第2章 おぼれるマーメイド

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 わたしはプールで泳ぐのが好きだった。


 水の中は息ができなくて苦しい。だから必死に泳がなければ溺れてしまう。

 手足を動かし、ゴールに向かって泳ぐ。

 他のことはなにも考えないで、ただ泳ぐだけ。


 だけど最近見る夢で、わたしはいつも溺れている。

 手も足もうまく動かなくて、もがいてあがいてプールの底に沈んでいく。


 ああ、わたし死ぬのかなって、そう思いながら水の上を見上げると、青い空が見えた。

 ゆらゆらと揺れる空はとても美しくて、わたしは涙を流しながら、深く深く沈んでいくんだ。

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