第16話 尾行された

「あの、尾行されたと思ってない、青?」私はわざと大声で言った。


 この時間、夕日の残光が空の雲を燃やした……燃えていて、真っ赤な光を発している。


「なに?大丈夫、わたしが解決します……」青が足を止める。


「ノコにはわたしがいるから、怖くないで」光を背にして、姿が美しい。


「うん、うん……」少し緊張している。


「あら、後ろだよ……実はナコ……」黙って青に言った。


「ノコ……ふたりは……まあ、いいか、わたしが解決します」青が私に目をやる。「サングラスがあればいいのに」


「えーと……うん、ナコが持ってたかも……」ナコのカバンも提げて……こいつ、いつも忘れ物をする。

 でも、かっこいい姿をしたら、サングラスを用意するでしょう……


「ふん、誰は怒ってんだよっ」呟いて、ナコのカバンを開ける。


「へえ……あるのかな……うん、この『お姉さまの秘密』は……」私は青にサングラスを差し出した。


 ナコのノートを見て、適当にページを開くことにした。


 お姉さまは寝るとよだれが出る


「なんだよ……」


 お姉さまは甘いものが好き


「うん……甘いものが好きなのは本当」次のページをめくる。


 机の上に置くことがある


「なにそれ……!」別のものを見てみよう。


 噛んだ嫌いな料理をお姉さまの皿に挟んで怒るが、何も言わない。


「……ピーマンの食べ方があまり足りないようだね」向こうに母さんは座っているが、そんなことは全然できない……


 お姉さまは名前を呼ぶのが習慣です


 姉は心術が読める


「うん……おまえのせいじゃん……」


 姉さんが使っていたものは、名前に線を引くだけで使えた


「わかってるけど……でもきみの字は私のものではない」


 姉の胸に抱かれて安心して


「……うん……泣き虫……まったく……」


 ……私はノートを元に戻して、青のほうを見ることにした。



「おい、何がしたいの?」ナコちゃんはわざと大声で警告する。

「それは、ぼくのサングラス?!」


「うんふん」と青は肩をすぼめた。


「カンフーができるよ~!」ナコはちょっと緊張する……


「ちょうどー、切磋琢磨する?」銃口にぶつかったってことか、ナコちゃん……


「準備はできた?」青が聞いた。


「はあー、どうぞ」ナコが手を出そうとする……


「よろしく」


 一瞬、青がナコの拳をつかんだ。


 踵を返してナコを倒したが、青の腕が頭をかばった。


「如何な感じ?」青はナコを引っ張って立っていた。


「はあ、これでは負けられません」言って青の腹を握りこぶしで叩いた。


「じゃあ、よろしくね」言ってまた元の手だ。


「あ……姉ー」突然叫んだ。


 私は思わず過去を思い出し、歩きだした。


 ……やっぱり子供だね、強がりを見せるけど

「もう一回?」青が聞いて、ナコを引っ張って立っていた。


 突然、ナコは青のスカートをつかんで、顔をふいた……泣いたのかな……


 飛びかかってきて……私はしゃがんで、両腕を広げた。


「なんだ……おまえは……」彼女の頭をなでている。「やっぱり子供だよ」


 ナコちゃんは私の服をつかんだ。

「よーし……きみも一人前になりたいと、お姉ちゃんは知っています」私はまだナコの心が見えないのですか。


「もう大丈夫だよ……」私は頭をなでた。「もう泣き虫卒業だよね」


「力を入れすぎると、ごめんなさい……お姉さんはナコちゃんを望んでいます、希望していますよ……」青が走ってきて、ナコの頭を撫でた。


「まあまあ、こいつ……」



「まぁ……わたしも壁の隅に追い詰められたことがある……」青はナコに言った。


「誰かが私を引っ張り出した……それから子どもの時の遊び相手になった」と話す。

 ちょっと間を置いた。

「今まだ二人ほど連絡があるんですよ」微笑みながら言った。


「突然転校してきて、自分が信用できなくなったような気がする……」青が目を覆う。


「……そのことから、護身術を少し学んだ」と話して、青は息を吐いた。


「そうか……」


「教えてくれない?」ナコちゃんはふと顔を上げ、目頭を撫でた。


「学びたいのか……いいよ。でも、言葉があるから、絶対にさっきわたしのように使わないで……」青がサングラスを差し出した。


「うん!承知します。師匠!」


「おまえは……如何言うか全然分からないな……」私も息を吐いて立ち上がった。


「それは、マジで?……」私はこっそり青に尋ねた。


「あの子は防御できないようだ……ちょっと……安心しろ、ノコ」

 青は私の肩をたたいて、それから私の髪をちょっとなでました。


 夕日の色が頬の赤みを包み込んでくれることを願って……


「そろそろここを向きますよ。じゃあ、また明日」腕が太陽を受け止め、私の顔に影を落とした。


「うん!また明日」


「うん!また明日、師匠!」何かおかしいよう……


 続いて、点滅するネオンとLEDがここを占拠する。


「帰ろう……ナコ」


「うん!お姉さま、ごめんね……」ちょっと困った。


「成約」


「へっへっへ、じゃあ、一緒にお風呂に入ろう……?!」やっぱり……本性。


(第一章 完結)

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学校の裏にあるのは異世界ですか まほうドーフ @yumoho

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