プロローグ

千年前、世界は七つの海に分かれ水に覆われていた。

人々はそこで水の神オロンの恵みを受け、豊穣の時代を築いていた。しかし、とある小国の神官が言い出した一つのお告げによって世界はその様相を一変させていく。


「水の神オロンのお告げによれば、今後世界は水に覆われ滅びてしまうでしょう。しかし、我々にはひとつだけ生き延びる手立てがあります。この国の中央に神塔を、周囲には巨壁を築きなさい。さすれば水がこの国を覆うことはないでしょう」


小国の王は神官の言葉通り、国の中央に神塔を周囲には巨壁を築きました。水の神オロンと共に暮らしていた水の民は神官によって罪人とされ、『ギジン』とよばれる労働兵へと変えられてしまいました。これからするお話はそれから千年後の物語。人々はギジンが水の民であったことすら忘れてしまった、そんな時代のお話。

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水の国のシド 日暮栄光 @sanpokasan

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