第18話 鉄があんまり取れるので

僕はアメリカ大陸を現地人と共に、西洋から取り戻したのちに。資源探索隊を組織し、現地人にも協力してもらった。すると、とんでもない埋蔵量でこの資源をどうするか悩み一部を信長さまに送り、広大な面積を誇るこの大陸の自然をまもりながら、現地人の文化をリスペクトしながら開拓していった。

道路や鉄道などのインフラ。

各駅や道の駅周辺の都市計画。

点在するコンパクトシティに、効率的なエネルギーサイクル。

信長さまに与えられた研究所で行われている風洞実験が僕の出したマニュアルや基礎理論に基づいて実行されていれば、アレが完成していてもおかしくない。

なので、大陸横鉄道『建御雷神』と横断道路『織田の道』を建設した。


現地人が、大変に協力的だったのでものすごいペースで事業は進行した。特筆すべきは製鉄加工をさせた職人たちや、採掘させたものたちの進化だ!これには驚いた!


こうして、アナログシステマチックな簡素な現代技術は2ヶ月でことの全てを終えた。



『慶次郎よ!』

『はは!』

『この地は、そなたに任せるぞ!わしは1度信長さまにお会いし数々のことを報告書せねばならぬ!』

『叔父きよ、その前に。この慶次郎めに胸に秘めていることを話されよ』

『!』

『なんのことだ?』

『あのさー、叔父きとわしは、何歳からの付き合いじゃ?あの日からの叔父きの変わりようで、叔父きは叔父きでないことはわかっておるよ』

『な、なんだと…。。』

『そもそもだぜ!叔父きと某は全く気が合わなかったんだぜ、それがなんだ?今の叔父きは尊敬に値するし、知恵も力もある!武のちからでさえ某を突然越えた!秘密があるに決まっている!信長さまにお会いし話す前に某で練習したらどうだ?』

『流石は慶次郎、このこと口外せぬと誓えるか?』

『あのね!死を覚悟してきいてるんだぜ!絶対に今の叔父きには勝てぬ!無理だ!』

『……わかったよ慶次郎さん』

『慶次郎でいい』

『僕はね、たぶん…だいたい今から500年後の世界から利家さまの身体に転移してきたんだと思う』

『こっれはまた!爽快なはなしよの!で?で?』

『僕の名前は前川右左、14才。日本の石川県…加賀か。そこから来たんだ』

『うさ?名字帯刀してるってことは大名か?』

『んあー。なんて説明すればいいんた!?』


僕は頭を抱えてしまう。とうとう、この日が来たのだ。


『まあ、いいさ。うさねー。うさちゃんってウサギみたいだな?わっはははは』

『からかうのはやめてくれよ慶次郎』

『尊敬してるんだぜ!これでもうさをさ!あっという間の電撃的偉業だ!』

『そ、それはありがとう』

『まあ、こっちのことは任せてくれ!って綿密なうさの指示系統での計画にしたがってれば基盤は大丈夫だ。もし、仮に西洋のやからがやってきたら捕まえてしまえばよいのだろう?』

『そうだね、できるだけ殺さないで欲しい』

『いいぜ!』

『ただし!相手が諦めなければ殲滅してくれ!』

『そういうの、大好きだぜ!』

『なぜか、ここに来ても帰ってこないというプログラムなんだよ。だから帰さなければ良いし、できるだけ殺さないで帰さなければ良いんだ!』

『そして、仲間にしてしまうとっ!そういうわけだな?』

『時間をかけてね』

『うさ!俺はお前が好きだ!あの嫉妬深い又左なんかより数万倍ゆかいだ!』

『あんやと、慶次郎』


僕は次の定期船で日本へ帰る。

その時、信長さまにもきちんとお話しをしなければならない。少し怖いけど、死にはしないさ!


こうして僕は帰国準備に入るのであった。


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槍の又左一代記 依田cyber良治 @yodacyberryouji

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