『小さなお話し』 その35

やましん(テンパー)

『さくらかいぎ』

さくらの女王さま


『ことしは、なにかと、世間がざわついておりますが、来年から、花を咲かせるべきかどか、決めなさい。』


さくらの精たち


 『🌸🌸🌸🌸🌸。より集まって、ぐちゃぐちゃ、と、話し合いました。』


女王さま


 『で、結論は?』


さくらの精たち


 『残念ながら、咲かない訳には行かないです。』


女王さま


 『なぜ?』


さくらの精たち


 『そのように、むかし、決めたからです。』


女王さま


 『解釈の変更はできないのかしら。少し、このところ、人間たちが、自分勝手すぎるから。少し、ショックを差し上げましたほうが、よろしくございませんこと?』


さくらの精たち


 『🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸。ふたたび、ごちゃごちゃ、話し合いました。』


女王さま


 『で?』


さくらの精たち


 『狂い咲きを、さらに、増やしては、いかがかと。いっぺんにやると、人心が乱れるかと。それは、女王さまのご本意では、ございますまい。』


女王さま 


 『ふむ。たしかに、楽しみにしている、まあ、純真な人もいる。ご病気のかた、学生さんなどのこともあるでしょう。でも、拷問のような、場所取り合戦と、参加したくもない花見で、上司から無理言われまして、疲れる人もいると、聞きます。政治家さまの、資金集めにもなるとかならないとか。まあ、悪いと、単純には、言い切れない。桜が咲けば、火星探査が成功するかもしれず、そうなれば、わたくしたちが、いずれ、火星にまでも、進出できるかも、しれません。このさい、梅さまの精たちにも、相談しなさい。はなしが、まとまりそうならば、トップ会談をいたしましょう。』


さくらの精たち


 『は❗』


   🌸  🌸  🌸  🌸



 話し合いは、結構むつかしく、なかなか、つかなかったのである。


 それでも、お花たちの、狂い咲きは、勝手に増えていったのである。


 さくらさんも、春のお花では、なくなっていったのである。


 しかし、火星進出は、ほんとに、実現しそうに、なったのでもある。


 ただし、もう、地球に、人類は、ほんの少数の学者と官吏しかいなかったが。


 人類は火星人と、なったのである。



       🌸   🌸    🌸


             おしまい

 

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