第211話5.31 エピローグ

 翌春。


「それでは、全会一致で、法改正といたします」

 領主会議の最後に、無事にアズキを苦しめていた法は改正されることとなった。


 俺の横に立ち喜ぶアズキ。今日は、純白のドレスを着ていた。

 そんなアズキの横には、同じように純白のドレスを着て喜ぶカリン先生にマリ教授。他にもツバメ師匠、コハク、カーチャ王女、マナ公女、カナ公女、さらにはノゾミお義母さんまでもが純白のドレスだった。

 

 そう今日は俺たちの結婚式である。

 奴隷から解放されて直後にどうよ、と思ったりもしたのだが、ヤヨイの「早く結婚して、早く弟を!」のコールに負けて、領主会議の最後に行うこととなった。

 一応、国中の領主が参加しやすいようにという意味もあるそうだが、メインはヤヨイのお強請りであることは間違いない。

 あと、もう一つ言うと、マリ教授とコハクからの日に日に強くなる、子供が欲しいコールに耐えきれなかったという話もある。

 

 つい先ほどまで会議をしていた場に皆で手を取り合って登って行く俺たち。割れんばかりの拍手が響いていた。壇上で領主たちの方へ振り返る俺。その中で、気になる男を見つけた。それは、トクガワ公爵である。


 俺の目線に気付いたのか、大きく頷くトクガワ公爵。俺は顔を引きつらせながらも会釈した。アズキの人生を狂わせた張本人なのになぜかというと、先にも言った通り、トクガワ家の公女を二人も娶るのだ。イエヤスは義父という事になるのだ。無視するわけにはいかない。どれだけわだかまりがあろうとも。

 

 他にも、スワ家の面々や、もちろん、王家の面々もいる。皆が見守る中、俺が手を上げる。すると、拍手が鳴りやみ、訪れる静寂。


 俺は、無言でアズキの首から奴隷の証を外し、そして、キスをした。


おしまい。









 蛇足。


 結婚式の夜。俺は一人、だだっ広い寝室の真ん中にある巨大ベッドの上でため息をついていた。これから行われる一連の行動にげんなりしてしまって。


 そんな中、音もなく開かれた扉。そこから、カーチャ王女を筆頭に、マナ公女、コハク、カリン先生、マリ教授、ツバメ師匠、アズキ、カナ公女、ユウキ、ノゾミお義母さんと続く行列。俺の前に並んで、頭を下げた。


「「「「「「「「「「不束者ですが、末永くよろしくお願いします」」」」」」」」」」

「こ、こちらこそ」

 綺麗にそろった声に、居心地の悪さを感じてしまった俺が及び腰で答える。すると。

「トモマサ様、早速ですが始めましょうか。初夜を……」

 とカーチャ王女がベッドに上がり近寄って来た。


「えっと、カーチャ、本当にこの他の子達に見られながらするの? 結構な羞恥プレイだと思うのだけど」

 幾ら、全員と結婚したからと言って、全員同時に初夜をする必要など全くないと思って、俺は尋ねる。だが、無駄だった。

「ええ、もちろんです。私の初めての姿を皆様の視線で穢していただく。あぁ、なんてすばらしいのでしょうか」


 カーチャにとっては、このシチュエーションご褒美だったようだ。頭を抱えたくなる俺。そこに。

「トモマサ様! 早くしてください。後が支えているんです!」

「トモマサ殿、早く頼む。ツバメがもう眠そうだ」

 早くナニしたくて仕方ないエロフのユウキと、とろんとした目をするツバメ師匠を支えるノゾミお義母さんの声が届く。

「だから、別々の日にしましょうよ」


 俺は再度願いでるが。

「トモマサ様。これは、皆さまの総意で決まった事です。例え、トモマサ様の希望とはいえ、そうですかと変えるわけには……」

「そうそう。トモマサ君、いつもみたいに、3人づつぐらい相手したらすぐ終わるから」

 申し訳なさそうなアズキと、諦めて早くしてというカリン先生に、俺は返す言葉をなくしてしまい、ともかく、とカーチャを布団の中へ押し込んで初めてを奪った。


「ああ、折角の機会でしたのに布団で隠さなくても……」

 落ち込むカーチャ。俺は、そんなカーチャに「声だけでも十分に恥ずかしいから」と慰めになるのかどうかわからない言葉を掛けながら、考えていた。


――あと、9人もするのか。先が長すぎるな。何か、パッと終わらせる方法はないか

 と。そして、脳への身体強化を使って本格的に思考する。そして思いついたのが。

――そうか、一人一人相手するから時間がかかるんだ。一気に相手するのに必要なものは……

 ナニの数を増やす事だった。


 俺は、カナを治した時のように、自らを偽り変質させる。結果、俺の手の指は、ある物に形が変わっていた。

 さらには、その指を長く伸ばす俺。

「トモマサ君、これってまさか、薄い本に出てた触手プレイ⁉」

「いくら急ぐからって、これは反則……」

「「「……」」」

 返す言葉すら思いつかない様子の女の子たちに絡みつけて行くのだった。


「あ……」

「ん……」

「いやん……」

 ベッドのいたるところから聞こえる嬌声。そんな中、俺に近づく人影があった。

「トモマサ様。あれでは匂いが足りません」

 指に絡みつかれていない、アズキだった。


「あれ、何でフリーなの? ちょうど10本あるはずなのに」

「はい、私の分はユウキにお渡ししました」

 俺の問いに、匂いを嗅ぎながら答えるアズキ。ユウキ? と思って目を向けると、二本に絡まれ上も下も塞がれて喘ぎまくっているユウキの姿が目に入った。


「幸せそうだな」

「はい。とても幸せです」

 ユウキに向けた言葉なのに、にこりと笑って返してくるアズキ。

「トモマサ様。私に、もっと幸せを――」

 いいながら俺にまたがって来た。


 結果、俺の快感は凄い事になった。+10倍なのだ。ネットショッピングで買い回りした時のポイントか! ってぐらいの倍率なのだ。

 何度も何度も精力回復魔法を使う羽目になったのは言うまでもない。



おしまいのおしまい。

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娘から再婚(ハーレム)を強請られるお父さんの話 茄子大根 @hamagongon

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