第24話 それセクハラ〜!
ジェシカさんは僕と背が変わらないモデル系の大美人。
綾香さんがジェシカさんに腕組みホールドされてベタベタ状態での会場入り。主役が来たので、乾杯の挨拶になった。
ジェシカさんの綾香さんへの絡み方見てると、僕の方がマシなんじゃないかな……
ジェシカさんのイラストでブランド展開するっていうので接待パーティーだってのが分かった。確かにパンツの犬柄はどこかで見たことあるような気がしてた。かなり有名なイラストレーターさんなんだ。
ゲストに社内の人が多いのは、ジェシカさんが元社員だからと言うのもあった。パーティーはプライベート感も強い。
夕焼けになって一気に野外感が出て来た会場は盛り上がっていく。
社内でバンドやってる人がライブしてくれている。そう言う人をメインに呼んでるみたいだ。お偉いさんとは別接待で済んでるらしい。
それでも僕はまだペーペーなので恐縮する様な方たちばかりで、井達さんの従者みたいに付いて回るしか出来ない。
綾香さんは、ジェシカさんのホステス役で一緒にソファーに座りお酒飲んでBBQ食べてる。僕、お腹空いたなぁ……。
匂いだけしかいただいてない……。
藤田が井達さんのところに飛んでくると、井達さんがコソコソと何か伝え、藤田がジェシカさんへと伝言ゲームになった。井達さん、直接声かけないの? と、心配したけど、そういうことじゃなかった。
「要〜〜! 」と、藤田に呼ばれる。
うわぁ、ついにジェシカさんに挨拶するんだと思って緊張しながら席に近づくと、ジェシカさんの方から寄ってきて、綾香さんみたいに揉みくちゃにハグされた。
「おー、カナメくん! カワイイ! 」
ひいいいいいっ!! さすがに口はギリギリ避けてもらってるけど、両頬にめちゃくちゃチューされる。
「いいなぁ〜、要」
藤田が羨ましいがるけど、「ワンコ、ワンコ」と愛でられても結構しんどい。
「やっぱり好みだったか」と、井達さんが腕組みして眺めてるけど、いいの? それで? 綾香さんは呑気に肉食べてるし。
その後、ズボンめくられてパンツ見られて喜ばれた。ジェシカさん、セクハラ!!!
涙目になってやっと解放されたかと思ったら、今度は空腹にお酒飲まさせられた。アルハラじゃないか……。
いつの間にか、ジェシカさんの膝枕をいただいてるんだけど綾香さんも井達さんも助けに来ない。
僕は眠気と闘っている。
「コウスケ、再婚して」とか突然ジェシカさんが言い出すから何かと思ったら、ジェシカさん挟んで僕の反対側に井達さん座ってる。
「お前、また唐突に言い出したな」
——僕も本当そう思う。
夜空の下で別の男の頭を撫で撫でしながら言う話じゃないと思う。
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