第2話 書き換えられる歴史

僕は清洲城近く五条川沿いに製鉄所を備えた研究所を建築した。

高炉をつくるのに多少手間取ったが、小規模高炉としては充分に稼働する性能をもたせることが出来た。


(エアコンないし熱いわ!)


密偵を通して複数の種子島、要するに火縄銃をゲット、これを元に設計図を書くのに…筆じゃ無理なので、ついでに鉛筆を作成した。


これには信長さまも驚いて、色々な書状を鉛筆で書き始める始末。まあいいか。


鍛冶職人の八十吉と相談しながら、薬莢、火薬、弾丸。そして!リボルバー式のライフリング銃と銃剣を作成した。


花火師の田吾作さんも、面白がって取り組んでくれている。


黒色火薬の配合を教えたら、2週間で完成させてきた!マジか!こっちはまだリボルバー式のライフリング銃剣の鋳型も半分なのに。

薬莢とか弾丸もまだだよ。


蒸気機関の作成は僕が担当。

八十吉さんのチームが優秀でどんどんパーツが出来て来ます。流石に溶接は出来ないので、ボルトナットで頑張ってます。


蒸気機関が出来るとライフリング加工がとても楽になるので、急ぎ目に完成させちゃいました。


産業革命の前倒しです。



そして、なんと!一年でリボルバー式のライフリング銃剣が完成しましたー!ぱちぱち!


『信長さま、利家でございます!』

『利家か。此度は何用じゃ?』

『新式の銃が完成しましたので、是非ともお披露目をさせていただきたく存じます!』

『苦しゅうない!案内せい!』

『ははっ!』


こうして、信長をつれて試験射撃場に着く。

ターゲットは、50m 100m 150m 200mに設置してある。それぞれに、円形の的と鎧兜が並列してある。


『利家、早速始めよ!』

『それでは、一番手前の的二つから始めます、撃ち方構え!撃て!』


ドーン!カチャ、ドーン!


研究所の職員が走りよっていく。

『的中心部に弾痕確認しました!鎧兜は背中まで貫通しております!』

『次の的へいくぞ!撃ち方構え!撃て!』


ドーン、カチャドーン!


『ターゲットワンと同様です!』

『次!』


ドーン、ドーン!カチャドーン!ドーン!


結果的に200m先の的と鎧兜も貫通していた。



僕は新たな指令を出す。

『銃弾の補給急げ!一番遠い的と鎧兜に6連射せよ!各3発づつ狙うように!急げよ!連射だ!構え!撃てーー!』


バンバンバンバンバンバン!


『全弾命中!鎧兜は貫通です!』


『信長さま、いかがでございますか?必ずや戦の有り様を変えうる武具だと思います』


『利家、1日でいくつ仕上げることが出来るか?』

『はっ!現在の生産規模ですと1日30丁でございます』

『で、あるか。今は何丁あるのだ?』

『同じ型式であれば300丁ございます!』

『で、あるか。1000丁に至ればすぐに知らせよ!わしが美濃を平定してみせるわ!どんどん作れよ利家!10000丁に達すれば武田を討ち滅ぼしてみせるわ!わっはははは!』

『信長さま!高炉をもう一つ増設してもよろしいですか?10000丁までの期間が半減されます』

『やれい!利家!』

『ありがたき幸せ!』


こうして僕は高炉の増設をし、三日後には1000丁、一か月後には10000丁のリボルバー式ライフリング銃剣を完成させた。



歴史は歪められたのであった。

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