第四話
かといって、まだ確定したわけではない。あくまで推測である。
確定していない以上これを大々的に調査並びに公表することはできない。ましてや、幕僚長に海将までもが協力していることがしれたら……考えただけでもゾッとする。更に戦争を激化させる事間違いなしである。
とにかく今は、この作戦の最善を祈り奮闘するしかない。家族のような艦隊の皆が無事に帰れるように。
同日 ヒトサンサンマル レイテ湾ホモンホル島沖
いよいよ、我が呉艦隊がレイテ湾に突入した。レイテ島には敵の艦隊を確認している。島内の飛行場も機能していると、陸軍から情報もあった。
敵艦隊は、現在のダニエル・Zロマオルデス空港、レイテ湾北部を中心に展開。
ここホモンホル島沖で、佐世保と岩国の部隊と合流する手はずとなっている。
「艦長、佐世保の尾張三佐から入電です!まもなく到着予定、ホモンホル島への上陸が本国より許可された、早急に上陸し体制をととのえろ。とのことです」
そこからついたあだ名が、西の暴君……まるで、野生児のような男だ。俺自身も、一度佐世保との合同演習にて、相手をしたことがあったが、結果は引き分けに終わった。敵に回したくない相手だよ……
そして、本国からのホモンホル島への上陸許可。おそらく外務大臣が、交渉してくれたのだろう。本当に助かる。
「これより、我が艦隊はホモンホル島への上陸行動へ移る。下船後、各艦長はむらさめの第一会議室に集合。各副長は、むらさめ副長山道三佐と共に、現地の方と共に補給指示をお願いします。増援到着並びに補給完了次第すぐに出航します」
ここにいる間は、恐らく帝国側も襲ってはこない。さきのルソン島沖での戦いで、重大な損傷を負っているはずだ。事前情報では、あと、台湾沖に出ている船と、本土防衛の船以外の艦船のデータはなかったので大丈夫であろう。
各艦長が、第一会議室へと集まってくる。
そして、佐世保・岩国の艦隊も到着する。
「失礼します!佐世保征南艦隊司令 尾張光起三等海佐であります」
「岩国航空隊隊長
土佐?!思いもよらぬ名前に俺は驚いた。実は、佐世保と岩国から誰が来るのか、事前に知らされていなかったため、またもや大学校時代の友人の名前を聞き、おもわず驚いてしまった。
「はるばる、ご苦労!尾張三佐、お久しぶりです。合同演習ぶりですな」
「おひさしぶりです赤城Jr.お元気でしたか」
「だから、その呼び方は……」
「まぁ、こまかいことは気にしないでおきましょう!」
そう。この尾張光起という男は、俺のことを赤城Jr.と呼ぶ。尾張三佐とは同い年で別に年下というわけでもない。実のところ、俺の父。
さぁ、話を逸らすとしよう。
「土佐三佐もお久しぶり!いつ岩国の所属になったんですか?」
そう。彼は舞鶴の新型航空母艦の最新機の搭乗者として、配属されていた。
「お久しぶりです!いや~それが、赤城二佐もご存じの通り新型航空母艦の建造が中止になったじゃないですか、で、舞鶴から岩国に飛ばされたってわけですよ~他の搭乗者たちは舞鶴で普通の海兵さんやってるんですけど、せっかく身に着けたこのスキルを無駄にしたくないな……と思い、転属希望を出したわけです」
「なるほど、まぁ元気そうでよかったよ」
昔から陽気な奴だとは、おもっていたが、さらに陽気になった気さえする。
「さてと、本題に戻ろう。作戦は、予定通り行う。呉のかが・ひりゅう、佐世保のはくほうでまず基地空襲を行う。指揮を土佐三佐よろしくお願いします」
「了解であります!」
「そして、その後、敵艦隊へ、砲撃を開始。敵艦隊を壊滅させた後、敵飛行場に向けてロングレンジ砲撃を行います。その間。砲撃をよけつつも航空隊は本土、軍事施設へ攻撃をお願いします」
これが今回の本土制圧三段作戦。
「佐世保艦隊は、空母の護衛をお願いします」
「了解~!」
ほんとにチャラいな。尾張という男は全く……
「以上。各艦長は、自艦に戻り作戦準備を整えよ!出雲三佐と土佐三佐は少し残ってくれ」
「「「「は!」」」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます