第2話 わんこどころか
「綾香さん」
キッチンで朝ごはんを用意しようとしていた私の後ろに、目が覚めたばかりの要くんが私に脱がされたままの格好で現れた。
「ぼく、綾香さんとしちゃいました? 」
「……何でもないから気にしないで」
要くんのボクサーパンツ一丁を朝から拝むのは背徳過ぎる!
私は振り向かず流しの食器を片付ける。
——何にもしてないよ。しでかしたのは私だよ!
深夜に要くんの裸を眺め楽しんだやましさを思い出し私が焦っていると、要くんの方は私の返事に勘違いを起こした。
「ぼく、全然覚えてなくて」
そう言って要くんが私の背中にぴったりくっつくかれた。
「ごめんなさい」
「あ、あのね、要くん……」
何なら裸にしたのを平謝りしようかと覚悟して振り向いたら、要くんに唇を奪われた。
何も言わせない濃厚なキスに、目が眩む……
覚えてない事が問題なのか分からないけど、だかと言ってなぜ記憶を再共有し直さなきゃならない?
要くんはパニックを起こしてるのか……
ちゃんと『昨日はやってないよ! 』と言えばストップ出来たかも知れないのに、私の中で打算が大暴走した。
朝日が入るキッチンで、私は要くんにルームウェアの中に手を入れられて性感を弄られた。
脱がされて刺激されて私は立っていられなくなると、要くんにベッドに運ばれてしまった。
わんこ系どころか、朝から野獣……
要くん、何度も激しかった。
ぶっちゃけ、十年前までで恋愛経験がストップしてる私には未知の領域で、十年前の元カレとのセックスは何だったの? というぐらい上書きされてしまった。
なぜかいっしょにシャワーを浴びちゃうし……しちゃうし。
要くん……寝起きにシャワーでも浴びて自分の下半身確認すれば『昨晩は何もしてない息子さん』に気がつけたかも知れないのに……
ごめんなさい。
私が欲求不満を拗らせて要くんを裸にしたばっかりに……。
ほとんどお昼ご飯になった朝食を食べて、私は要くんにはっきりと提言した。
「今まで通り同僚として仕事に響かない様にしよう」って、話した。
会社の同僚だもの。
私、上司だもの。
まだ社会人二年目の要くんにアラサーの私は重過ぎる。
私なんか、ちょっと思い出深すぎ♡
若返りエステをエッチに堪能した♡
本当、良かったです♡
リアル満喫尊死♡
でも、社会的に死にたくない。
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