87:強かな王子
「やぁ。フィー」
ひらっと手を振りながら今日も眩い笑顔を見せる主。いつ見ても笑顔が素敵だ。フィーベルは顔が若干引きつりながらも笑ってみる。昨日の手紙通り、本当にクライヴは次の日にやってきた。
「久しぶりだな、フィーベル」
ひょこっと彼の後ろにはエダンの姿。
側近として、護衛として一緒に来たらしい。
「今回はお二人だけですか?」
辺りを見回すと他に人の姿はない。
クライヴが頷く。
「お忍びで来たかったからね」
「最初は殿下一人で行くつもりだったらしい。俺とマサキ殿は肝が冷えた」
エダンが疲れたような顔をしている。
おそらくマサキも同じ様子だっただろう。
聞けば誰にも何も言わずに勝手に行こうとしていたらしい。マサキが机の引き出しに隠された書類に気付き、無事に一人で行くのを阻止したようだ。さすが、仕事ができるマサキだからこその気付きだ。
クライヴは呑気に言う。
「心配しなくても、ここに来るのに何も脅威なんてないのに」
「国自体なくとも、道中何があるか分からないでしょう。もう少し王子の自覚を持ってください」
小言がなんだかマサキに似てきた気がする。エダンはとても面倒見がいい。人柄や実力だけでなく、その面倒見の良さも側近に選ばれた理由ではないだろうか。と、最近より思う。
「それにしても驚きました。急にこちらに来るなんて」
「内緒にしててごめんね」
聞けばファイやフィオには、事前にこちらに来る可能性があることを伝えていたらしい。昨日の手紙を慌てて伝えると、二人とも「ああ」とあまり驚いた様子はなかった。前々から急に行くことがあるかもしれないと伝えていただけに「いつでも来ていい」と言っていたようだ。ちなみにフィーベルに会う前にすでに挨拶も済ませてきたようだ。行動が早すぎる。
特にファイは、国に貢献してくれたクライヴにとても感謝しているようだ。フィーベルのことも含めて何かしら礼をしようとしていたらしいが、クライヴ側から全て断ったと聞く。国同士これからも助け合えたらそれでいいと。彼らしい理由だ。
つまり、事前に知らなかったのはフィーベルだけだ。王族同士のやり取りとはいえ、自分だけ知らなかったのは少しだけ複雑だ。昔からの仲ではあるのに。そんなフィーベルの表情を知ってか知らずか、クライヴはぽん、と、フィーベルの頭の上に手を置く。
「本当にごめんね。元々は来るつもりじゃなかったんだ。アルトダストに用事があっただけだし、フィーに会ったら、シェラルドが嫉妬しちゃうかなと思っていたし」
一応シェラルドにも行くことは伝えたようだ。若干微妙な顔をしていたようだが「フィーベルやフリーティング王国の方々によろしくお伝えください」とだけ言ってきたらしい。大人の対応だ。それを聞いたフィーベルは少しだけ機嫌が戻った。
「アルトダストにご用事があったんですか」
「うん。ほら、もうすぐユギニス殿下の戴冠式があるでしょう。今後は他国とも積極的に交流を行う予定だし、アクロアイトについても公表するそうなんだ。色々とサポートしてほしいと言われてね」
「!」
アルトダストの第二王女であるシュティが、できるだけ早く公表したいと言っていた「魔力を封じ込める宝石」、アクロアイト。遂にその段階まで来たのか。聞けばユナは過去、アクロアイトが書かれた文献を読んだことがあるようだ。それらの内容も参考にしながら公表するらしい。
ふと、フィーベルはクライヴの言葉に疑問を感じた。アルトダストからのお願いで来たのならば、ユナの耳にもこの件は届いていると思ったのだが。昨日のユナは、とても驚き戸惑っている様子だった。ユナには知らせていなかったのだろうか。クライヴのことだから、真っ先に言いそうなものなのに。
「で、本題。ユナ殿のことで、フィーに相談があって、アルトダストより先にここに来たんだ」
だから急に来たのか。
「相談、とは?」
「…………嫌われちゃったかもしれないんだよね」
へらっと笑われる。
「え!?」
それはない、と言いそうになるのをぐっと堪えた。
「美味しい珈琲をありがとう」
「いいえ……。それよりどういうことなんですか。先程の、嫌われたというのは」
客間に案内し、アンジュに珈琲とお菓子を用意してもらう。ちなみにエダンには退席してもらっている。クライヴが、フィーベルにだけ話したいと言ったのだ。エダンはすぐに了承し、部屋の外で待機していた。さすができる側近である。
さすがに二人きりというわけにはいかないので、アンジュが少し離れて見守ってくれている。
「僕とユナ殿が文通しているのは知っているよね」
「はい」
「最初は互いのことを知るために情報交換をしていたんだ。好きなものとか、おすすめのものとか。互いの国の良さとか。フィーのことも聞かれたよ。こっちで過ごしていたときのことも、色々書いたな」
思い出しながらふっと微笑む。
きっとクライヴにとっていい時間だったのだろう。
「ユナ殿もだいぶくだけてきてね、色んなことを教えてくれた。僕に関心を持ってくれて、たくさん質問してくれた。もう何通もやり取りしていたんだけど、だからかな、欲が出ちゃったんだ」
「欲?」
「そう。早く好きになってほしいって欲が。……だから少し、焦ったような書き方になった」
「……というのは」
「気持ちをただ綴ったよ。言葉の使い方が重いんじゃないかって少し気にしたけど、それもひっくるめて伝えた。嫌だって思ったらすぐに言って欲しい、君には嫌われたくないからっていうのも伝えた」
(それってもしかして)
昨日ユナに見せてもらった手紙なのでは。
「そしたら」
クライヴはそこで言葉を切る。
「返事が一切来なくなった」
「…………え」
「手紙が来なくなったんだ」
二回も言われた。
それよりなにより。
(ユナさん!?)
それは聞いていない。
その手紙以来、返事を書いていなかったのか。
クライヴは、ははは、と渇いた笑いを出す。
「その後、僕は一通だけ送ったんだ。もしかして嫌だったのかなって。申し訳ないって。これからはそういう言葉を書かないようにするって。でも返事は来なかった。ユギニス殿下ともたまに文通しているんだけど、さりげなくユナ殿の様子を聞いたら普通だって。ついでに砂糖の塊をぶん投げるような言葉を書くなって釘を刺された。……なんで周りの人って勝手に手紙読むんだろうね。マサキにも勝手に読まれたし言われたし」
「…………」
まさか昨日の今日でこの話が出るとは。
ユナが返事を書いていないことで、話がこじれてしまっている。昨日の様子だと、おそらくどう返事をすればいいか分からなかったのだろう。周りには一切言っていないようだし、兄であるユギニスも気付いていないんじゃないだろうか。フィーベルは一体どうすればいいんだと、頭を悩ませた。
「やっぱり、嫌われたよね」
いつの間にかクライヴが真顔になっている。
若干、虚無っぽく見えた。初めて見たかもしれない。いつもきらきらスマイルの王子であるから余計に、温度差が激しい。フィーベルは若干ひるみそうになった。
「そ、そんなことは」
「もう一か月は経ってる。音沙汰はないし、多分もう来ないよ」
「決めつけるのは早いかと……!」
「でもそれ以外にどんな理由があるの?」
「そ、それは……」
言えない。
言えるわけがない。
(ユナさんは多分クライヴ殿下のことが気になってます、なんてことは言えない……!)
ユナのためにも、ここは何も言えない。彼女自身、自分の気持ちがあまりよく分からないのだから。フィーベルもそうだった。シェラルドの姉、ルカから指摘をされて気付いたのだ。シェラルドが好きであると。
フィーベルはぐっと握り拳を作る。
「クライヴ殿下、なに弱気になってるんですか!」
「え?」
「今までぐいぐいユナさんに向かっていたじゃないですか。殿下のユナさんへの想いはそんなものですか!?」
ぽかんとした顔をされる。
急にそんなことを言ったからだろう。
フィーベルも内心申し訳なく思っていたりする。いつもの自分だったらこうは言わない。だがここで、彼に引いてほしくはない。どうか変わらず、ユナを見つめて欲しい。
クライヴは小声で呟く。
「でも、彼女に嫌われていたら」
「考えてもみてください。ユナさんは自分の意見が言える方です。もし本当に殿下を嫌いになったなら、『もう文通はしません』とか、『あなたのことは好きになれません』とか言うような気がします!」
「……う、うんそうだね。フィーからの言葉でもぐさぐさ刺さるな……」
「す、すみません」
無駄に傷つけたかったわけではないのだが。
「とにかく。結論を出すのはまだ早いです。もしかしたら何か訳があるかもしれないですよ」
「訳って?」
「それはユナさん本人に聞かないと分かりません。もしユナさんが嫌いではないのに、殿下から先に離れたら、どう思うと思いますか? 寂しくないですか?」
「…………そうだね」
「忙しくて手紙が書けなかっただけかもしれないじゃないですか」
「…………そうだね。ああ、そうだ。そういう可能性もあった。……ああ」
項垂れてしまった。
これまた初めて見る姿だ。
完璧で大人でスマートな王子であるクライヴも、好きな人の前だとこんな一面もあるらしい。昨日のユナの姿と重なる。どう接したらいいのかと、迷ったり、考えたり、伝えるのを間違えてしまうこともある。みんなそうだ。フィーベルもそうだった。迷いながら、シェラルドと向き合った。結果、今がある。
クライヴは絞り出すような声を出す。
「……あんな手紙、書かなきゃよかったな」
「どうしてですか?」
「あんなこと書かなかったら、変わらず今のままでいられたかもしれないのに」
「でもクライヴ殿下の本音でもあるんですよね。いずれは伝えていたような気がします」
「………そう、だね」
「それを聞いてユナさんがどう思うか、次第じゃないでしょうか」
「……そう、だね。嫌われてないといいけど」
「きっと大丈夫です」
フィーベルは笑ってみせる。
少しでも安心させるように。
「どうしてそんなに自信満々なの?」
「えっ。その、ユナさんのことを思えば、悪い意味じゃないんじゃないかなって」
「そう、だといいな」
クライヴは苦笑する。
やっと表情が柔らかくなった。
「ありがとうフィー。君に相談してよかった」
「それならよかったです。これからアルトダストに向かうんですよね。ユナさんにもお会いするんですか?」
「ううん。会わない」
「…………えっ?」
聞き間違いだろうか。
信じられない言葉を聞いたような。
「彼女には会わないよ。ユギニス殿下とシュティ殿下には会うけど」
「な、なんでですか」
「こんな状況だからね。彼女は会いたくないかなと思って、何も言っていないんだ。ユギニス殿下にも伝えている。仕事の件だしユナ殿に負担をかけたくないから、僕が行くことは内密にしてくれないかって」
「そんなっ」
「? 彼女には別れ際、次会ったら返事を聞かせてって言ってしまってる。それを気にするかもしれない。まさかこんなに早くアルトダストにまた来ると思ってなかったんだ。国同士の仲を深める大切な仕事だから、来たけどね」
「じゃあここにいる間、ユナさんには会わないんですか?」
「うん。その方が彼女にとってもいいかなって」
「で、でも、もしばったり会ってしまったら、ユナさん驚きませんか? せめてここにいることくらいはお伝えしたら」
「それは大丈夫。ユギニス殿下が協力してくれるから。大事な妹姫のことなら絶対守るよ。僕は一つの部屋にこもるつもりだから、その部屋さえ来なければ見つかることもない」
「でも……」
クライヴはフィーベルの様子に首を傾げる。
「どうしてフィーがそんな顔するの?」
「……だって、自分だけ知らないなんて、なんだか嫌です」
この国に来ることだって教えてくれなかった。来る予定じゃなかったからと。それでも叔父や母にはだいぶ前にその可能性があることを先に伝えていた。それくらい、自分にも事前に教えて欲しかった。いくら昨日手紙をくれたとはいえ、急だと驚いてしまう。
ユナもきっとそうだ。たまたまフィーベルに会いに来て、たまたまフィー宛の手紙を読んで、クライヴがここに来ることを知った。あの後もパニックになっていた。なぜ急に来るのか、理由を知りたがっていた。急だと心の準備ができない、と慌てていた。今のユナの状態的に、驚くようなことは避けてほしい。……これはさすがに言えないが。
クライヴは少し参った顔をする。
「さっきのことかな。ごめん。フィーにも先に話すべきだった」
「私のことは、いいです。今はユナさんのことです」
「でも本当に、会うつもりはないんだ」
「! 殿下はユナさんに会いたくないんですか?」
好きなら、会いたいだろう。
一目だけでも、見たいだろう。
その気持ち自体はあるはずだ。それなのに、相手のために避けるというのはなんだか、逃げているようにも感じる。それを咎めれば、クライヴは少しだけ、憂い顔になる。
「これは、僕のためでもあるんだ」
「え……?」
「このままユナ殿に会ってしまったら、」
少しだけ間が空く。
「押し倒してしまうかもしれないし」
「押し倒してしまうかもしれないし!?」
思わず復唱してしまった。
クライヴはふう、と息を吐く。
足を組み、自分の顎に手を添える。
「好きな人が近くにいたらそりゃあ見てしまうし触れてしまいたくなる。でも相手はそれを望んでいない。なら、近付かないのが一番でしょう?」
「で、でも、それと押し倒す云々はまた別の話では」
「会いたくてたまらないし触れたくてたまらない。自分の腕の中に閉じ込めたくなるんだ。前みたいに、無意識に身体が動いてしまう可能性もある」
そういえばユナに助けられたとき、そんな感じのことになっていた気がする。皆が驚いていた。ユナは顔を真っ赤にさせていた。ただクライヴだけが満面の笑みだった。
先程まで心配そうにしていたというのに、ユナへの愛が本当に深い。まさか昨日のユナ宛の手紙のような言葉を、今目の前で言われるとは思わなかった。やはり熱烈だ。
クライヴは少しだけ真面目な様子になる。
「ユギニス殿下は今一番忙しい時期だ。国同士の交流のためもあるけど、僕を信頼してくれている。そんなときに失礼なことはしたくない」
「クライヴ殿下……」
「僕が今ユナ殿にできるのは、愛し続けることと、気長に待つこと。手紙は反省だね。フィーの言う通りだ。ユナ殿にとっても忙しい時期で返事が書けなかっただけだったかも。それなのに好きになってほしい、なんて、僕の我儘だった。今後は書かないようにしないと」
クライヴは本当に、優しい人だ。
全部自分のせいにしている。
それでいて気長に待つ、と、すぐ気持ちを切り替えている。なかなかできることではない。さすが長年ユナを好きでい続けているだけある。
だからこそ、気になることがある。
「あの」
「うん?」
「ユナさんの気持ちが向くまで、殿下はユナさんを好きでい続けるんですか?」
するとにこっと笑われる。
「少し違うかな。気持ちが向こうが向くまいが、僕は彼女を好きでい続けるよ」
「先程は、嫌われることを気にされてましたけど」
「あはは。嫌われたくはないからね。異性として好きではなくても、人として好きになってもらえたら、いくらでも可能性はあるでしょう?」
器用にウインクされた。
なるほど。どうやら先のことまで考えてはいるらしい。すでに陛下や王妃にもユナの話はしているようだ。ユギニスもクライヴの気持ちを知っているし、外堀から埋めているのはクライヴなりの作戦なのかもしれない。何をしたって、ユナは逃げられないような状況なのでは、と思った。
そろそろアルトダストに行く時間になったようで、エダンがクライヴを呼びに来る。話はそこで終わった。見送りの際、フィーベルはもう一つ質問する。
「もし、ユナさんが殿下を好きになったら、どうするんですか?」
彼は微笑む。
美しくきらめきながら。
「すぐに結婚して、一生僕の愛に溺れてほしいな」
「「「…………」」」
その場にいたフィーベル、アンジュ、エダンは黙ったままでとりあえずぎこちなく笑う。「ああ。一生は当然として、一日だけ、ずっと僕からの愛を受けてほしいな。だって伝えたいことはいくらでもあるからね。いつも時間が足りないから」と付け足される。クライヴはいつ何時もブレない人だと再認識した。
見送りが終わり、クライヴ一行の姿が見えなくなった後、フィーベルは客間に急いで戻った。辺りをきょろきょろしながら小さい声で「ユナさん」と呼ぶ。
するとふっと、ユナの姿が現れる。彼女は眉を寄せ、難しそうな顔になっている。が、顔を赤らめて少しだけ震えていた。先程のクライヴの会話をずっと聞いていたなら、そうなるのも無理はない。
実は昨日ユナに頼まれて、姿を隠してクライヴの本意が聞けないだろうか、と相談された。そこでフィーベルは父であるベルガモットに頼み、長時間ユナを霧の姿にさせたのだ。本当は自分でやろうと思ったが、長時間は不安があったため、安定した魔法が使える父に頼んだ。
先程までずっと同じ部屋で姿を隠して聞いていたわけだが……。
「ユナさん、大丈夫ですか?」
「……フィーベル」
そっと腕を掴まれる。
顔を下にして隠していた。
「あの人は、なぜ人前であんなにも恥ずかしいことをぺらぺら言えるんだ……」
ずっとクライヴからの愛の言葉を受け続けているような状況だった。文字じゃなくて直に口にされたのだから、本人からしたらたまったものじゃないだろう。ユナの疑問に同意する。いくら愛が深いからといっても、クライヴの場合は羞恥というものがないのか、真っ直ぐな言葉で全て伝えてくる。受ける側としては真っ直ぐ過ぎて受け止めきれないのだ。
見送るときは、ユナにこの場所に留まるように伝えていた。先程の質問をするためだ。一生愛に溺れてほしいだなんて、すでにユナは溺れそうになっているというのに。聞かせなくてよかったと思った。
ユナは自分の心臓を掴むような素振りを見せる。
「胸が苦しい……」
これが身体の不調ならすぐにでも医師を呼ぶところなのだが、彼女の表情が物語っている。苦しそうだけどどこか、嬉しさや高揚を表していた。
きっと、クライヴと同じ気持ちだ。
と、さすがに本人には言えないが。
「あの、ユナさん。手紙の返事をしなかったのって……」
「……どう返事をすればいいか分からなかった」
やはり。
好きになって欲しいと書かれても、まだ自分の気持ちが分からないのに、どう返事をすればいいのかと言う話だ。あんなにも熱烈な想いを綴られては、何を返しても自分の言葉が薄っぺらく見えてしまう。それも気にしていたようだ。
唸るようにぐったりしているユナを見ながら、フィーベルはどうしよう、と迷った。クライヴが急にこちらに来た理由を知りたくて、ユナは隠れて話を聞いていた。仕事だからというのは分かったが、彼のユナに対する愛情をたっぷり聞くことになった。そのせいでユナはさらに混乱している。
(気持ちが分かった方が、ユナさんにとっていいのかな)
自分の気持ちが分からないから今、ユナはこんなにも混乱している。いっそ自覚してしまった方がいいかもしれない。だがそれをどうやってユナに伝えればいいのだろうか。
(…………そうだ!)
近くに適任がいるではないか、とひらめいた。
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