第5話 津島
元来、織田家の交易港であった津島港の未開拓地を軍港及び造船所として整備し、70隻もの様々な船が浮かんでいた。
流石に空母は厳しかったので、各船には熱気球が搭載されている。長いロープで固定されているので、停船時の遠方の警戒は万全である。
模擬訓練として、九鬼水軍や村上水軍、河野水軍と共同訓練をしたら、とっても素直に配下に加わってくれた。目がキラキラしていたのが印象的だった。
織田家に残すのは、各種艦艇20隻。
我らは50隻もの大艦隊でアメリカ大陸西海岸を目指すのだ、途中グアムとハワイ保護下に置く予定である。
僕は旗艦アマテラスに乗船する、全長200メートルもの大型艦だ。
『錨上げー!』船長前田慶次郎の号令が飛ぶ。
ギャリギャリギャリ
手旗信号と鏡でのモールス信号、煙幕弾の色や方向での全艦隊への指示を送る。
津島軍港から外洋へ出た我々は訓練通りの艦列を組む。
『ヨーソロー!』
『機関の出力上げー!』
万が一のために、帆船としての装備もある。
とりあえず景気よく快晴の海原を最速で進んで行く。
『叔父きよ、こりゃたまらんね!』
慶次郎はご機嫌である。
令和の歴史では不仲説があったような気がするが、武力、胆力、人間味ある魅力と美貌が相まって、なせがみとれてしまう男だ。
潮風が心地よい
本当に何事もなく…いやあるか。
艦隊には漁船や捕鯨船も加わっているのだか、見事に立派なクジラを仕留め、様々な海の幸を捕獲しながら、海原を快適に進む。
飲料水は、海水を蒸留して確保している。
するりするりとあっという間にグアムに到着した。なんか変なのがいるぞ。
スペインか。
排除しよ。
数隻のスペイン艦隊に対して50隻から、一斉に砲弾を放つ性能的には、有視界であれば絶対に命中できる性能である。
1分でスペイン艦隊全滅である。
令和なめんなよ
水陸両用強襲艦で砂浜に上陸、圧倒的な火力で陣地を構築する。
そこへ、白旗を上げたスペイン人らしき男が歩み寄ってくる。
『止まれ!』スペイン語なんて知らないから日本語で話す。
(あ、とまった)
『あなたはなぜ、スペイン語がはなせるのだ?なぜ一方的に攻撃をするのだ!』
(おっとー。転生ボーナス発見)
『お前たちはこの美しい地を植民地にするだろう、そのような身勝手は我が織田海軍が許すわけはなかろう』
『何をいう!我々は長い航海の末にこの島を発見したのだ、よって支配権は我々にある!』
(めんどくさいなあ)
『慶次郎!やつを捕虜にしろ殺すなよ!』
『楽勝』
有言実行、簡単に捕縛できた。
三角貿易、白い貨物と黒い貨物。その流れの根元を打ち砕く。
多少の反抗はあったが、射程距離の違う銃では戦闘にもなりはしなかった。
そして、グアムの首長と会談する。
『今後もあのような、やからがこの島を荒らすであろう。配下になれとは言わぬ、有効条約と平和協定、日の本の織田海軍による安全保証条約を結ばないか?』
『そのような条約はそちらの負担にしかならないでしょう、よって武力に優れた海の男を何人か配下に加えてくださいませ』
『よかろう、配下というよりは対等の同盟にしたい』
『利家さまは何と寛大な沙汰をされるのでしょう』
すると、首長の後ろから可愛らしい女性が現れた。慶次郎の姿をみて恥ずかしげに顔を赤らめている。
『利家さまの配下である慶次郎さまに、我が娘を嫁がせて頂きたく存じます。どうかこの願いを叶えてくださいませんか?』
『慶次郎、どうなのだ?』
『気に入った!』
グアムの地形は心得てるので、戦艦4隻を防衛のために残し、我々はハワイ島を目指す。指揮官には、木下藤吉郎を残した。
そして我々は、漁業をしたり捕鯨を適度にしてアメリカ大陸へと近づいてきた。
目視できる。
いよいよだ!
いつかの時代ではカリフォルニアと呼ばれる海岸へ艦隊を寄せる。
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