第101話2.39 閑話 トモマサ君の質問コーナー(カリン先生編)2

「はは、そうですね。カリン先生の子供がオッドアイなら遺伝の可能性が増しますね。でもそれは、もう少し後にしましょう。……それよりも質問があるのですが、例えば、アズキと俺の間に子供が出来たとして、産まれてくるの子は獣人? それとも人族? それともハーフ? どれなのですか?」

「はぁトモマサ君。まだ常識が足りてないようですね。魔導車の研究もいいですけど一般常識の勉強もしてくださいね」

 ついさっきまで甘えモードだったカリン先生、いきなり先生モードに移行して小言を言いながら教えてくれた。

 結論から言うとハーフというものは存在せず、獣人か人族が産まれるだろうという事だった。

 さらに厳密には、例えエルフが産まれてきても不思議ではないらしい。

 そもそも獣人とかエルフとか人族とか分けているけれど、元々全員人間なのだ。

 それが、ここの性質に合わせて魔素が作用して表面上変わっただけらしいのだ。


「それって、エルフの子供が獣人だったりするって事ですか? 寿命が違うのに大変ではないですか!」

「そうよ。大変革直後は、子供が先に死んでしまう事なんて良くあったみたいですよ。ただ、1000年たった今では、ほとんど親と同じ種族が生まれるように落ち着いてきたので今は心配いらないわ」

 一安心である。

 子供が先に死ぬなんて1番の親不孝なのだから少ないに越したことはない。

 もっとも俺は人族のままなので余計な心配ではあるのだが。

「ついでに、もう一つ教えてください。俺って一体何人ぐらいと結婚しないといけないのですか? 俺としては、もう4人も彼女がいたら限界なのですが」

 実際には1人で限界なのだが、そう言ってしまうとまた叱られそうなので現状の4人でと言っておく。

「うーん、そうですねぇ。何人と言う規定はないのですが……。かつての帰狭者で、魔素量が5万ほどあったとされる魔法使いを例にすると、その人は、奥さん48人いたそうですよ。奥さんをAKMT48などと呼んで、歌って踊れる劇場型アイドルを目指すとかよく分からないこと言って、劇場まで作ってイベントをしたとかしないとか。昔本で読みましたね」

 どうやらアイドルオタの帰狭者だったらしい。設定が、そのまんまA○Bだ。

「そのAKMTってなんの略なんですかね?」

「え、確か……AKIMOTOの略だったかしら? 結構人気が出て、その功績を認められ伯爵の地位まで上り詰めた人物らしいわ。そう、アキモト伯爵」

 ……アキモトって、もしかして本人? なわけないよな。そんなに珍しい苗字じゃないし別人だよな。

 これ以上聞くと権利的に危ない話になりそうなので本題に戻ることにした。


「えっと、そのアキなんとか伯爵の奥さんの数はわかりましたが、結局俺はどうなんでしょうか?」

「ごめんごめん。魔素量5万で48人だから、トモマサ君の75万なら15倍の720人ぐらいでしょうか? まぁ、統計上の数字ですけどね」

 なんで魔素量に比例して計算するんですか。

 しかも720人って1日1人相手してたら2年に一度ぐらいなんですけど?

 そんな数の奥さんにカリン先生はなんとも思わないのだろうか。

 俺は素直に問いかけてみた。

「カリン先生、俺に700人も奥さんいたらカリン先生の相手できなくなるんですけど良いんですか?」


「……そんな事になったら私、寂しいと思うわ」

「だったら!」

 苛立った俺は少し大きな声になってしまった。

 カリン先生が、しょんぼりしながら答えてくれた。

「ごめんなさい。ちょっと調子に乗りました。……ここからは、私の本音を言いますね。えっと、私としては、人数は何人でも構わないと思ってます。ただ、トモマサ君が良いと思って、私やアズキさんやツバメさん、あとマリ教授とも仲良くなれる子ならね」

 なんだ、ちゃんと考えてるのね。

 変な伯爵の話をする前に、その条件を言えば良いのに。

 変に真面目に答えようとするから現実性のない回答になるんだよ。

 カリン先生には、困ったものだ。などと考えている所に爆弾が来た。


「例えば、カーチャ王女とか」

「へ? なんですか?」

 俺は変な声で聞き返してしまう。

「だから、カーチャ王女よ。トモマサ君、好きでしょ? カーチャ王女。私達とも仲がいいし、どうせなら、早く受け入れてあげればいいのに。でもまだ、未成年だからエッチな事をしてはダメですけどね」

 え? 俺が、カーチャ王女を好き? いやいやいや、あのすぐに奴隷にして欲しいとか言ってる人を? 出来れば近寄りたくないあの人を?

「いや、カーチャ王女は無いですね」

 きっぱり否定する俺。

 あの性格を知る前なら、有り有りだったんですけどね〜。俺にSMの趣味はないですのでね〜。

「ふふふ、まぁ今はそう言う事にしておきましょうか」

 いやだから無いです。と何度否定しても信じてくれないカリン先生。

 言い合いしている所にアズキが、「お風呂にどうぞ」と誘いに来て、その話はカリン先生に終わらせられた。


 その後はカリン先生の甘々モードに負け、ナニしまくって寝てしまったので、結局誤解を解けぬままになってしまった。

 いや、無いよ。今の所……は、本当に。

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