第2話ヤンキーアネゴと真顔少女の???

俺、いや私は黒髪の少女を車に乗せて、深夜の夜の街を走っていた。

「ここいらで止めるぞ、その子を降ろせ」

 そう言うと、深夜の学校の側で車を止め、真顔少女を降ろした。


「おい、これ見てみろ。どうなってる?」

 アネゴは車の壊れている部分を見せつけた。

「………………………」真顔少女は無言だった。


「見てわかんねーのかよ!壊れてんだぞ!!どうしてくれるんだよこれ!!!返事しろやボケェ!!」

 アネゴは真顔少女に怒鳴り散らした。その声は、深夜の夜空に響き渡る。

「はぁ…何やってんだか…」アネゴ後ろに振り向き、大きなため息をした。


「アネゴ、ここはマキに任せていただいてもいいっすか?」

「ああ…、好きにしろよ…。はぁ…………………………俺の……車…。」

「ありゃしばらくアネゴはそっとしておくっす。」


 落ち込むアネゴを尻目にマキは真顔少女に質問した。


「えーっと、君の〜名前は?」

「……………わからない」

「な〜んだ、ちゃんと喋れるんじゃんか!結構可愛い声しているっすね!」


 そして真顔少女は、重い口を開いて言った。

「あのね、私を死なせて」


 マキは一瞬、この子は何を言っているのかわからなかった。歳は、5歳か6歳ぐらい?の少女が自分から「死なせて」だなんて、とてもまともな状態ではない。でも道路の真ん中に立っていた理屈は通る。半信半疑だがもう一度聞いてみることにした。


「…え?イヤーなんて言ったのか聞こえなかったす!もう一回言ってくれるかな?」

「死なせて欲しい」


 マキは悟った。この子はやばいやつだと…。マキは困惑しながらも少女に言った。


「あ〜あのね。死ぬなんて簡単に言っちゃダメなんっすよ!そんなこと言ったらお父さんお母さんが悲しむっす!」

 マキは少女に優しく説教をした。

「……………………」でも少女はまた黙り込んでしまった。


 ここまでの流れでマキはなんとなく少女の今いる状況を理解した。でもこのまま帰すの問題になる。だからマキはアネゴに提案をした。


「アネゴ〜、落ち込んでるところ悪いんすけど、この子を一旦保護しませんか〜?」


「あ〜ん?今はそいつの親を見つけるのが先だろが!どこに住んでんじゃボケェ!いいから早く言えー!!」アネゴはまた少女の胸ぐらを掴んだ。


「まぁまぁアネゴアネゴ!落ち着いてくださいっす!この子は何か深い事情がありそうっすから!とりあえず家へ戻りましょうよ!」


「チッ!」


 マキはアネゴをなだめながら車に乗り、とりあえず自分たちの家に真顔少女を連れて帰ることにしました。黒髪真顔少女の深い事情とは、何かはわからないまま。

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