第11話 憎悪の幻霧
「今年の新入生はまあまあですな」
「ですがそれなりに優秀な芽があるのが幸いですね」
次の対戦が始まる前の小休止時間。
魔法や小物などで姿を隠したIMFや公的機関の関係者達がこれまで観てきた生徒達の実力について話を盛り上げている中、初老の男性の姿になっている黒宮徹一はため息をついていた。
(――今年は不作だ)
冷めた目をした徹一が、これまでの戦いを全て見た上でそう判断を下す。
彼の目には今年の新入生の質は去年と比べてワンランク落ちているし、魔法発動も粗い。それに何より、自分達に気に入られようとする浅ましい魂胆が分かりやすいほど見え見えなのだ。
たとえ上辺だけだとしてもあんな風に称賛する姿を見て、徹一は内心失望しながらも長時間座りっぱなしだった体を解す。
すると誰かが自分の隣の椅子にどがっと座り込んで来たかと思うと、無糖の缶コーヒーを目の前に現れた。
「そろそろ喉渇いたと思いまし
特徴的な口調に目だけ横に動かすと、そこにいたのは徹一が予想した相手――豊崎陽がいた。
陽はニコニコと愛想の良い笑みを浮かべており、もう片方の手には同じ缶コーヒーを持っている。
一瞬だけ警戒するもそろそろ喉が渇いてきたと思っていた所だったため、「どうも」と一言言うと缶コーヒーを受け取り、プルタブを捻った。
その横で陽は同じ動作をしながら缶コーヒーの蓋を開けると、そのままごくごくと喉を鳴らすほどの飲みっぷりを見せる。
ぷはっと息を漏らす陽の横で徹一が一口ずつ缶コーヒーに口付けていくと、陽は笑みを浮かべながら話しかけてくる。
「今年の新入生はどうですか?」
「最悪だ。発動は粗いし基礎はボロボロ。何より私達に媚びている姿は吐き気がする」
「はは、そんなどストレートに言わんといてくださいな。まだまだ魔法に慣れへんとこは一年生だけの可愛い特権なんですから。それとも……やっぱり、自分の子供が一番ええと思っておりますのん?」
試す口調で問われ、徹一は缶コーヒーを飲む手を止めた。
教え子と同じ真紅色の瞳が剣呑に向けられるも、陽は修羅場を潜り抜けた戦士の如く余裕さを保ちながらカラカラと笑う。
「……何が言いたい?」
「まあまあ、そんな怖い顔せんといてください。ただの個人的な興味なんですよ。公の場以外では滅多に現れない日本支部長様がわざわざ
口は笑っていても、目だけは自身の目的の真意を探ろうとしている。
たとえここで上辺だけの理由を言っても、陽は必ず相手の心を抉るような物言いをしてあくまで
普段は生徒を見守る優しい教師だが、自分の心さえも騙す話術と
そんな彼の相手をするなどいくら日本支部長である自分でも骨が折れる。ならば先に吐く方が余計な労力をかけずに済むと判断したのか、徹一はため息まじりに答える。
「……悠護はいずれ黒宮家の跡を継ぐ男だ。そのために必要な技量を持っているのか見極めなければならない」
「そこに親としての情はないと?」
「無論だ」
はっきりと告げられ、陽は苦虫を噛み潰したような顔になる。
優しい両親に育てられた陽にとって、徹一のような合理的でそれ以外には冷めた父親はあまりにも異端に見えてしまうと同時に、こんな父親では素直に話すなんて中々できない悠護に同情する。
昔の陽ならそんなことを気にする余裕はなかったが、今の自分は教師なのだ。教師として、正しい言葉を告げよう。
「……ワイは教師という立場上、お宅の事情に変に首を突っ込む気はありません。ですけど、これだけは言わせてください。黒宮さん、父親というのは本来、子供が大人になるための見本でなくてはいけません。今のアンタはその『父親』としては確実に失格でしょう」
「……だろうな」
「けど、今の黒宮はまだ大人になる下準備をしている子供です。普通より少し遅いかもしれへんけど……あんさんも『父親としてできること』を探してみたらどないです? 今からなら多分遅くはありません」
「……」
陽の言葉に無言を貫く徹一。それでも少し、ほんの少しだがこの鉄のように固い男の心にも響いたのかもしれない。そうであった欲しいと思った。
次の試合の合図が鳴る。次はいよいよ
「……豊崎先生。私達の心配よりもあなたもご自身の家族の心配をした方がよろしいのでは?」
さっきの仕返しと言わんばかりの徹一の見せた意地の悪い顔に、陽は一瞬呆けた顔をするもすぐさま挑発的な笑みを浮かべた。
「安心しぃや。ワイの妹は、誰よりも強い心を持った子や。そんじょそこらの相手なんざ屁でもない」
☆★☆★☆
『これより新入生実技試験第五三回戦目を開始します。両者、持ち場についてください』
訓練場に設置されたスピーカーから出てくる合成音声のアナウンスを聞きながら、日向達はフィールドの上に立つ。
目の前には志島と、彼女のパートナーである早見翔太。半分負けを確定して諦めているパートナーに対し、彼女は美しい笑みを浮かべている。その笑みが日向にとっては自身の背筋を凍らせるものにしか見えない。
互いのブレザーの左襟にはバッジがつけられており、照明によって鈍い金色に輝く。
学校指定のブレザーのベルトの上からアタッシュケースの中に入っていたホルスターを装着しており、ホルスターの中にある《アウローラ》の重みが微かに感じる。
同級生達やIMF関係者達の興味の視線が全身から感じる。無遠慮に刺さるそれらが気持ち悪く感じ、なんとか顔を歪めるのを我慢する。
『試合開始まで残り一分。選手は戦闘態勢に入ってください』
アナウンスの声に志島はナイフ型の、早見くんは警棒型の魔導具を構える。それに合わせて悠護は前に見せた魔法でネジを剣に変え、日向はホルスターから《アウローラ》を取り出す。
『開始まであと5……4……3……2……1――』
時間が迫り、姿勢を低くする。互いの目に映るのは、戦うべき相手。
無意識に唾を呑むと同時に、戦いの合図が訪れた。
『―――0。試合開始』
その声を聞いた瞬間、真っ先に動いたのは悠護だ。
彼は一気に加速すると、早見に向かって剣を振り下ろす。まさか真っ先に自分が狙われるなんて思っていなかったのか、早見は戸惑いながらも警棒型魔導具で必死に捌く。
金属同士の当たる音が響く中、志島はコツ、コツとゆっくりと靴音を鳴らしながら近寄ってくる。
もちろん日向もそれには警戒し、《アウローラ》の銃口を志島に向ける。
「そんなもの持ってくるなんて、あなたって意外と物騒なのね」
「初対面でペラペラと悪意を吐く志島の方より何倍もマシだと思うけど?」
軽口を叩きながらも距離を一定以上縮めないようにしていると、志島はクスクスと笑う。赤い色付きリップが塗った唇が、妖しく歪む。
「確かにそうね。……じゃあ、あなたは物騒より恐ろしいものはなんだと思う?」
「……そうだね。あたしは、『忘れたことを思い出す』ことが恐ろしいと思うよ」
志島は日向の答えに首を傾げるが、嘘は言っていない。
今の日向にとって、昔を思い出すことが一番恐ろしく、怖い。もし思い出したら今の自分が壊れてしまうのではないか、という黒い手をした恐怖が日向の足元に巻きついているから。
そんな目の錯覚を振り払うために瞼を何回も瞬きした時、ようやく気づいた。日向と志島の周りを囲む、
「とても興味深い答えだったけれど……私は違うわ」
霧は徐々に濃くなっていく。影のせいで灰色にも見えるそれは、日向達を包み込む。
「私にとって恐ろしいものは―――」
霧で自分自身すら見えなくなりそうになった時見えた、志島の顔は―――
「
まるで、この世界を心の底から嫌悪したものだった。
金属同士がぶつかり合う音。早見の警棒型魔導具で繰り出す攻撃を悠護の剣で捌いていた。
見た目からして冴えない性格をしている早見は、顔を青ざめながら攻撃をする姿は他の者から見れば悪あがきにしか見えないだろう。
それもそのはずだ。魔導士界は文字通り『弱肉強食』の世界なのだ。
強い魔導士は地位と名誉を手に入れられ、弱い魔導士は屈辱と無能のレッテルを与えられる。もちろん中にはそんなことを気にしない魔導士もいるが、そんなのは極少数だ。
ほとんどの魔導士は自身の出世のために動いている。そんな
目の前にいる早見は見るからに弱い魔導士の部類に入り、恐らく事務室からの連絡メールで『悠護には勝てない』と早々に勝つことを諦めたのだろう。
七色家は日本という国の防衛力を支えている、いわば縁の下の力持ちのようなもの。その家もしくは分家に生まれた者は皆、幼少の頃から家の大人から魔法を教えてもらう。
もちろん悠護もその一人で、特に干渉魔法に関しては頭角を現していた。干渉魔法は物質や現象、物理法則にも干渉できるが、高い魔法操作技術がなければロクに扱えない代物だ。
だけど極めれば他の魔法よりも高い威力を持っており、現に【五星】豊崎陽は空間干渉魔法と棒術のみで五回優勝をもぎ取ってみせた。それくらい干渉魔法は扱い辛いが強力な魔法なのだ。
そんな魔法を自分がそつなくこなす横で、上手く魔法を使えない子供を大人は叱るなんて言葉が生易しいほどの罵詈雑言を飛ばしていた。
「発動が遅い」「それは以前教えたばっかりだろう」「何故言われたことができない」「一生無能でいたいのか」……そんな言葉ばかりが毎日耳が痛いほど入ってきた。
大人に罵声を浴びられている子供は誰もが目の縁に涙を溜めており、一度でも泣くと泣き止むまで容赦なく頬を叩かれるためそれを我慢していた。
その時の子供達は、いつも大人に隠れながら悠護を射殺さんばかりに睨みつけていた。
それが、生まれた時から強い魔導士の位置にいる自分に対する嫉妬と羨望だとすぐに気づいた。
家にいた時は何度も分家の子供達に水をかけられたり、リンチにあったりもしたがそれらは全て大人が勝手に暴力で解決し、悠護の抗議すら受け入れなかった。
父にその話が入っても自分ではなく他者が解決するよう言ったせいでより悪化し、悠護の魔導士嫌いを益々強くさせた。
そんな思い出したくもない記憶を思い出し、顔をしかめた悠護は大きく剣を振るう。
刃は早見の警棒に当たり、衝撃でくるくると回りながら後ろへ飛んでいく。それを見届けない早見のバッジに刃を突き刺すと、バッジは綺麗に真っ二つになる。
『――早見翔太、バッジ破壊を確認。速やかにフィールドから退場してください』
アナウンスの声に早見は落ち込んだ様子で立ち上がると、「やっぱり僕なんかが七色家に敵うわけがないんだ……」と呟きながらフィールドから降りて行く。
「チッ」
最初から負けることを確信していたその言葉に悠護は苛立ちを感じ、思わず舌打ちをしながら剣を消す。
悠護の金属干渉の魔法は一回作った物は用済みになると粒子となって砕け、そのまま消失する仕組みになっている。そのためリサイクルが出来ず、常にネジなどの金属部品を持ち歩かなければならないのだ。
(そういや日向はどうなってんだ?)
戦いに夢中になっていたため彼女の様子を気にする暇がなかった。日向がいた方向に顔を向けると、そこにあったのは半円形の濃い霧があった。
「これは……『
『
しかしこの魔法は初級魔法で、こんな巨大な
(あの志島って奴が魔法を暴走させてんのか? いや、それなら俺にも影響があるはずだ)
残る可能性は、ただ一つ。志島が持つ日向に対する悪感情が、魔法に影響していることだ。
魔法には、術者本人の心の機微を感じ取り、その強さに合わせて魔法の威力を底上げするケースがある。特に強い欲望や殺意には敏感に感じ取り、誰にでも扱える簡単な魔法さえも脅威的なものになる。
今の日向には自己防衛としての魔法しか身につけていない。
このままでは彼女の身が危ない、そう思い悠護が新しいネジを取り出した時だった。
「――ねぇ、いい加減諦めたらどうなの?」
日向に向けた志島の声が聞こえてきた。
☆★☆★☆
「くっ! 『
左腕のブレザーがブラウスごと裂く。チリッとした痛みが走ると同時に『
この霧がただの霧ではなく、精神魔法の類のものだと理解できたが、攻略する術を日向は持っていない。
唯一の解決策であるだろう無魔法は今の日向には使えない。
こうなったら陽に反抗してでも無魔法の特訓しておけばよかったと後悔するが、そんなのは後の祭り。
(今はこの状況を打破しないと)
荒くなった息を整えながら《アウローラ》を構え直すと、今度は頬に痛みが走った。
「った!」
思わず頬に触れると、ぬるりとした温かい赤い液体が指先についていた。
この霧は周りどころか志島自身も隠すことにも使われているのか、彼女はあのナイフ型魔導具で日向の体を傷つけている。
おかげで腕や足などに軽い切り傷ばかり作られている。
過剰攻撃が禁止された試験だったからよかったものの、もしこのルールがなければ日向は今以上の傷を負っている。そう考えると背筋がぞっとする。
「――ねぇ、いい加減諦めたらどうなの?」
頬を伝う血を乱暴に拭うと、目の前に志島が現れる。
彼女の手に持っているナイフ型魔導具の刃には微かに血がついており、端からみると相手を追い詰める殺人犯に見えなくもない。
切った時に飛んだだろう日向の血を頬につけたままに微笑む彼女から狂気すら感じられ、冷や汗を流しながら後ずさる。
「今のあなたじゃ私に敵うわけないのよ。諦めて負けを認めなさいよ」
「嫌だよ。だってそうしたらあたしにパートナー変更をさせる気なんでしょ? 『負け犬は大人しく勝者の言ったこと聞きなさい』とか言ってさ」
「あら、意外と鋭いのね」
日向の言葉に志島は軽く目を見開きながらクスクスと笑う。
あそこまで七色家にこだわっていた彼女のことを考えてだしたハッタリだったけど、まさか本当に当たるなんて思わず内心焦りながらも平常心を保つ。
「せっかく勝ってもご褒美がないというのはあまりにもつまらないと思わない? これくらい可愛いワガママだと思うんだけど」
「……やっぱりあたしには理解できないよ。どうしてそこまで悠護のパートナーにこだわるの? あなたみたいな人なら、こんな真似しなくても七色家の誰かに気に入られるはず――」
「知ったような口を聞かないで頂戴」
日向の言葉を遮った鋭い声に思わず息を呑む。
志島は微かに充血した目をこっちに向けており、顔は憤怒で赤く染まっていた。
「私の家はね、魔導士の家系の中じゃ中くらいのランクにいるのよ。いつでも上を目指せるはずなのに、何もせずただ上の相手を輝かせる脇役に徹してきたわ。でもね……そんなの私には耐えられない屈辱だった」
そう言った志島は唇を噛みしめており、ナイフ型魔導具を握る手が強くなる。
「だけどある日、パーティーで聖天学園に入学すれば七色家の誰かとパートナーになれて、そのまま伴侶になれるって話を聞いたわ。それからはもう必死だったわ。魔法の腕も女としての美を磨いて、なんとしても誰もが羨む地位を手に入れようとした。……だけど、それをあなたが奪ったのよ」
ギョロリ、と憎しみが込められた群青色の瞳が日向を映した。
「数ヶ月前に魔導士に目覚めて、ロクに魔法の腕もなくて、平凡な顔立ちなのに、何故私が欲しかったものをあなたが手にしたの? ……そんなの、納得することも、諦めることもできるわけないじゃない!!」
志島の姿が霧と共に消えた直後、日向の右腕にさっきより強い痛みが襲った。
さっきよりも深い傷と、そこから噴き出した血を見て顔を歪めた。
「つぅっ!」
「私は必死に努力したのに!」
志島の斬撃は止まらなかった。
悲痛な叫びと共に、日向の体に次々と傷が生まれる。
「難しい魔法を扱えるように頑張ったわ!」
左足が履いていたニーソックスとスカートと一緒になって裂かれる。
「美を保つために苦手な運動も厳しい食事制限も耐えたわ!」
左頬を切られると髪も少しだけ切られる。
「あなたよりたくさん頑張ったのに、なのに……どうして私が選ばれなかったの!?」
背中にも襲った痛みに、日向は顔を歪めそのまま地面に片膝をつく。
痛みを我慢して吐き出すことを忘れていた息を吐き出しながら、日向は志島の心の中に隠していた気持ちをようやく理解した。
……ああ、そうか。
彼女は誰よりも今を変えたかったのだ。誰もが憧れる光を手にするために、日向では理解できないほどの努力を重ねてきたのだ。
だけど、それを日向によって無駄にさせられたのだ。その時の彼女がどれだけ辛く、悔しかったのか想像でしか分からない。
(だけど……)
だからといって、それが悠護のパートナーの座を明け渡す理由にしてはいけない。
悠護は出世や栄誉のことしか頭にない魔導士が嫌いなのだ。志島は確実にその分類に入っている。
たとえここで日向が負けを認めて、パートナー変更を申し出ても彼はきっと断るはずだ。
そう伝えようとする前に、日向の頭が地面についた。
「うぐっ!?」
目だけ横に動かすと、微かに黒いローファーが見えた。
そのローファーの持ち主が、視界の上で自分を見下ろす少女であることは確実だ。
「ほら、負けを認めなさい。あなたみたいな人が本当なら魔導士を目指すことすらおこがましいのに、黒宮くんのパートナーになるなんてありえないわ。だから、さっさと負けなさいよ」
「そうよ! 負けなさいよ!」
「それでそのまま退学しなよ!」
「いい加減見苦しいのよ! 早く負けて出て行きなさい!」
志島の言葉に呼応し、観客席にいた他の女子生徒が容赦ない罵声を日向に降らせていく。
その声は徐々に大きくなり、しまいには『負ーけろ! 負ーけろ!』とコールさえかけてきた。
女子だけでなく男子もつられて声を張り上げる。確実に制止をかけている心菜と樹の声は、この不特定多数のコールにかき消されているだろう。
(負け、か……)
確かに、ここで負ければ一瞬で収まるだろう。
けど、それでも……!
(あたしは、負けたくない……!)
悠護のあんな顔、もう二度と見たくない。もう、あの細い体にこれ以上傷をつけさせたくない。
だけど体が思うように動かない。勝ちたい気持ちがあるのに体が負けに行きたがっていて、それに抗えないことにとても悔しくて歯を食いしばった時だった。
「黙れぇええええええええええええええええええッッッ!!」
「「「!!?」」」
突如訓練場全体に響かせる叫び。それは、今までの罵声もエールさえも切り裂いた。
そして、この叫びを上げた人を、この声の主を、日向は知っている。
「悠護……?」
幻の霧で見えないはずなのに。ここから離れた場所にいるはずなのに。
日向の目には、あの真紅の瞳を怒りで燃えさせたパートナーの姿が見えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます