第2話 世間の様子

大体2時間おきに休憩をとれば行けるであろう。

結構スムーズに進んでいる。


目的地までは家から12時間ほどかかる。

こんな日はスピードを出しても警察に捕まることはないから、思う存分速度もあげられるから

もう少し早くつくかもしれない。


大好きな音楽をガンガンに流しながら走る。

こんな日でも、ドライブは気持ちいいと思う。


またSAに寄り、休憩をとる。

そこで放置していた携帯を見る。

連絡通知は2件。


1件目は、旦那。『どこに行ったの?大丈夫?』など心配の言葉の羅列。

ため息を1つ吐き、見なかったことにする。

そして、また壊された自販機から新しいペットボトルを拝借する。

お金を払わないのは、良心が痛むが、こんな日だ。皆許してくれるだろう。


水分を確保した後、もう1件の連絡通知を確認する。もう1件は…

胸が高鳴る、頬が緩む。あの人からの返信。


『まじかww』


つい数分前の返信。

何と返事しようか迷ってると続いて返信が来た。


『…めっちゃ、嬉しい。』


血が、逆流するかのような感覚。

心臓がバクバクと言っているのが良く分かる。

顔のゆるみも直さぬまま、慌てて返信をする。


『迷惑じゃ、ないの?』


会いたい。その言葉を裏に隠して尋ねる。

同じ気持ちでいてくれたらどれだけ幸せだろう。

何度願ったことか。


『迷惑なんて!そんなことないよ』


その言葉を聞き、少し疲れていた身体が復活する。

『ありがとう、早く、会いたい』そう返信をしてすぐさまエンジンをかけ

車を発進させる。

早く会いたい。あなたの側で地球最後の日を過ごしたいから。



地球が滅ぶまで あと 36時間。



まさかあそこで大騒動になっているとは。

大体2時間走ったら休憩。それを行おうと思ったら、立ち寄ったSAが荒れていた。

何人もの人が車の中から人を連れ出し、犯したり、殺したり。


最後だからと欲求を満たそうと皆、必死なのだろう。

だが、そんな人達を相手にしている暇など無い。

むしろ、相手にしていたら殺される可能性だってあるだろう。

本来であれば助けに行かなくてはならないのだろうが、

私は自分の欲求を満たすため周りの人にバレぬよう車を発進させる。


次のPでもSAでもいいから休憩しよう。

流石に疲労は溜まるものだ。

あの人の安否も知りたい。先ほどのようなことに巻き込まれていないといいのだが。


「………ぁ。」


疲労を少しでも紛らわそうと、2時間前に入手したペットボトルに手をかけ

飲もうとしたのだが、既に空っぽ。

顔をしかめてみるが、状況は変わらない。


早く次の休憩所を見つけよう。

車を発進させてから6時間がたった今、目的地まであと半分くらい。

ここで事故をおこしては元も子もないのだから。


地球が滅ぶまで あと 34時間。

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