【完結】マジック・ラプソディー

第75話 王子の追憶と想い

　地上で悠護達はレトゥスと戦いを繰り広げる一方、日向は上空を飛ぶギルベルトにしがみついていた。

　鱗は鋭いが分厚く、出っ張っている部分を掴んでいることもあって、今もギルベルトの首から振り落とされずに済んでいる。

　もし何かの拍子で鱗を手放した瞬間、日向の体は上空から地面に叩きつけられ、全身粉砕骨折で一発であの世逝き。

　見るのも凄惨な死体になった自分を想像して背筋を凍らせると、ギルベルトの体がぐんっと左に動く。

「くうぅっ……!?」

　遠心力で振り落とされないように鱗を握る力を強くするが、そろそろ限界に近くなっている。

　今のギルベルトは地上を無闇に攻撃しているわけではなく、単純に百貨店上空を飛んでいるだけだ。

　一見聞くとなんの危険を感じられないだろうが、いつ攻撃を繰り出すのか分からない状態。つまり、一寸の隙も見逃してはならないのだ。

（でも、なんだろう……メリア・バードさんの時もそうだったけど、この姿になっても自我が残ってるのかもしれない）

　かつて魔法研究所の思惑によってキメラにされた女魔導士は、今みたいに日向を上空に攫ったが危害を加えることはなかった。

　最初に対面した時に徹一を攻撃しようとしたが、今思えば本人の意思ではなく何者かが遠距離で操作していたのではないかと考えられる。

　――なら、どうしてギルベルトはずっとこのままでいるのだろうか？

　単純に元の姿に戻れないというのなら、日向の無魔法を使わせればいいだけだ。だか彼はそれを拒むように、今みたいに方向転換する。

　理由はともかく、今は彼の姿を戻すことが最優先だ。

「ギルッ！　あたしはあなたを元の姿にしたい！　お願いだからどこかに降りて！」

　ビュウビュウと吹く風に紛れて声を張り上げて言ったも、ギルベルトはガーネット色の瞳をこっちに向けるだけで返事を返さない。

　あまりにも素っ気ないかつ頑固な反応に、さすがの日向の堪忍袋の緒が切れた。

「ギル！　いい加減に――!?」

　直後、ギルベルトの体が激しく揺れる。続いて聴こえてきた爆発音。

　まさか、と思い地上を見ると、紅いローブを着た集団がギルベルトに向けて攻撃を仕掛けている。

　そのローブと魔導犯罪課は乱戦状態になっており、あちこちで魔法を飛ばし合っている。

（もしかして、ギルベルトはこれに気づいたから地上に降りなかったってこと……!?）

　概念干渉魔法使いは、姿形を変えるだけでなく、『概念』と決めた生物達の力を行使することができる。その際に五感が常人の倍に向上し、体の構造も若干変えてしまう。

　たとえば人魚の『概念』を持つ魔導士ならば、体の一部をエラにすることで水中での長時間呼吸を可能にする。

　それと同じように、ドラゴンになったギルベルトは背中の骨の一部を翼に形成したことによって飛行が可能になったのだ。

　魔法の影響で五感が鋭くなったギルベルトは、地上での行動を観察していたからこそ、日向の無魔法で元に戻ることを嫌がったのだ。

　彼を戻すことに必死だった日向にとってまさに目から鱗が落ちることで、己の視野の狭さを猛省する。

「―――――――――――――ッッッ!!!」

　ギルベルトが咆哮を上げると、口からブレスを発生させる。

　そして、雷のブレスは地上にいる敵の頭上に浴びせられる。

　一拍も置かないまま起きる爆発。周囲に雷電が迸っているのが目視できるほどで、黒煙の中から地面に倒れ伏すローブがいくつも見えた。

　その時、黒煙の中から白い光が見えた。

　光の正体が何か気づく前に、光は地上から発射されてギルベルトの鱗を覆われていない腹を掠った。

「―――――――――――――ッッ!??」

「ギルッ!!」

　雄叫びを上げながら痛みに悶えるギルベルトを呼び掛けるか、地上からの攻撃は続いている。

　色とりどりの光はギルベルトの翼の皮膜や腹部あたりなど、鱗を避けた柔らかい部分ばかり狙っている。

　卑劣な行為に日向は怒りで歯を軋ませるが、ビリィッ!!　と左の皮膜が激しく裂いた音を聴いた。

　左の皮膜は虫食いみたいにボロボロになっており、右の方も左と大差ないほど破かれている。

　空を飛ぶための翼が無様に傷つけられ、飛行能力が失われていく。

　そして右の皮膜が左と同じ音を出した瞬間、ついにギルベルトの体が徐々に降下していく。

　視界の端で血が水滴になって舞う中、日向は必死叫んだ。

「ギル！　しっかりして、ギル！　っ――ギルベルトォォォッ!!」　

　日向が美しくも凶暴なドラゴンの名を呼んだ直後。

　彼の瞳と、日向の瞳が重なり合った――。

「―――いったっ!?」

　強く尻を打つ。日向はあまりの痛みに悶えるも、尻を押さえながらなんとか立ち上がる。

　次に視界に入ったのは、赤い絨毯が敷かれた美しい廊下。窓の外は徐々に地平線から太陽から覗かせようとしており、日本では見ない煉瓦造りの建物を見て、ここは日本でないことはすぐに気づく。

「これって……もしかして、追憶夢（ついおくむ）……？」

　追憶夢は、感受性が強い魔導士がある拍子で他者の記憶を夢に見てしまう現象。以前、メリア・バードの時も同じ現象に遭ったが、今回もきっとそれだろう。

　困惑する日向の他所で、太陽が姿を現した直後どこかの部屋から産声があがる。

　力強いその声に混じって、複数の人間の歓喜の声。

　その声に反応して、場面が廊下からある寝室に変わる。

　赤いビロードの大きな天蓋ベッドに仰向けで横たわるのは、長い金髪をなびかせる美しい女。

　女は顔に大粒の汗を流し、荒い呼吸を繰り返している。

　その隣にいる男性は羊水と血で綺麗に拭われ、産着を着せられおくるみに包まれた赤子を、黒いワンピース姿の女から受け取っていた。

　おくるみの中の赤子は頭部にうっすらと金髪が生えており、顔は真っ赤でくしゃくしゃだ。

　わずかに動く赤子を見て、男は破顔させながらバカみたいにボロボロと泣く。

　女もそんな男につられて涙を浮かべながら、おくるみを渡される。

　うっすらと目を開ける赤子を見つめながら、女は微笑みながら名前を告げる。

『――ようやく会えたわね、ギルベルト』

　新しい年の始まりの日。

　合図となる日の出と共に、ギルベルト・フォン・アルマンディンはこの世に生を受けた。

☆★☆★☆

　日向が見ているのは、ギルベルトの追憶夢。彼が聖天学園に入学する前までの記憶だった。

　移り変わる季節と時間を、日向は幽霊のような存在として見ていた。

　ギルベルトは、イギリス王室の第一王子として生まれた。

　現国王夫妻の最初の子供ということもあって、イギリスは丸々一ヶ月お祭り騒ぎ。

　誰もが王子の誕生を祝い、酒場では赤の他人とも酒を飲み交わすほどだった。

　宮殿でも待望の跡継ぎの誕生に、重鎮達がお祝いの言葉を投げかけ、数えきれないほどのプレゼントを贈ってくれた。

　将来は国の将来を任される偉大なる王となるだろうと、まだ生まれたばかりの彼の肩には乗せきれないほどの期待と重責がのしかかった。

　それから時が流れ、一切年下の双子の兄弟が生まれ、ギルベルトが八歳になった頃。

　魔導士として目覚めた彼は、王室お抱えの教師によって魔法を教わった。

　幼いながら非凡な才能を持つ彼は、周囲からの評価も高く、現国王を超える王になると皆が確信していた。

　そんなある日、突然宮殿に黄金の雷電が落ちる。

　国民は国王達が住まう城に落ちた謎の雷電にひどく戸惑う中、宮殿では誰もが予想していなかった事態が起きていた。

　いつものように魔法を教わっていたギルベルトの姿が、人間の形から外れていたのだ。

　黄金の鱗に覆われた両腕と両足、鋭くなった牙と爪、尖った耳、そして縦長の虹彩を持つ瞳。

　騒ぎを駆けつけた国王夫妻と臣下達は目玉が飛び出す驚き、そして口々に言った。

『ローゼン王が……我が国の偉大な王の力が甦った！』

『ギルベルト様はローゼン王の生き写しだ！』

　臣下達が嬉々として喜ぶ中、幼いギルベルトは変わり果てた自分の姿に、歓喜よりも強い恐怖を感じていた。

　それが、彼が雷を操るドラゴンの『概念』、【定命の魔導士】ローゼン・アルマンディンと同じ力を手に入れた瞬間だった。

　――その日から、ギルベルトにとって苦痛の日々が始まった。

　身に余る強大な力は、術者本人も傷つけた。制御に失敗して、ギルベルトの体は何度もドラゴンの姿になって魔導士達によって姿を戻されるか、全身大火傷を負って見ている方も痛々しい包帯姿になるかだった。

『ギルベルト様、これ以上はお命に関わります……どうか、この魔法の習得を諦めて下さい……』

　彼の身を案じ、この魔法を使わないでくれと懇願する者がいた。

『ギルベルト様！　貴方様のその魔法はローゼン王のもの！　その力を授かった貴方は、かの王以上よりも強い王にならなければなりません！　いい加減その魔法を習得して下され‼︎』

　偉大な王と同じ力を授かった彼を、早く習得するよう催促する者がいた。

　相反する言葉。周囲からの視線。そして王族としての重責。

　それら全ては、まだ子供だったギルベルトには重すぎた。

　それでも期待に応えようと必死に頑張っても、結果は同じ。

　いつしかギルベルトは、自分自身を信じきれなくなった。

　ある大雪の日、彼は宮殿の空気に耐え切れず、一人外に出た。

　吹雪の中、ギルベルトはただただ宮殿の外を歩く。行き場なんてない。ただ、あの窮屈な場所を出たかった。

　歩いて行く内に吹雪が強くに何、やがて帰り道が分からなくなってしまった。

　こんな大雪の中、一人で無計画のまま外に出た自分をひどく責めた。

　それ以上に、彼は自分自身が許せなかった。いつなっても周りが望む王になれないことも、諦めたくても諦められない中途半端な自分も。

　悔しくて、情けなくて、ギルベルトは一人でその場に立ち尽くし、声を上げながら大泣きした。

　涙をボロボロと流す彼の前に、どこからともなく一人の老人が現れた。

　老人にしては強靭な肉体をしたその人は、呆然とするギルベルトを見て言った。

『――悔しいか、小僧。その涙はお前の強さに変えてくれる弱さだ。今は一杯泣け、辛いことがあって泣くのは悪いことじゃない。それは子供だけの特権だ』

　老人はギルベルトの乱雑に撫でる。その手は大きくて、乱暴な手つきと反して優しいものだった。

『いいか？　お前のように辛い思いしてる子供なんざこの世に山ほどいる。お前だけが辛いなんて考えるな。もし、同じ思いをしている女がいれば、そいつを死ぬ気で守りやがれ。男ってのはな、女を守ってこそ生きがいを得る生き物だからな』

　茶目っ気のある言葉に、ギルベルトは涙を拭いながらくすくすと笑う。

　そのまま老人におんぶされながら、ギルベルトは宮殿に帰ることができた。

　息子の無事を知った母がギルベルトを窒息してしまうほど抱きしめる中、ここまで連れてきてくれた老人はその様子を優しい目で見守る。

　――その老人の名は、ウィルフレッド・ウォン・アルマンディン。イギリス前国王であり、ギルベルトの祖父にあたる人だった。

　あの吹雪の日から数日後、ウィルフレッドは他界する。享年八九歳だった。

　周りが悲しみに暮れる中、ギルベルトは祖父の言葉をしっかりと胸に刻んでいた。

（オレよりも辛い思いをする人がこの世界にはたくさんいる。ならばオレは、国だけでなく彼らを救える王になりたい）

　祖父の葬儀の後、彼の成長は目まぐるしいものだった。

　呪魔法系の魔石（ラピス）を使って自我を保つ方法を自ら率先して行い、血の滲む努力で魔法の習得に成功。ギルベルトの横で好き勝手言っていた連中か、彼の成長ぶりを見て何も言わなくなった。

　それでも油断していると体を変えようとする魔法に悪戦苦闘しながらも、時折父から頼まれた仕事をこなしながら、王子としての研鑽を積み上げていた。

　――そして、ギルベルトは日向の存在を知った。

　あのカフェで彼が言う通りなら、ギルベルトは本当に自分に一目惚れをしたのだろう。

　自分にはそうさせるほどの魅力がないのに、と思っていると、場面はギルベルトが両親に聖天学園転入を懇願している様子だった。

『――聖天学園に転入だと？　去年は『行かない』と聞いていたはずだが？』

『はい、自分は他国の地で学ぶより、国を最優先していました。……ですが、自分は出会ってしまったんです。妃にしたい女を』

『よもや……そんなくだらない理由で転入するというのか？』

　父から発せられる圧力が部屋中に広まり、母は険しい顔で息子を見つめる。

　己の真意を見極めようとする両者の目に、ギルベルトは一度たりとも目を逸らさず言った。

『……あの吹雪の日、祖父は今の自分を成長させてくれる言葉をくれました。その時に行ったのです、『もし、同じ思いをしている女がいれば、そいつを死ぬ気で守りやがれ』と』

　そう言って、ギルベルトはその場に片膝をつき頭を下げた。

　息子の突然の行動に両親が驚く中、ギルベルトは告げる。己の想いを。

『オレはっ、彼女を守りたい！　一目見た瞬間、オレの心は彼女に奪われた。だがそれはきかっけにすぎない。強大な力を持った彼女は、このままではオレよりも凄惨な結末を辿ってしまう！

　オレはただ、惚れた女を幸せにしたい！　それが罪だというのならば、オレはたとえこの身が滅びようと押し通してみせる!!　父上、母上、どうか転入の許可をくれッ!!』

　必死に頭を下げ、己の想いを曝け出すギルベルト。

　今まで国のことばかりに目を向けていた息子の変化に、両親は戸惑いながらも結局は見守ることにした。

　だが急に転入させることは難しいということで、二学期から転入することで話が落ち着いた。

　それからはというのも、ギルベルトは仕事の傍らで転入の準備を進めた。

　聖天学園の転入試験は国際魔導士連盟本部で行い、寮生活のための家事技術をクリスティーナと思しき女性から教わる。

　今まで使用人達がやってきたことを自分がすることは戸惑うことも多かったが、やり甲斐もあった。

　そうして過ごしていく内に時間は流れ、ついにギルベルトは日向と出会った。

　己の手で守り、幸せにしたいと思わせてくれた少女に――。

☆★☆★☆

「……そっか……、そこまで想っていてくれたんだね……」

　ギルベルトの記憶を全て見終わった日向は、徐々に地面に近づくギルベルトの首にしがみつく。彼が、ここまで自分を想ってくれた事実が嬉しくて。

　今まで分からなかった、何故彼のような人が自分を好きになったのか。これまで日向のことを好きだと言ってくれた人はいた。

　理由が「優しいから」「ボランディアに励む姿が素敵だったから」「家庭的だから」と様々だったが、どれも薄っぺらく聞こえてしまい、全て断った。

　でも今考えると、日向は誰かに恋することが怖かったのだ。

　何も知らない相手を好きになって、その人と幸せになれるのか不安だった。

　両親という理想の夫婦がいたからこそ、その恐怖がずっと日向の中に潜んでいた。

　だけど、こんな自分を想ってここまで来てくれた彼の想いには、ちゃんと答えたかった。

「そのためには、このままじゃだめだよね」

　今、日向の手には《アウローラ》がある。でもそれを使う気にはなれなかった。

　自分のこの手で、彼を元に戻したいから。

「――『0（ゼルム）』」

　詠唱を唱える。

　日向とギルベルトの周りが琥珀色の魔力で包まれる。

　黄金の鱗を持つ竜の姿が人の形に戻って行く。

　ここ数日で見慣れてギルベルトの姿を見つめながら、ゆっくりと地面に降りる。

　地面に足がつく感覚に、目を閉じていたギルベルトの目がゆっくりと開かれる。

「…………日向、か…………？」

　目を瞬かせる王子を見つめながら、日向は告げる。

　自分の気持ちを。そして、彼への返事を。

「……ギル、あなたがこんなあたしを想ってくれて嬉しいと思ってる」

　突然の発言にギルベルトは目を瞬かせるが、何かを察したのか静かに聞いてくれた。

「でもね、あたしはそこまで弱い女じゃないし、この力で大切なみんなのことを守りたい。……だから、あなたのプロポーズ、お断りさせていただきます。ごめんなさい」

　ゆっくりと頭を下げる。つむじが見える日向の頭を、ギルベルトは無言のまま見つめる。

　怒らせたのか、それとも悲しませたのか。どちらにしても、今顔を上げる勇気は日向にはない。

「頭を上げろ、日向」

　ギルベルトの声に反応して、ゆっくりと頭を上げる。

　彼の顔は怒りに染まっておらず、むしろ優しい笑みを浮かべていた。

「最初からオレの一方的なものだと自覚していた。だから貴様がそこまで気に病むでない」

「でも……」

「それに、オレは諦めが悪い男だ。今はともかく、未来は分からない」

　ゆっくりと紅いローブが近づいて来る。だがギルベルトは一度も振り返らず、体から雷電を飛ばした。

　飛ばされた雷電は見事襲撃者を倒す。手際の良さに呆然としていると、ギルベルトは日向の手を取り、そのまま甲に唇を落とす。

「ギル……っ」

「たとえ今、貴様がオレを見ていなくても。オレは、日向を諦める気はサラサラない。必ず貴様をオレのものにする。その時が来たら、オレは再び貴様に求婚を申し込む。この口づけは、『約束』の証と思ってくれ」

　ゆっくりと手が離される。甲にはまだぬくもりが感じられる。

　今はまで好きじゃなくても、未来は分からない。確かにその通りだ。

　日向が歩いている道は、まだ分岐点に辿り着く途中。結末なんて、神様さえ分からない。

「……分かった。その時が来たら、ちゃんと返事するね」

「ああ、そうしてくれ。だが、それを聞くためには――」

　パチンッとギルベルトの指が鳴る。直後、紅いローブ集団目がけて雷電が落ちる。

　バチバチと音を鳴らす雷電を纏わせるギルベルトと、《アウローラ》のしっかり持つ日向。

　二人は未だ自分達を狙う敵を見据えながら、今は同じ敵を倒す仲間として立つ。

「――まずは、こいつらを片付けるぞ！」

「うん！」

　ギルベルトの声を合図に、二人は敵に向かって駆け出した。