第3話 深夜の出来事
聖天学園は小規模な街と言っても過言ではないほどの広大な敷地を有し、新しい建物を増やすだけでなく創立当初からある古い建物を改築と増築をして利用しているため、施設の数は他の学校に比べて多い。
教師や用務員の他に設置されている研究施設の研究者や病院の医療従事者は、学園側の正規雇用で敷地内の入場を許可されている上に職員寮が用意され、十分な衣食住が保証されている。
もちろん入学した生徒達も、学生寮で生活することが義務付けられている。
魔導士は世界各国から喉から手が出るほどの貴重な人材なため、学生でも将来有望になるだろう人物がいれば過剰なスカウトもしくは誘拐されるケースがある。
最悪、魔導士に対し差別意識を持つ者達によって乱暴にされたり、魔法が使えないほどのトラウマを植えつけられたりする可能性だってある。
そういった危機から守るために全寮制にしているのだと、数年前まで聖天学園に通っていた兄が言っていたことを思い出す。
その学生寮と本校舎までの道の間には四季折々の花が咲き誇る花壇が設置された噴水広場を通り過ぎ、そこから一〇メートルしか離れてない場所にあるのが、日向達一年生が利用する学生寮。
見た目は高級感ある高層マンション。それが二つ並び、建物の中央には互いを行き来する渡り廊下が通っている。
一階部分には間を挟むようにエントランスがあるため、真正面から見ると凹型に近い建築物に見える。
ここの学生寮は三年生が卒業するとその卒業生が使っていた学生寮を新しい一年生に使わせるというサイクルを取っており、これから日向達が使う学生寮は今年の春に卒業した三年生が使っていた建物なのだ。
部屋は基本二人一部屋で、ルームメイトになる相手はちゃんと同性同士だ。エントランスの電子掲示板に部屋割りが表示されており、ほとんどの生徒がルームメイトと部屋番号を確認している。
「お~い、俺らの部屋の鍵もらってきたぞ~!」
職員から手渡されたであろう鍵を四本持って駆け寄る樹と、手綱を握られた馬の如く樹に手首を掴まれて後ろから歩く悠護はどこかくたびれた様子で、綺麗に着た制服もよれよれだ。
それもそのはず、彼らは率先して人ごみ溢れる電子掲示板前まで行って部屋番号を確認してくれた上に鍵も取りに行ってくれたのだ。
「だ、大丈夫? 結構な人の数だったけど……」
「ああ、俺は平気だったんだけど、悠護がな。人ごみ慣れてないのか、目を離すとすぐ離れちまうんだ」
「うわっ、ほんとだ。顔が真っ青。おーい黒宮くーん、しっかりしてー」
「あ……ああ、もう大丈夫だ……」
今にも膝を床につけそうな悠護を励ましながら、日向は樹から渡された部屋番号を確認する。シンプルなデザインをした鉄製の鍵の頭部には『505』と数字が彫られており、よく見ると心菜の持つ鍵にも同じ数字が彫られている。
「あ、あたしと心菜は同室なんだ」
「そうみたいだね」
「ちなみに俺も悠護と同じで、部屋番号は『506』だからお隣さんだぜ」
「そうなの? すごい偶然だね」
樹の鍵を見ると確かに『506』と数字が彫られている。
思春期ならばいくらルームメイトが同性だからといって、男女混合に対して嫌悪感を出すだろうが、そもそも市街地のマンションも似たようなものなので日向の方はあまり気にしていない。
この部屋割りも学園側に決められているのか、魔導士家系出身らしき女子が「こんな低能な子と一緒に暮らせません!」と職員に向かって怒鳴っている。
魔導士家系にも階級とかあるらしく、女子の近くにいるルームメイトらしき子は相手の剣幕と暴言で完全に委縮している。
その様子を悠護が微かな怒りを宿した目で見つめているのを見て、日向は首を傾げるも無断でプライバシーに足を踏み入れるつもりはない。
ひとまずは放っておこうと思いながら、樹達と共にエレベーターに乗り込む。
エレベーターは振動を感じさせないまま目的である五階に辿り着く。
部屋には均等に並べられたドアが設置され、ドアの横には部屋番号と名前が彫られた真鍮製のプレートが付けられている。
日向達はそれぞれ用意された部屋へと向かい、軽く別れの挨拶をしてから部屋に入った。
1DKの部屋の中は二人だけなら十分な広さで、リビングの他にも使い勝手のいいキッチンや日当たりのいいベランダもある。
洗面所とトイレは別々で、もう一つの部屋はリビングより狭いが中央の本棚に挟まれるように設置された勉強机二つとクローゼット、そして立派なシングルベッドが二つ。恐らくここが日向と心菜がこれから三年間使う勉強部屋兼寝室なのだろう。
「家から送った荷物もあるね」
「じゃあ、先に荷解きしよっか」
「そうだね」
さっそく『私服』とマジックで書かれた段ボールから服を取り出し、制服を脱いで着替えると二人は一斉に片づけを始める。
二つあるクローゼットの一つを使って服を仕舞い、学校からもらった教科書や買ったノートは本棚、食器の類は棚に入れる。その時にキッチンと冷蔵庫の中身を見て、ある程度の食材と調味料があると確認する。
食材や日用品はさすがに自分達で買いに行かなければならないが、毎月の生活費は学園側から支給されるシステムになっている。学園案内を読んで知った時は思わず感嘆の息を漏らした。
テキパキと荷解きを済ませ、潰したダンボールを一階のゴミ収集場に置いていくと、空が橙色に染まっていることに気づく。
それと同時に日向のお腹がぐーっと鳴った。
「あ、あはは……お腹が……」
「もう夕方だもんね。じゃあご飯作ろっか」
「さんせーい!」
日向の声に応えるように心菜のお腹も鳴り、思わず顔を見合わせた二人は盛大に笑った。
寮生活は基本的に自炊だ。
理由としては魔力の源である生命エネルギーを補給するには、食事が一番適しているという話があるからだ。
二人は慣れた手つきで食材を切ったり、炒める。炊飯器からピーッと音が聴こえ、しゃもじでご飯をよそい、小松菜と油揚げのお味噌汁をお椀に入れればばっちりだ。
おかずは春キャベツの野菜炒め、副菜はジャコとワカメの酢の物と栄養バランスが考えられている。
一緒に手を合わせて「いただきます」と言い、そのまま食べ始める。野菜炒めを食べた瞬間、二人の顔が一斉に輝く。
「んー、美味しいー!」
「ほんとだね。野菜がシャキシャキしてる」
春キャベツを使っているおかげで柔らかめで、他の野菜も入れる順番を間違えず、さらに味付けも最後にしたおかげでクタクタかつべちゃっとした食感がない。
酢の物も程よい酸味が利いていて、お味噌汁も煮干しの風味があるも味噌がそれをマイルドにしている。
予想よりもいい出来合いに満足しながら、二人は箸を休まずそのまま食べ続けた。
完食し食器を片付けていると、ちょうど台所のリモコンから軽快な音と共に『お風呂が沸きました』とアナウンスが流れる。
ちょうど最後の食器を拭き終えた心菜が、手についた泡を洗い流す日向に向かって言った。
「先に入っていいよ」
「ありがとう。あ、二段ベッドは上か下どっちがいい? あたしはどっちでもいいんだけど」
「じゃあ……下をもらってもいい? 私早起きだから」
「オッケー。お風呂入ってくるね」
あっさりとベッドの場所決めをした後、着替えを取りに寝室に戻り、そのまま洗面所へと向かう。
脱いだ服を洗濯カゴに入れて、浴室に入る。軽くシャワーで体の汚れを落とし、沸いたばかりの浴槽に浸かる。お湯は熱くもぬるくもないちょうどいい湯加減だ。
「あ~、いい気持ちぃ~~」
普段よりのんびりとした口調でお風呂を堪能しながら、ふと自分の右手首についている魔力抑制具を天井にかざすように持ち上げる。
魔力を抑制する魔法だけでなく腐食を防ぐ魔法も付与されているため、水につけても錆びない。少しだけ大きいそれを、日向は無感動に見つめた。
聖天学園の入試は、中学卒業資格と魔導士証明書があれば誰でも受けられる。
魔導士は世界人口で数えても絶対的に少数派の存在で、なるべく多くの人材を確保したいというのがIMFの考えだ。
だが地域によっては貧困の差が激しく、入学者数にも制限があるため、一定の数しか入学できない。
不合格になった者は一般家庭の子なら魔力抑制具をつけて数ヶ月に一度の調整と検診で済むが、魔導士家系だと勘当されて魔導犯罪者として生きるか、魔導士の子供を増やす道具として扱われるかの二択しかない。
今も不合格になった子達の処遇を改善しようと動いているが、彼らのプライドの高さや家の名に傷がつくという理由で政策まで至っていないと聞く。
そんな実力主義者達の力が強い中、魔力抑制具付きの一般人組の日向の存在は、彼らの自尊心を傷つけるには充分だった。
合格した子も不合格になった子も、みんな等しく努力したはずだ。自分だって志望校に受かるために寝食を忘れて勉強した、その気持ちは痛いほど理解できる。
たった一枠とはいえ、入学へのチャンスを奪ってしまった日向は、他の生徒より大した知識を技量も持ち合わせていない。正直、このまま学校が始まっても授業に追いつく可能性は低い。
「……よし」
気合を入れるためにパンパンッと自分の頬を二回叩いた日向は、急いで浴室を出てきちんと体も髪を乾かしてから寝間着に着替えて洗面所を出る。
心菜にお風呂を上がった旨を伝えてそのまま寝室に入り、陽が用意してくれた初級者向けの魔法関連の蔵書を数冊とノートを勉強机に広げ、筆箱から取り出したお気に入りのシャーペンを手にし、勉強を始める。
カリカリとシャー芯が減っていく音と紙を捲る音しかしない室内で、かなり集中しているのかふと視界の端で小さなメモを見つけた。
花柄の可愛らしいデザインのメモには、『台所におにぎりがあります。お腹が空いたら食べてね 心菜』と書かれていて、思わずベッドの方を見ると上のカーテンが閉じられていることに気づく。
どうやら日向が集中している間に、心菜はご丁寧に夜食を用意した後に寝入ってしまったらしい。
時間もお風呂から上がってから時刻は深夜を回っており、小腹が空くのを感じると同時に集中力も切れた。
スマホを片手に部屋を出て、台所にラップで包まれたおにぎりを乗せた皿と麦茶を入れたコップを片手にリビングに行き、夕飯の時のようにテーブルの前に座ると夜食を食べ始める。
シンプルな塩むすびだが程よい塩加減で、大きさもちょうど日向の小腹を満たすほどだ。
麦茶もごくごく飲んで完食すると、食器を片付けてそろそろ寝ようと思った時だった。
カウンターに置かれていたスマホが震え出したのは。
☆★☆★☆
深夜一時を過ぎた頃、悠護は喉が渇いたせいで目を覚ました。
隣のベッドでは樹が盛大なイビキをかいており、私物なのかマンガ雑誌が床に落ちている。
寝相の悪いルームメイトを一瞥しながらベッドから起き上がると冷たい空気が肌を刺し、ぶるりと体を震わせる。
こういう寒い日は温かい飲み物がいいのだが、悠護は生まれてこのかた調理器具なんて触ったことはない。
わざわざ樹を起こしてまで頼むほどではないため、仕方なく寮の玄関近くにある自販機に行くことにし、財布を持って部屋を出た。
夜でもエントランスは電気がついており、あまりの眩しさに目が眩む。何度も瞬きをしながら外を出ると、冷たい風があまり肉のついていない悠護の体から容赦なく体温を奪う。
春先とはいえまだ夜は冬と同じくらい冷え込む。さっさと買って帰ろうと白い息を吐きながら歩こうとした時、ふと自分の部屋のある階に灯りがついていることに気づく。
(あの部屋の位置って……日向と心菜の?)
初めてできた女友達がいる部屋を見て、悠護はスマホを取り出す。
連絡先はカフェに出る前に樹の提案ですでに交換してあり、悠護はSNSを使ってパートナーである日向にメッセージを送った。
『起きてるのか?』
簡潔なそのメッセージからの返事は、数秒でやってきた。
『起きてるよ。心菜は寝てる』
『何してんだよこんな時間に』
『予習だよ。黒宮くんは?』
『飲み物買いに今外にいる』
すると彼女達の部屋のカーテンが少しだけ開き、そこから日向の顔が見えた。
彼女がこっちに手を振ってきたため振り返すと、日向はもう片方の手でスマホを弄り始めた。
『見えたよ。あたしもそろそろ寝るけど喉渇いちゃった。今からそっち行くね』
そんなメッセージが送られ、カーテンの隙間から日向の顔が見えなくなったかと思うと電気が消えた。どうやら彼女も部屋を出たらしい。
しばらくするとエントランスで日向の姿が見え、悠護は彼女に見つけてもらうために腕をあげた。
「ごめん、待った?」
「いや、待ってない。つーか悪い、勉強の邪魔して」
「いいよいいよ、今日のノルマはもう終わったから。それより早く何か買おうよ。寒くて死んじゃいそう」
「そうだな」
春なのに冬みたいに寒い空気が肌を刺し、思わず体を震わせながら自販機に向かう。
悠護はお金を入れて微糖コーヒーを、日向はココアを選んだ。もちろん温かいやつだ。
隣に設置されているベンチに座りプルタブを開け、缶の口に口づける。そのまま甘く少しだけ苦いココアを数口飲み、ようやく一息をつくことができた。
「それにしても入学早々予習とか、お前って結構真面目だな」
「別に黒宮くんが思ってるほど真面目じゃないよ。あたしは周りと比べて勉強遅れてるし、陽兄だって本当は忙しいのに明日から放課後勉強教えてくれる予定なんだよ? ならせめてあたしができる範囲のものは頑張らないと。じゃないと他の人達にも失礼でしょ?」
現に遠野は日向が自分のパートナーとしては相応しくないと公言したし、それを撤回してもらうためには日向自身が頑張ることが必要なのだと言った。
そう聞いて悠護は少しだけ顔を俯かせた。
「……なあ豊崎。お前はどうしてそんなに頑張れるんだ?」
「え?」
突然の質問に日向は思わず間抜けな声を出したが、悠護は気にせず言い続ける。
「事情はどうあれ、本当ならお前は魔導士にならないで普通に暮らしていた。なのにお前は自分が魔導士になったことをちゃんと受け入れて……そんなに真っ直ぐ歩けるんだ?」
生まれた時から魔導士として生まれてきた悠護にとって、日向がどうしてそこまでやれるのか分からないのだろう。
こっちに顔を向けてきた悠護の真剣な目を見て、日向は悩みながら話す。
「あたしは君が思ってるほどそこまでご大層な人間じゃないよ。ただ自分がやることが分かってるからやってるだけ。それに……頑張る理由は二つあるの」
「二つ?」
「一つは、単純にあたしが負けず嫌いなだけ。こっちのこと何も知らないのに、『無能』だって決めつける連中に負けたくない」
ぴっと指を上げながら話す日向は、嘘偽りなく本心からの言葉を紡いでいる。
今まで接してきた相手は自分の家柄目当てだったし、同い年の幼馴染みも昔は仲が良かったが今では疎遠気味……というか、自分から避けている。
そのせいも相まって、今の日向の姿は悠護の目から見るとどうしても眩しく見えてしまう。
「それで、もう一つは?」
「もう一つはね……」
先が気になって問いかけると、日向はもう一度ココアを飲むと星空を見上げた。
銀色に輝く光の粒を見つめるその目に宿ったのは、強烈な渇望だ。
「物心ついた頃から、〝何かになりたい〟って思ってたの」
「何かって、何にだよ」
「さあ? 自分でも分かんない。分からないからこそ色々探したり、両親の真似をして慈善活動してもどれもピンとこなくて……」
その時、星空に向けていた日向の視線が悠護に向く。
呆然と見つめる自分の顔を見て、彼女は小さく笑いながら言った。
「だからさ、魔導士になったのもきっと何かの思し召しなんだと思うんだ。このチャンスを逃さないためにも……あたしは、自分にできることは全部やるつもりだよ」
――ああ、なんて眩しいんだ。
真っ直ぐ前を見つめて歩く彼女の姿は、まるで太陽のようで。
自分の欠点すら隠さず堂々としている様は、自分にはない強さの輝きそのもので。
琥珀色の髪と瞳は、闇が濃いこんな夜中でも一際目立っていた。
これまで会ってきた人達とは違う少女を見つめていた悠護は、自分の心臓が大きく鼓動を打った気がした。
「じゃあ、あたしはもう戻るね。おやすみ黒宮くん」
飲み終わったココアの缶をゴミ箱に入れながら去ろうとする日向の背を見て、悠護は思わずベンチから立ち上がって叫ぶ。
「ゆ、悠護!」
「えっ?」
「俺のこと、悠護って呼んで構わない! だから俺もお前のこと、日向って呼んでいいか?」
勢いで思わず言ってしまったが、終わってから悠護は激しく後悔した。
まだ知り合って一日しか経ってないのに、こんな宣言と頼み事をした自分は思春期真っ盛りのガキに思えてしまう。
自分のことを変な目で見ていると思いながら日向の方へ視線を向けると、彼女は笑いながら言った。
「分かった! あたしのことも名前呼びでいいよ、悠護!」
――悠護。
生まれた時に、母が名付けてくれた大事な宝物。家族以外でも呼ばれることもあるが、他人から名前で呼ばれると吐き気がするほどの嫌悪感が襲った。
でも、彼女に呼ばれた名は心地よくて、ずっと呼んで欲しいと思えてしまう。
「あ、ああ! ありがとう!」
「どういたしまして! じゃあおやすみ!」
条件反射でお礼を言うと、彼女は再び笑顔で手を振って寮へと戻っていく。
その後ろ姿が見えなくなるまで見送った悠護は、右手に持っている空の缶コーヒーをゴミ箱に入れながら空を見上げる。
「〝何かになりたい〟、か……。俺がなりたいものって……なんだろうな、おふくろ?」
チカチカと煌めく星を眺めながら、悠護は遠い空で見守っているだろう母に向かってそう問いかける。
だけど答えは返ってこず、ただ無数の星の一つが強く輝いただけだった。
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