天かす丼
今回皆様にご紹介したいのは、タイトル通り天かす丼です。
貧乏くさい名前ですね。ぶっちゃけ、すごく貧乏くさい料理です。概要説明が必要なのか悩むレベルで非常にお手軽です。
この料理が出されたのは私がまだ小学生の頃だったかと思います。当時、両親は共働きだったのですが、その日はたまたま母が何かの用事でおらず、父と私、妹の三人だけが家に居ました。
お昼時、父が珍しく台所に立って何かを作り始めました。まだ幼かった私たちはそれを特に気にすることなく好き勝手に過ごしていました。
完成した何かをテーブルに置いて私たちを呼ぶ父の声。それに反応して席についた私の目の前には何か得体のしれない茶色いプルプルとしたものが乗った丼が置かれていました。
鼻に届くイカの匂いに、当時魚介が苦手だった私は非常に嫌な予感がしたのを覚えています。
これは何かと父に問うても、意地の悪い父は答えてくれず、早く食べろと急かすばかり。仕方なく私も妹も食べ始めたのですが、一口目を口に運んだ瞬間食べる気が失せました。
口の中に入れた瞬間、ドロッとした食感と予想通りのイカ風味。砂糖の甘みと醤油の風味も合わさって、味自体は悪くないはずなのに全く美味しくない。おそらく調味料の分量も間違えていたのでしょう。
天かすを醤油ベースのタレで煮てしまったがために、非常に食感が悪く美味しくない代物が出来上がってしまっていた。
今思い返してみれば、天かすを煮なければサクッとした食感でそれなりに食べられたんじゃないだろうか…なんて思わなくもありませんが、やっぱり好んで食べたいものではありませんね。
蛇足ですが、我が家では父がよくお好み焼きを作ってくれます。父の作るお好み焼きには天かすを入れるのですが、そのストックが目に入ったのでしょうね。基本的に目についたものを料理にぶち込んでしまうようなので、余りものが冷蔵庫にある時などは要注意です。
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