第15話 新型コロナ、日本の戦いと世界の戦い。
『点と線』と云う松本清張の名作がありました。新型コロナはこれに面が付きます。
専門家会議の最初に出された基本方針を何度も読み直したのですが、感染研の従来からの域を一歩も出ていません。今回のコロナの特徴は不顕性感染者の存在でしたね。ドイツの医師はこう語っています。
「まったく症状がない人が他人に感染させ,さらに感染させられた人が別の人に二次感染させるというのであれば,特定の感染経路をとりあげて追跡しようにも,たちまちネズミ算になってしまうので不可能です.よって,Tree図として,つまり【線として】,感染を把握するのではなく,『この地域で感染が発生した』と,【面として】把握するしかないでしょう」と。
日本は点を見つけて線で繋いで集団感染を潰す。所謂クラスター戦法です。
ニューヨーク在住の日本人医師は今の日本の現状を見ていて、
「日本はここまでのところ、クラスターという感染の「点」を把握してそれを封じ込めようと考えてきましたよね。でも医療現場の実感でいえば、それは非常に難しいです。新型コロナは感染力がめちゃくちゃ強く、重症化したらかなりの確率で死にます。ですから、ロックダウンで「面」として国民の行動を制限し、短期間で爆発的に感染拡大することをなんとか阻止する。これが何より重要です」と、
これが今欧米で取っている荒っぽい方法です。アジアの出来事と見ていた欧米は気が付いたときは時遅しで、荒い方法を取らざるを得なかったのでしょう。これは経済的なダメージを伴います。
日本は幸いか不幸かクルーズ船があって、国民の危機意識が高まり、手洗いの励行、自粛要請に応じる国民性、クラスター戦法もそれなりの効果を出して、それが「世界の不思議」と延命してきたのです。選択を誤らず、先手、先手を打っていれば、日本は世界に奇跡を示せたかも知れないのです。
疑わしい人、希望する人、方端から検査して隔離する。治療よりまず隔離、これが韓国方式です。唯一水際作戦で成功したのが台湾です。武漢の状況を中国中央より早く知ったという特殊事情も考慮しなければなりません。
ドイツは大きな武漢、日本の小さな武漢を見てその間対策を取ってきていましたが、まさかイタリアから大きな火がつくとは思っていなかったのでしょう。国境封鎖を巡っては二転三転しましたね。あとは粛々とドイツだけでなくヨーロッパの危機と捉えて奮闘しています。
まさかと思ったのがアメリカの危弱さです。中国発アメリカ行き、まさか報復合戦ではないでしょうが、何とも何かを象徴しています。アメリカについては次回に。
備考
やっと謎解きが、ガラスの上にスポイトで水を数滴離してたらします。表面張力が働いている内はいいのですが、崩れ出したらあっという間に面になってしまいますね。
画用紙の上にたらしますと、吸い込みます。離れ具合によっては繋がりませんが、水滴を多く垂らすと、やっぱり面になってしまいます。
握手やハグや濃厚接触の多い欧米はガラス、そういった風習がなく手洗いに励んだ日本は、じわーっと浸透する画用紙と考えたらどうでしょう。今の東京は表面に水が浮き出ている状態かと判断すれば。拭き取りの雑巾で間に合うのか、はたまたドライヤーが要るのかですね。
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