだになりました。あまりのスピード展開に仕込みがあったように見えてしまい、それが地雷になったのです。
それは嫉妬かもしれません。
日本人は、源義経、真田幸村、源義経など、善戦むなしく敗れ去った人々を好みます。
判官びいき、といった国民感情もあるのかもしれませんね。
だからこそ、100日後に死ぬワニのメディア展開は、もう少しゆったりしてもよかったと思うのです。
ここまで矢継ぎ早に、ビジネス展開がされることに、
ワニはどう思ってるのかな、と。
<自分が死んだ瞬間に、その死が花火のように扱われる>
資本主義経済である以上、ブームのうちに、話題になってるうちに、儲けたい気持ちもわかりますが。
この漫画の余韻に浸る暇もなく、ある意味、「集金」しているような展開。
余韻、距離感、そんな大切さを改めて感じました。
https://note.com/kobelupin08/n/n690b19496eeb
<背後に電通がいるのか、いないのか?過労死事件の記憶>
関西のスポーツ紙、デイリースポーツは、最終回を迎えた直後のビジネス展開発表に対して、背後に大手広告代理店の電通が関わっていることを予想しました。
ツイッターでは、 #電通案件 がトレンドになり、物議をかもしています。
広告代理店とは、クライアント企業の広告活動を代理で行う企業。新聞、テレビ、ラジオ、雑誌やWebメディアなどさまざまな媒体への広告出稿をサポートすることで手数料を取るビジネスモデル。広告代理店と広告制作業を総称して、広告業界とも呼ばれる。
電通は2015年に、社員の高橋まつりさんの過労自殺で話題になりました。
高橋さんの残業時間は認定されただけで、月に100時間を超え、過労死ラインを超える働き方が常態化。過労自殺を受けて、2017年1月に石井直社長は引責辞任をし、電通も労働基準法違反の罪で起訴される。同年10月には電通に罰金刑も言い渡されたが、わずか50万円という判決に多くの人々が憤りを持った。
https://twitter.com/shota_/status/1241132143855595521
ご遺族である高橋幸美さんは、娘の死を受けて、全ての労働者が同じ思いをしないように懸命に活動を続けられているます。
https://twitter.com/yuki843003
電通は、1991年にも電通は新人男性社員を過労とパワハラによって、自殺に追い込んでいるようです。
電通は、2019年にも残業時間の上限を定める労使協定を違法に延長させていたことなどを理由として、労働基準監督署から是正勧告を受けています。
政府も働き方改革を進め、残業時間規制に取り組む最中、労働者の権利を守っているようには…
<たかがワニ、されどワニ 人類みな師>
ここまで、「100日後に死ぬワニ」について、綴ってきました。
もちろん、この作品に罪はありません。
素朴なタッチで日常と生死を描く良い作品です。
もちろん、電通にも罪はありません。
そもそも電通が関わっているかどうか、真意はわかりません。
しかし、
<悪意があろうがなかろうが、順序を間違えれば、誤解を与える>
のです。
「余白」 そして、 「距離感」
今回の件からは考えさせられました。
いつものぼくならここでアフェリエイトリンクを貼るでしょう。
しかし今回は、ワニのリンクを貼ろうと思わないのです。
ぼくはかつて、国土交通省に勤務しており、森友学園問題に関わりました。
その闇を経て、インテリヤクザと言われるほどには、「ドライ」な思考になってきました。
スターウォーズのアナキンのように、ライトセーバーが赤く染まっていったのです。
https://note.com/kobelupin08/n/n04e36c135c01
昨日の飲み会では、
「喜多さんは、野心家で反骨心だらけで、ポケモンのヘルガーみたいだ」
と言われました。
https://twitter.com/kitabagugi777/status/1241054850546188289
しかし、ぼくにはまだ良心が残っていたようです。
今回の件を知って、「俺もワニに便乗してアフェリエイトで儲けよう!」ではなく、
「この案件について、コラムを書いて世の中に投げかけてみよう」と思ったのです。
もちろん、みなさんそれぞれに考えがあると思います。
どれが正解、どれが間違い、それはわかりません。
この作品のメディアリミックスに関わった人も並々ならぬ思いで仕事に打ち込んではずですので、それら一切を否定するつもりもありません。
ただ、ぼくが最後に言いたいことは。
人間、忘れちゃいけない大事なことも、ある。
自分の信念に沿って、生きていけたらいいですね。
リトル池上彰が解説!政治経済から芸能まで 喜多ばぐじ ⇒ 逆境を笑いに変える道楽家 @kitabagugi777
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