第9話 部隊編成と戦略

信長さまとは確か半年という約束であった。既に約二月が過ぎている。やるべきことは山のようにある。しかも、同時に進行しないといけない。信長さまに報告も兼ねて軍艦一隻と護衛艦三隻を日本に帰す。


『慶次郎!金堀衆のものを呼べ!』

『叔父きよ、きっとおどろくぞ』

『どういうことだ?話をききたいから呼べ』

『すぐに』


慶次郎はゆったりした歩きに見えて、ものすごい早さでどこかへ消えた。


(あの歩法はつかえるなあ。今度教えてもらおう)



そして、しばらくすると小柄な男が現れた。

アマテラスに乗船していたので顔はわかるが、まだ名を知らない男だった。



『うむ。ご苦労。さて、そちの名はなんだったであろうか?』

『ははっ!金堀衆では、ムカデの次五郎と呼ばれています』

『次五郎よ、今どれくらいの金が得られそうなのじゃ?』

『前田殿、そう。ではなく得られました』

『いやいや、そんなに早く得られる訳がなかろう?』

『約10貫目ほど』


(40キロ?はい?1両が40グラムやろ?現代価格では、1グラム六千円…戦国時代の日本の扱いだと…40グラムで50万円くらいや!)


40=50万円

400=500万円

4000=5000万円

ということは…………。

戦国相場で四億円あるやん!


『次五郎よ精錬はしてあるのか?』

『はい!とても良質な金が得られましたぞ!いやはや、ざくざくとれるのでつい寝るのも忘れましたわ!』

『そうであろうな』


『次五郎よ、今回ツクヨミを日本へ帰すぞ、内密に積込をせよ!』

『ははっ!ただちに!』



『慶次郎!信昌を呼べ』

『ははっ!』


今回は与三右衛門を日本に帰そうと決めている。


『前田殿、お呼びで!』

『うむ、今回は定期連絡としてツクヨミで日本に行け、信長さまへの書状は明日にはしたためるので、明後日出立せい!』

『ははっ!』

『船旅は辛かろうし、信長さまのもとで半月ほど休み、またここへ戻れ!戻る際に必要な物資も指示書として明日には用意する!』

『ははっ!』

『急ぎ支度をせよ!』



(これで、ちょっと帰るの遅れるよって伝えといたほうが、ベストやろ?)



『慶次郎!』

『ははっ!』

『あとは、ここに残る部隊と東へ進む部隊をわけるぞ!激戦になるやも知れぬ、作戦を立案せよ!』

『叔父き!そんな楽しいことを某がやってよいのか?』

『先ずはやってみよ、手直しはするかも知れんがな』


慶次郎の上げてきた作戦は素晴らしかった。慶次郎は単騎でも優れた武将だが、まさかここまで奇想天外とは。


おかげで僕は英語の文章を書かされている。

後で版画にして枚数を増やすそうだ。

熱気球も改造している、あれは、ほぼ飛行船だ。今までは、僕の令和の技術を伝授して様々な物を作ってきたが、日本人の器用さと勤勉は下の部下たちにも備わっており、まるでオートマチックに進化、開発が行われていた。



慶次郎の立案は全て手直しなしで実行中である。2週間の準備期間の後に進軍を始める。


これが普通の進軍ではないんだ。


さて、どうでるか?楽しみである!






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