運だけでも異世界は生き残れる(ハズ！)

第六話 こうなる前は

ﾁｰﾝ…

｢お父さん…天から見守ってて下さい…」

あぁ…たかしはどうしてああなっちゃったのかしら…

いつからか…

eスポーツ？で優勝するからって言って就職活動もしないで…

20才からは酒を飲みまくって、30からは課金する為に私達の財布から金をとって…だからお父さんが頑張って働いて…

そのせいで…そのせいで…過労死…に…

私達が頑張って働いているのにたかしが一階に降りてくるのは金とご飯の為…あんな…あんなやつ…

（あんなやついなければ…）

あぁ、なんでそんな事思ってしまったんだ。ダメだ、そんな事考えちゃ。

もう歳だからだ…パートくらいでしか働けない…働いても、お金は貰えない…

(もう嫌だ…倒れたい…)

もう寝たい。そう思った瞬間

ドンッ！ドンッ！ドンッ！

「あぁ！このやろぅ！クソっ！なんで！アイツ！結婚！してんだよ！」

そうだ、私がいなくなったらたかしはどうなるんだろう…私がたかしを一人で生きれるような子にしなくちゃ。

これが一話の一日前だった。