第3話 謎。

次の日、僕はいつも通り美香さんに会いにいった。昨日のことがあって、僕は美香さんに積極的に話しかけることにしていた。

「おはよう。」

僕は言った。美香さんは微笑んで挨拶を返してくれた。

「そういえば、2人はどういう関係?」

さくらさんが聞いてきた。そういえば、僕と美香さんはどういう関係か、まだ思い出せていなかった。だから僕は返事に困った。美香さんも困った顔をしている。さくらさんは不思議そうに僕たちを見ている。

「覚えていないんです。」

僕はさくらさんに言った。

「絶対嘘!ねえ教えて?美香ー。」

僕の言ったことは真実だ。でも、覚えてないなんて、さくらさんに信じてもらえるわけないか。

「じゃあ3人で、2人がどこで出会ったか調べてみようよ!」

さくらさんは言った。どこで出会ったなんか、わかるものなのかな。なんて思いながら、探偵みたいで楽しそうだったから、僕は賛成した。

ただ、美香さんはずっと困った顔をしている。何か、覚えているのか。でも、聞いていい雰囲気じゃなかった。結局、美香さんとは何も話をすることが出来なかった。

その日、家に帰ってから、スマホで「米田美香」と調べてみた。すると、「このワードは検索できません。」と出た。何かいけないものを見たような悪寒がして、すぐさまタブを閉じた。

急にLINEの通知音がした。追い討ちをかけるように僕を怖がらせる。さくらさんからだった。

「明日、国立図書館に行こう。美香について調べたいことがあるから。」

さくらさんも美香さんのことが気になったらしい。明日は日曜日だったから、僕は2人で美香さんについて調べることにした。

その日の夜、不思議な夢を見た。僕は、森の中にいる。どこかで、見たことのある風景だった。目の前に美香さんがいた。

「君は、私と出会ったときのこと、本当に覚えていないのね。寂しいわ。」

美香さんは僕と出会ったときのことを覚えているようだ。

「美香さん。僕は最初に、あなたとどこで出会ったんですか?」

美香さんは僕の問いかけには答えず、僕の目の前から消えていった。そして、僕は目を覚ました。


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