存続を望むなら倒産を理解する①

存続を望むなら、倒産を理解せよ


達社長が社長に就任した当初、

尊敬する税理士の所長先生に

言われた言葉である。


あってはならないからこそ

転ばぬ先の杖として、

倒産企業から学び

自らの存続技術に

活かす必要がある。


父の時代に、倒産一歩手前まで

陥った状況を見聞きしていた達社長。


この教えには大変共感している。


所長先生から教えて頂いた

達社長が理解している

倒産する企業の特徴は4つある


最初の2つは

「経営は現金なり」

という教えである


第一の特徴

デタラメなバランスシート


倒産企業はほぼ例外なく

決算上のバランスシートと

実態のバランスシートが

大きく乖離しているという。


売上至上主義で、現金の大切さを

理解していない経営陣。


売掛金や在庫など、

経営者が正しく金額を

押さえることなく、


帳簿という名の経理に

丸投げするやり方が

デタラメな数値を許す風土となり


実態なきバランスシートを

つくらせると教わった。


シンプルに言えば

社長が「財務に無知」な事が

基点にある。


一方、達社長。

数値には強いと考えているが


バランスシートや

キャッシュフローを

学んだことはなかったので

「社長の財務」を

しっかり勉強している最中である。


第二の特徴

金融機関との信頼関係の崩壊


倒産に至るか、再生を果たすのか?

「現金不足は突然死」を意味する以上

瀬戸際で、金融機関が果たす役割は

極めて大きいのは必然だ。


金融機関は、

「雨の日に傘を貸さない」

と言われる。


現金が必要な苦境に立つ企業に

資金を貸し出さないという意味だ。


そうした悔しい思いをしてきた

会社を達社長もいくつか知っている。


しかし、所長先生によれば

その原因は、日頃の借りる側の

企業姿勢に起因していることも

少なくないそうだ。


経営のパートナーとしての

情報開示やコミュニケーションが

なされていないからだ。


一例だが、

金融機関を貸し出し金利だけで選ぶ、

業者のような扱いをしていれば、

「いざ」という時に手を差しのべて

くれる事はないだろう。


建設業は、商品販売業などとは違い

物件の工期が長く、月次の業績が

分かりにくいと言われる。


だからこそ、丁寧にメインバンクに

報告をしておくべきだと教えられた。


今時、メインバンクという考え方は

古いのかも知れない。


しかし、やっていて損はない。

倒産という「取り返しのつかない」

失敗を防ぐことに繋がるなら

なんでもやる。


そう考え

四半期毎の業績、資金繰りの報告を

継続、信頼関係構築に注力している。


「八百屋の大将のように経営する」

今、達社長が心がけている事である


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