第4話 天辺は遠く 淡い青

 今までどうやって息をしていたんだろう。

 ここはこんなにも息をし辛い場所だったのかな?



 思い出せない。



 夕暮れ時に会えたことは嘘じゃない。

 傍に居たのも幻じゃなかった。

 誰の前でも変わらずに素直に生きているんだって。格好つけてるなんて言われてるけど、違った。キミはずっと変わらずにいた。何年経ってもキミはキミのままだった。



 けれど、キミは淡い色に包まれた遠くの存在。


 手を伸ばせば触れられるのに。触れれば壊れてしまいそうで、俺は躊躇してしまうんだ。


 何かを欲すると何かを失う。



 もう、遅いのに。

 今更、遅いのに。




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