第七話

 そして、あれから一時間ほど、撃ち込んだ結果。跡形もなく、基地は焼け野原となった。もう、軍人の姿はどこからも確認ができない。

「全艦に通達!これにて帰投する!全艦速やかに帰投準備を開始せよ!我々の勝利だ!」

 全艦からウォオオオという歓声が飛ぶ。もうすっかり日は落ちている。しかし、海と船員の表情は赤い炎に照らされて明るい。勝った。これで長年苦しめられていた戦争が終わった。

 帰ろう。愛するべき故郷へ。

 何も心配することは無い。アレは早とちりの空想だった。ただ、それだけだ。

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