第51話1.51 2人目2

「人口が伸び悩んでいるのは分かったけど、それとカリン先生を貰うのと何の関係がある?」

「トモマサ様は貴族です。その上、類を見ないほどの魔素量をお持ちです。出来るだけたくさんの子を成すのは義務だとお考えください。トモマサ様が育ってきた時代とは環境も考え方も異なるのです。どうか、全てを受け入れてください」

 問う俺に、アズキが頭を下げて頼んできた。

 『育ってきた時代とは違う』か、確かに魔法もあるし魔物もいる世界だ。

 地球だけど異世界と言ってもいいかもしれない。

 郷に入れば郷に従えというけれど、どうしたものか。と思って、カリン先生を見てみる。

 すると、先生が「やっぱり、そうだったのですね」とぶつぶつ言っていた。


「あ、ばれちゃいましたか?」

「は、はい、怪しいとは思っていました。アズキさんの言葉で確信してしまいました。トモマサ君は、帰狭者だったのですね」

 アズキのさっきの言い回し、わざとなんだろうな。

 俺の踏ん切りを付けさせる為に、秘密に気付くように。

「はぁ、仕方がないですね。それならついでにこれもお教えしときます。俺は、実は40過ぎのおっさんで一度結婚していて子供もいます。妻はとっくの昔に亡くなってしまったようですね。そしてヤヨイは俺の娘です。あんな大きな娘がいる俺でも気持ちは変わりませんか?」

「え?……ヤヨイ様の父親……それって……『建国の父』……ええええええ~~」

 あまりの驚きにカリン先生、『建国の父』をうわの空で連呼している。

 恥ずかしいのでやめてほしい。

 とりあえず正気に戻ってもらおう。


「カリン先生、帰ってきてくださ~~い」

「は、はい、何でしょうか? トモマサ君、いやいや、失礼しました。トモマサ様」

 さっきまで、俺の胸にもたれかかっていたカリン先生、今は直立不動といった感じで立っていた。

「もう一度聞きます。40過ぎで大きな子供もいる俺でも気持ちは変わりませんか?」

「はい、変わりません。むしろ強くなりました。何が何でもトモマサ様に貰っていただきたいです」

 さっきまでと違う感情が入ってきている気がする。

 これだと、貰うに貰えないな。

「俺が『建国の父』だからって理由でそんなこと言っているなら、断りますよ。その呼び方も止めてください」

「トモマサさ……君、決して肩書で言っている訳でないですよ。半年間あなたに関わって知った、貴族なのに驕らない態度、まして奴隷になったアズキさんへの優しさ、それを見ているうちに好きになりました。確かに膨大な魔素量が切っ掛けであったことは否定しませんが、決してそれだけで言っている訳では無いです。本当にトモマサ君に惹かれたのです」

 カリン先生が目を潤ませながらこちらをじっと見ていた。

 本当にカリン先生、俺のことを好きになったらしかった。

 21世紀では全くモテなかった俺がどうしてと困ってしまう。

 そっとアズキに目を向けると、すっと一礼して部屋から出て行った。「後は、お任せします」ということなのだろう。


 本当にどうしようと悩むそぶりを見せているが、俺の心の中ではすでに答えは出ている、と思う。

 だから謝る「妻よ、俺は、この世界の常識を受け入れることにするよ」と。

 お前ひとりでも四苦八苦していた俺が二人の嫁とか扱えるか不安だが、妻(アズキ)にも娘(ヤヨイ)にも勧められると断り辛い。

 なにより俺は、カリン先生のことを嫌っていないしね。

 ハーレムって男なら一度は夢見る環境だしね。

 出来れば怒らずに見守ってくれると嬉しいな。


 一人妻に報告した俺はすっと立ち上がり、カリン先生を抱きしめた。

「カリン先生のプレゼント遠慮なくいただきます」

 耳元で囁く。

 そして真っ赤になったカリン先生にキスをした。

「ありがとうございます」

 と返事をしているカリン先生の手を引きベッドへ……そして、二人は結ばれた。


 やはり回復魔法は素晴らしかった。

 痛がっていたカリン先生は自分で魔法を掛けたようで、だんだんと積極的に動き出し俺は圧倒されてしまった。

 初めてのはずなのに……凄かった。


 今は一戦終えて、抱き合っている。

「トモマサ君、そういえば私お風呂に入っていません。その、臭くないですか? 今日忙しくて一杯汗かいたし……」

 恥ずかしそうに目線を逸らすカリン先生。

 俺はそんなカリン先生の胸のあたりの匂いを嗅いでいく。

 カリン先生の胸、女性特有の甘い香りがする。

 アズキよりもサイズは小さいのだが、体が小さいからかより大きく見えるし。

 太った男のナニが小さく見えるのと同じだろう。このタイミングで想像したく無い例えではあるが。


「とってもいい香りがしますよ。でも、気になるのでしたらお風呂行きますか?」

「もう、トモマサ君ったら。でも、まだ、入れるならお願いしようかしら」

 カリン先生、なにを想像したのか、またまた顔を赤くしていた。

 カリン先生と手を繋いで、風呂場に行く。

 すると、湯船はまだ湯気を湛えていた。

 俺とカリン先生は、脱衣場でガウンを脱いで風呂場の扉を開けた。

 ちなみにカリン先生のガウンは、俺のものだ。

 俺の身長が伸びて着られなくなったものを貸していた。

 身長的にはぴったりだったので。ただ胸のあたりが苦しそうだが。


「あら、父さん……と、カリン先生?」

 中に入った俺たちは、突然話しかけられて固まってしまった。

「や、ヤヨイ、なんでこんな時間に、風呂に……」

「私は、いつもこの時間よ。それにしても、父さんがこんな女たらしだったとは……」

 俺の体から冷や汗が噴き出した。慌てて言い訳する。

「いや、これには深いわけがあって」

「フフフ、冗談よ。色々吹っ切れたのね。私もうれしいわ。カリン先生、父さんのことよろしくね。そして弟をお願いね。それじゃ、後は若い者に任せて邪魔者は退散するわ」

「は、はい、こちらこそよろしくお願いします」

 裸のままお辞儀するカリン先生。


 しかし、また揶揄われてしまった。

 今回のは本当に焦ってしまった。

 まったくヤヨイめ、困ったやつだ。

 言いたいことだけ言ったヤヨイは、にやにや笑顔のまま風呂場から出て行った。


「さて、体洗うか」

 二人きりになった風呂場、黙っていると少し気まずいので俺は洗い場のほうに向かった。

「トモマサ君、私が洗ってあげますよ」

「え、いやいいですよ。恥ずかしいですし」

「そんなこと言わずに洗わせて。本でいろいろ読んで勉強したのです。男の人が喜ぶ洗い方を。すっごく綺麗にしますから」

 すすすっと近くに来て洗われてしまった。

 ものすごく気持ちよかった。

 カリン先生、ベッドでの行動といい、普段どんな本読んでいるのか? と、とても気になる手つきだった。


 洗ってもらったお返しにカリン先生も洗ってあげたらカリン先生も気持ちよかったのか、おねだりして来たのでそのままナニしてしまった。

 その後もカリン先生の知識の深さに圧倒され、浴槽で欲情して何度もナニしてしまいました。

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