第7話 遠く遠く

 貴方は目が悪いことを嫌がるの

 年々見たいものが裸眼で見られなくなっていくのが嫌だって言うの


 誰にもナイショの話なのだけど

 目が疲れた時の眼鏡を外した、少し遠くを見る目が私は一番好きなのよ


 濁ったような表現をする時よりも

 難しい表情をする貴方がとても好き


 それが私はとても好きだった


 もっと素直になれたら言えるのに

 私は言わないの



 こういうナイショを持っているのも私は好きなの



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る