第3話ヤンキーアネゴと真顔少女のにじみより
自宅まで車で移動中、私たち二人は今後について、いろいろと話していた。真顔少女を後部座席の真ん中で座らせ、チラチラ様子を見ながら自宅まで、夜の住宅街を車を走らせていた。マキは事故があってからアネゴに運転させるのが怖いので、代わりに運転することにしたのであった。
「はぁ…くだらねぇな〜まったく、くだらねぇ〜」
「どうしたんすかアネゴ?いい加減、落ち着きましたか〜?」
「全然落ち着かねーよ、でもマキ、もうやっちまったもんはもう仕方ねぇだろ。後悔しても何も始まらんからな…。はぁ……家に帰って、酒飲んで寝よーぜー。こういう日は酒飲んで寝るのが一番だ…」
今日は散々だった。ただそれだけだった。
「あの〜アネゴー、落ち込んでるとこ悪いのですが…たぶんですが、、、家の冷蔵庫にビール切らしてたような覚えが…」
「あん?まじかよ…。はぁ………………コンビニもさっき過ぎちまったし、今日は何から何までついちゃいねぇーなー。」
アネゴは大きなため息をし、今日の出来事を思い出してさらに落ち込んだ。私たちはしばらく運転して、私達が住んでいるマンションにたどりついたにであった。日付は変わり、深夜3時になっていただろか。車を駐車場に止め、アネゴ・マキ・真顔少女は車から降りた。
アネゴとマキは車の前で立ち止まって、今ある状況をまた再確認を始め、気になること言い合った。
「はぁ…なぁマキよ。あいつを保護することに決めたのはいいんだが、普通…こういう事態は警察の仕事じゃないのか?だいたい俺たちがあのバカをめんどうを見る義理なんてないんだぜ?しかも明らかにこの状況は誘拐だぞ?」
誘拐、それは完全なる犯罪。特に子供の誘拐なんてどれだけ重い罪がかけられるのか、わからない。
「そうっすねアネゴ。でも私たちもいろいろと違反もしていますし、ガードレールに突っ込んでガードレール壊したんっすよ。ここで警察通報なんてしたら事情聴取で器物破損とかで警察に厄介になることになりやすし、それ+誘拐、私たちにとってもいろいろと不利になる話っすよ。今はこの子を保護する形でめんどうを見るのが、良い案だと思いやすがね…。それに…この子…何か事情がありそうっすから」
たしかに不可解な点が多いのはたしかだった。
「はぁ……わかったわかった。とりあえず、俺は日が昇ったら車を修理に出しに行くことにするよ……。」
「わかりやした。なんだかんだ落ち着いてくれてよかったっす!さあ!部屋に戻りやしょう!」
私たちは家に向かおうと車を降りて歩きだそうとした時だった。
後ろで話を聞いていた真顔少女が「パタンッ」と倒れたのだ。
「おい!どうしたっすか!?大丈夫っすか!?」
真顔少女は目を半分開いた状態でグッタリとしていた。マキは何が起きたのか分からず、慌てふためいた。それを見かねたアネゴは、真顔少女を抱えるマキにめんどくさそうにかけよった。
「チッ、またかよ。世話やかせんなよまったく…。」
「どどどうしたらいいんすかこれ!?なんかこの子まったく覇気を感じませんぜ!」
「落ち着けよマキ、少し黙ってそのバカを見せろ。」
アネゴは、車の中にあった小さな懐中電灯で真顔少女に目を見、身体を触り、確認した。
「アネゴ…これは…」
「おいお前、ガリガリじゃねぇーか。」
「…………………うん」
「チッ、ダメだなこりゃ・・・状態はわかったが、まともに返事もできねぇぐらいに弱ってやがる・・・。マキ!急いで車をだせ」
「え?!どこに行くんすか?!」
「病院に決まってんだろ。このままだとマジであっちに行きそうだかんな」
少女の症状はかなり危ない状況にあった。
「わかりやしたアネゴ!ですがアネゴ、こんな時間にやってる病院なんてあるんすか?もう深夜3時ですぜ?」
「あてはある。正直、使いたくはなかったんだが…。」
マキはアネゴに言われるがままに車に急いで乗り込んで、真顔少女を後部座席に寝かせて、私たちは病院に急いだのであった。
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