「やりたい」意志を大切にする


ある建設会社を紹介された。


実はこの会社、

10年以上も前に介護事業を立上げ、

今では、押しも押されもせぬ

事業へと発展させている

地域の優良企業である。


達社長は、興味津々。

建設会社なのに、介護施設の運営を

事業として自立させるなんてすごい!


介護施設の工事が多く、その実績や

強みを活かした展開をしたのか?


介護施設系の経営人材の紹介など

人的な縁があったのか?


あるいは、工事などを請け負う中で

助けを求めにきた法人施設があり、

その施設を買収するなど、

資本的繋がりがあったのだろうか?


事業の成り立ちを色々想像しながら

先方社長に遠慮なく質問してみた。


「なぜ建設会社が

介護施設の運営を始めたのですか?」


すると、達社長にとって

意外な答えが帰ってきた。


「やりたいから始めたのです」


「ノウハウはありませんでしたが、

社会の役に立つと信じたから、

決して諦めなかったのです」


始まりについて、詳しく聞くと

ノウハウある人材採用を

したのではなく、また

既存施設を買収した訳でもない

という。


つまり、出来ることの延長で

始めた訳ではないというのだ。


それゆえ、

相当な苦労もあったようだ。


しかし、

「戦略は稚拙だったと思いますが

周りが本当に助けてくれました」


地域企業は勿論、

本来ライバルになるはずの

ケア事業の会社までもが、

同社の取り組みに、影に日向に

サポートすることで立ち上がった

と、お聞きした


「成功するまで諦めない。

いや、それだけでした」


無論、謙遜だろう。


しかし、

信念は戦略を越える・・

素直にそう感じる。


今では、広域に施設を展開。


地域毎の特徴を踏まえて、

中核都市圏、都市圏、地方圏等

エリアをいくつかに区分。


地域に必要な、ケアサービスを

施設型や、在宅型、あるいは、

ケアから予防的なサービスまで

ケアメニューをパッケージ化。


自治体や医療機関、学校や

民間企業など、様々な団体との

連携を図りながら、


高齢化時代に相応しい、

健康とケアが共存した

地域のあり方を考えた

サービス導入を進めようとしている。


つまり、

『ケアのある街づくり企業』

へと間違いなく変貌しようと

しているのだ。


「社会の課題を

解決することで成長する」


時代の一歩先を行く、

世の中に必要とされる企業。


驚きと同時に、素直に凄いと感じた。


ある意味、建設の枠組みを越えた

モデルづくりを押し進めている

トップのリーダーシップも

そうなのだが、


達社長が一番感化されたのは

冒頭話された、

事業立ち上げの動機である。


儲かるから始めた

訳ではなく、必要だから始めた。


そして、達社長、心に誓った。


「必要だからやる」そして

「やりたいからやる」


この気持ちを大切にしようと。


第二創業。

そんな可能性を感じる1日だった。

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