第84話2.22 領主会議2

 300人以上入っている大会議場の壇上で臆する事無く、数々の質問に対しても完璧にこなしていた。

 流石、若くして教授になった人である。

 一方の俺は、ただただ立っているだけの飾りであった。

 心の中では、

「緊張をほぐす為とは言え、なんであんなこと言ってしまったんだろう」

 とひたすらに後悔しながら。


 領主たちのスタンディングオベーションを受けて壇上から退がるマリ教授、突っ立てる俺の肩に手を回し、促すように下がっていった。

 周りからは緊張した生徒を励ます先生のように見えるのだろうきっと。

 実情は獲物を狩る狩人のようであるのだが。

 俺、3人に何て言おう。許してくれるだろうか? ただそれだけを考えながらマリ教授に連れて行かれた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る