第22話 どんな人だろう
僕のせいで狭いベッドの中で、綾香さんとさっきのLIN□の話をしてる。
綾香さんに来た藤田幹事のBBQのお誘い、僕の方にも来ていた。僕の方は、井達さんが「わんこ呼べ」って指名したらしい。
「これ、普通なら井達さんが綾香さん誘って、藤田が僕を誘うんじゃないの? 」
「あら、それで良いの? 」
……綾香さんもしれっと言うんだよなぁ。
「嫌ですけど、藤田が綾香さん誘うのムカつく。僕に綾香さん誘わせる流れで良くないですか? 」
「あれ? 藤田くんに話してるの? 」
「話してないですど、僕の綾香さん推しは認知なんだから抜け駆けですよね? 」
「…………」
綾香さんがスマホから目を離して振り返り、呆れた目で僕を見る。「嫉妬深〜い」「執着心キツ〜い」「めんどくさ〜」って?
「要くん、おバカ? 」
「……おバカです」
僕は開き直って、布団の中で綾香さんを抱え込む。ハグの勢いで身体が反応しかけて、綾香さんの冷えちゃったコーヒーを冷蔵庫に入れるか、カフェオレにして温めて飲むか考えて意識をそらす。
「多分、ゲストが理由かな。ジェシカが日本に来てる」
「ジェシカって、誰ですか? 」
「井達くんの元妻? 私たちのちょっとだけ先輩なんだけど、彼女を知ってる女性社員がいなくて私が呼ばれてるんだわ」
「井達さんと気まずい? 」
「違う。気まずいんじゃなくて、井達くんでも手に負えない? 」
「ぇ……」
井達さんの手に負えないって、どんな人なんだろう。井達さん、僕を誘ってくれたの綾香さんを誘うならって僕に気を使ってくれたのかな?
「綾香さん、カフェオレ飲む? 」って聞いた。「飲むけど、シャワーが先」だって。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます