「戦争」「リンゴ」「ゆがんだかけら」
高校時代のお話。
彼女が美味しいアップルパイを焼いたので、家に来ないかと言う。
「今日はお父さんもお母さんも誰もいないから」
僕は一旦帰宅すると、姉さんの部屋のタンスからコンドームをいくつか拝借した。付け方は・・・まあ何とかなるだろう。
彼女の家に行くには最寄りの駅から乗らないといけないのだが、既に駅前は封鎖されていた。戦争が始まったのだ。
物々しい警備を前に途方に暮れていると、携帯に彼女からの電話があった。
「どういうつもり?アップルパイはとっくに冷めちゃったわよ」
「だから何べんも言ってるじゃないか。戦争が始まったんだ。公共交通機関は封鎖されていて、君の家には行けない」
「そんな言い訳は聞きたくないわ!」
ぶつりと通話が切られた。やれやれ。
ゆがんだかけらのような性欲を持て余しつつ、僕はひっそりと家路に就いた。
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