あらゆる事業はサービス化する

ある中堅ゼネコン会社の役員の方と

情報交換する機会に恵まれた。


正直、同業の方の話しは

「建設業界は特殊だ」など、

どちらかと言うと、

後ろ向きの場合が多く


あまり気乗りしないと言うのが

本音だった。


しかし、結論から言えば、

今回の情報交換は、

ヒントや気付き満載で、

時間がたつのを忘れるほどだった。


沢山、示唆を頂いたが、

一番印象に残ったお話しが

グローバルトップ10の建設会社。

その経営スタイル、すなわち

ビジネスモデルについてであった。


端的に言えば、

次のような事になるようだ。


「建設ラッシュが続いた中国企業を

除くと、ほとんどのグローバル

トップ企業はコンセッション型

事業を軸に活躍しています」


コンセッションとは、

施設の所有権を発注者に残したまま、

運営権を民間事業者に売却する方式。


シンプルに言えば

建てた施設の運営まで

建設会社が自社で行うと言うことだ。


つまり、

「建設だけでなくサービスで稼ぐ」

のである。


成熟する社会やマーケット・・・

「あらゆる事業は

サービス化していくのです。

建設業とて例外ではない事を

世界的な企業が証明しています」


衝撃であった。

「建てて稼ぐでなく、

建てた後で稼ぐ」


建設会社がサービスを

大きな稼ぎの柱にしている。


因みに、今回お話し頂いた、

中堅ゼネコン会社。


公共の施設は勿論、

今では、子育てに関わる施設の運営や

建築物の保守サービスまで請負い


なんと全社営業利益の2割以上を

サービスで稼いでいるという。


同氏によると、

建設業がサービスを考える上で、

次の3つのステップがあるという。


①信用ステージ

建設に付随するサービス


アフターフォローなど

信頼に繋がり、顧客満足を高める。

しかし、差別化までは難しい状態


②差別化ステージ

サービスの力で建設を獲得する


危険物を扱う物流倉庫や、

高度な品質管理が要求される

食品工場など、

専門知識が求められる分野や


施設の運営力や集客ノウハウ等

専門サービス力が建設受注に

大きく寄与している


③事業化ステージ

サービスが事業として成り立つ


サービスだけで経費をカバーし

利益を出せる体質


「これからもっともっと、

サービスを大きな事業の柱に

していきます」


人口減少時代。

大都市圏を除けば、建物がどんどん

建つ時代ではない。


頭では十分に分かってはいたが、

どうしたらいいのか?

それを考える余裕もなかった。


サービスという事業領域・・・

今まで、

もっとも遠い存在だと思っていたが、

これを機会に、少し意識を改めよう。


「サービスの事業化」

大変勉強になる1日だった。

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