物語の結末

おわり

 物語のページは、終わりを告げようとしている。

 どんなものにでも始まりがあるように、どんなものにも終わりが待ち受けている。



 過去から現在へ、現在から未来へと紡がれていく物語。

 木の根のように分かれている結末は無数に存在し、一つの選択によって大きく変わる。

 彼女達が紡いだ物語は、一体どんな結末を迎えるのだろうか?



 王道のハッピーエンド?

 悲劇のバッドエンド?

 それとも変化球のメリーバッドエンド?



 ……いいや、それは〝神〟さえまだ分からない。

 え? どうしてそんなことが言えるのかって?



 そんなの決まってる。

 彼女達の物語は、まだ続いている。



 白紙のページはまだあって、結末はまだ書かれていない。

 なら、結末を予想することなど、誰にだってできない。



 そう、物語は終わりに近づいていても、まだ終わっていない。

 これから訪れる未来など、誰にも予想もできない。

 きっと、〝神〟の予想すら超えた結末になるかもしれないのだから。



 さあ、一緒に見届けよう。


 魔法マジックのように不可思議に変化し、狂詩曲ラプソディーのように自由で優雅に奏でる、幻想的で儚い叙事詩エピック・ポエムを。


 この世界で一番美しく幸福な未来が約束された、名がない物語に相応しい題名タイトルをつけるために――――

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る