第6話 サンタモニカ上陸

広大な砂浜が見える。


(サンタモニカあたりかな?)


艦隊を警戒部隊と上陸部隊の二手にわけて、水陸両用強襲艦と艦隊に搭載された上陸戦で海岸へと近づいていく、船底が砂を噛む感触がし、そこからは徒歩でじゃぶじゃぶと歩いていく。


強襲揚陸艦はそのまま上陸し、万が一の事が内用に布陣させる。


『叔父き、美しいところですなあ』

慶次郎はただ景色の美しさに感動しているようだ。

『いよいよだな、段取りとしてはあの森林の木を伐採し、道を作ることだ。伐採した木は簡易的な港の建造に当てる。かなりの建築資材は持ってきているが、どんどん必要になるので職人部隊に加工をさせよ』


(さてと、金と石油、石炭、鉄鉱石を探さなければ)


令和の記憶をたどるとなんとなく場所はわかるも、現場に立つと全然わからなかった!



『偵察隊を集めよ』

『ははっ!』


しばらくすると500名もの偵察隊が集合してくる。


『皆のもの良いか!各小隊で八方へ偵察に出よ!現地人を見つけた小隊は接触をせず、この陣へ帰参せよ!』

『かしこまりました!』


久しぶりの陸地のせいか、皆が生き生きと走り出して行く、この部隊の中には伊賀と甲賀の忍び衆もいる。



僕は長い船旅で疲れているだろう部下たちに、交代で休息を与えることにした。



砂浜に寝そべるもの、釣をするもの、流石に海水浴をするものはいなかったが、素潜り漁をしている集団もいた。


(あれは休息になるのか?)




日が沈もうとしている。

陣地の各所で焚き火の煙があがり、皆は思い思いに食事の支度をしている。


(信長さまは、今ごろどうされてるだろうか?)


ふと、遠く離れた日本を思い出す。




『報告せよ』

気配を消して現れた偵察隊員が驚きの表情をかくせずにいる。


『ここから2里のところに現地人の集落を見つけました!』

『よろしい!案内せよ!』

『し、しかしもう宵を過ぎるころですが…』

『かまわぬ!』

『ははっ!』

『慶次郎!この場の指揮はまかせたぞ!』

『行きたいが、仕方ない。まかせてくれ!』




月のない夜である、懐中電灯のかわりに指向性ランタンを手に持ち足場に気を払いながら進む。


しばらくすると、キャンプ場のようなものが視界に入ってきた。


『あちらでございます』

『いわんでも、わかるやろ?』

『申し訳ございません!』

『まあよい、そなたは真面目なのだろう』



『そなたらはここで待て!』

『危のうございますぞ!』

『わしの方が余程危ないわ』



キャンプ場へ近づいていく、確かティピーという移動式の住まいだっただろうか?



『誰だ?』

精悍な目付きをした青年が声を発した。


(あれー?日本語はなしとるやんけ)


『前田利家である、酋長はご在宅か?』

『わたしは、ジョジョ。部族の戦士である。しばし待たれよ』


ジョジョは疾風の如く闇に消えた。


(転生ボーナス半端ないわ)


しばらくすると、杖をついた老人が現れた。


『わたしがこの部族の酋長のイシだ』

『酋長イシよ、前田利家と申す。海を越えてやって来た。色々と話をしたいのだかよろしいか?』

『よかろう、ついて参れ』


そして、集落の中心部にあるひときわ大きなテントに案内された。


『前田殿、楽に座られよ』

『これはありがたい、気持ちではあるが我が国の酒をいくつか持参した、受け取られよ』

『ほう、どれどれ』


トクトクトク…グビッ!ゴクリ。


『なんと!これは上物だ!お前は良い人間だ!』


(純粋だなあ…なんとかしてあげたいなあ)



『前田殿よ、わしは不思議でならない。なぜそなたは我々の言葉を話せるのだ?』

『酋長イシよ、我が国にいたときに天から精霊がやって来て、この地の者達を助けよといわれてなあ、いてもたっても居られず、はるばる海を越えてやって来たのだ。』

『東の異人のことか?』

『酋長イシよ、まさしくその事であります。我々であれば打ち払うことも出来ます。

共存することも出来ます。

どちらが望みか?』

『太陽が三度昇るまで待ってはくれないか?』

『それは構いませんが、実は我々は国のために、黄金色の石と黒い油の泉、鉄を作る石を探しています。ご存知ありませんか?』

『この酒はまだあるか?』

『あー、日本酒はありませんが焼酎ならありますぞ』

『ほう、どれどれ…きっくー!ぷはあ』


(本当にお酒すきなんやなあ)


『お前は良い男だ、よかろう!この酒の礼に案内させようではないか!ジョジョよ!』

『はい、おじいさま。お呼びでしょうか?』

『ジョジョよ、前田殿を明日、黄金色の石のあるところと、黒い油の泉のところへ連れていってはくれぬか?』

『おじいさま!双方とも聖地ではありませんか!』


すると、酋長イシはジョジョの口に焼酎の瓶を押し込んだ。


ごくごく、ごくごく…!


『おじいさま!これはいったい?』

『前田殿がくださった焼酎というものだ』

『前田殿は、良い人間ですね!わかりました!』

『そうであろう♪そうであろう♪酋長焼酎大好きになったぞい!わははは』


(翻訳機能が、誤作動したのだろうか?駄洒落に聞こえだが?)


『おじいさま!酔われてますね!父を呼んできます!』

ジョジョは疾風の如く闇に消えた。

普通に行けば良くない?


こうして、酋長イシの息子ロニモであり、ジョジョの父ロニモと3人で朝まで飲み明かすのであった。

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