転職活動のあれから
いつからかはわからないが、ずっと独り言が頭の中で巡り続けている。
これが心の中の独白なのか、幻聴というものなのかも麻痺してしまって、ネガティブに、卑屈になろうとする自分の心を殴りつけたい衝動にも駆られた。
仕事への復帰前後のあたりであまりにもうるさかったので、漢方を処方してもらっていた時期もある。
統合失調症も疑われたが、他人の声ではなくあくまで自分の中でのみ完結しているとのことで、病気としては該当しないと診断を受けた。
転職活動をしてきたことから、またしばらく間が空いたのでつらつらと語っていくことにする。
面白味も何もない、ただの体験談。
結果だけ先に言うと、十一月半ばには新しい会社への内定が決まった。
プライベートな話になるので委細は伏せるが、転職先は小さなベンチャー企業にきめた。
今時、リモート面接が流行っている中で、「対面での一発勝負」を求められたある意味、時代に逆行した方法に本音を言えば「わざわざ行くのがめんどくさかった」が、その感覚がぶっ飛ぶくらいの充実感が面談には詰まっていた。
おそらく、WEB面接だったら不採用だったという確信が、不思議と今はある。
あくまで、統計と比較してわたし自身の稼ぎは平均よりもある程度高く、転職でも大幅ではないが年収も上がる。
本当はポジション、年収、上を見ればもっとずっと高くを望めた。
でもその選択肢を捨てた。その理由は言葉にならず、感情、直感という非論理的なもので終始する。
そして悩んだが、決めてさえしまえば思ったよりもすーっと体にしみこんでいくような感覚に浸り、逆に「わたしでよかったのかな」という不安にも襲われている。
でもそれは、わたしが決めることではない。
ボールを持っていたのは面接を受けるときと、入社を決めたときだけだ。
今更悩んだところで何か変わるわけでもない。
退職に際しては随分と苦労した。
それもまた人間関係に起因する。
いつからか、仕事はよほど向いていないとかでなければ、案外続けるうちにそれなりにはなるものだが、人間関係は合わなければどうにもすることはできない。それが自分よりも上の立場であればなおさらだ。
改善するには自分がさっさと離脱した方が早いが、おそらく本人は無自覚なんだろうが、逃げる足を掴み、できるだけダメージを与えてこようとする人もいる。
円満にとか、応援しているとか、笑わせる。
恨み節を言いたいわけじゃないが、これまでの行動からよくそんなことが言えるよねといった感想を抱いてしまう。
とはいえ、もうそれも過去の話だ。
二度と会うことはないのだから、その時間に記憶を置いてくればいい。
そうできたら楽なのにな、と根に持つわたしはいつも思う。
ただ、それを表に出すのは愚策ということもよく理解している。
最後に残ったものはなんだったかというと、一番は「またやっていけるか」という不安だった。
それでも、支えてくれた人たちに感謝をしつつ、次を作っていくんだと心に決めた。
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