254ページ目…スライム調査【3】
明日は早い時間からスライムの調査に向かう為、今日は早めにお風呂に入って寝る事にする。
ただし、寝る前に、ちょっとしたイベントがある。
まぁ、所謂、夫婦の営みと言うヤツだ…。
で、結論から言うと眠りにつく事が出来たのは深夜を大幅に過ぎた頃…で、何ラウンド戦ったか数えるは忘れたが、死闘を演じた…とだけ言っておこう。
そして…そんな時間までナニをしていたと言う事で…当然ながら僕は寝不足であり体力もかなり減っていたりする。
その癖、プリンは寝不足じゃないと言うんだから、種族の差は
「あなた、起きて下さい…もう、朝ですよ♪」
唇に柔らかい物を感じた後、プリンの優しい声で目を覚ます。
僕がプリン達(4人)と結婚してからと言うもの、当番の人は僕を起こすのに『おはようのチュー』をする決まりが出来ている様だ。
「んん…もう朝か…殆ど寝た気がしない…。」
「昨日は頑張りましたから…ポッ。」
「ポッ…じゃないよ…本当に…。
今日は朝から帰らずの森にスライムの調査だって言ったよね?
だから、ちゃんとお手柔らかにって言ったのに…。」
まぁ、本気で拒絶をすればプリンも、そこまで求めて来なかったと思うので、ある意味、自業自得な所もあるのだが…。
「ぶぅ…これでも十分に手加減してますよ?
そうじゃなきゃ、寝かせたりする物ですか!」
そう言ってプリンは髪を掻き揚げる…って、顔が赤い所を見ると照れ隠しなんだろう。
その台詞では何も隠せていないと思うのだが…まぁ、気にしないでおこう。
しかし…あれだけしたのに、まだまだ足りなかったとは恐るべしプリン様だ!
「はいはい…って、イタタ…こ、腰が地味に痛いぞ?ちょっと激しく動きすぎたかな?」
ぶっちゃけ、四人纏めて結婚した所為もあり、初夜は凄い事になり次の日、なんと普段使わない筋肉を使った反動で筋肉痛になっていたりする。
それほど、夫婦の営みとは言うのは重労働だったりするのだが…今回は筋肉痛と言うより腰に負荷を掛けすぎた…ってのが正解みたいだ。
「えぇ~ッ!?あなた、大丈夫なんですか?」
「あぁ、少し…うん、ほんの少し痛いかな?って感じだから気にしなくて良いから!」
流石に、重い物を運んだとか力仕事で腰を痛めた…ならば、まだ恥ずかしくもない。
恥ずかしくないのだが、流石に、夜、頑張りすぎて腰を痛めた…だと、流石に恥ずかしい事この上ない。
知り合いにバレたら、爆笑間違いない…特に、メルトのギルドマスターであるラオンさんには絶対に…だ。
とは言え、何時までもこのままダラダラと過ごす訳にはいかない。
何度も言う様だが、これからギルドの依頼であるスライム調査に向かうからだ。
なので、僕はベッドから降りると素早く着替えるとプリンの方を向く。
すると、プリンは最高の笑顔を見せてくれる…が、服どころか下着すら着けていない上に、明らかに挑発するポーズを、ついでに取る。
お陰で、もう1ラウンド戦いそうになるのを我慢するハメになる…。
いや、正確には我慢しなくても良いのだが、只でさえ起きるのが遅れたら。必ずと言って良いほど乱入してくるヤツがいるからだ。
そうなると乱戦が始まり、体力の消耗が激しく、その日は何もしたくなくなる訳で…そうなると、調査が出来なくなってしまう。
なので、心を鬼にしてプリンに服を着る様に言うと、僕は一足先に食堂へと向かう事にしたのだった…。
◇◆◇◆◇◆◇
「
食堂に入るなり、クズハが少し顔を赤くしつつ僕に声を掛けてくる。
おそらくプリンの声が大きかったのだろう…まぁ、基本的に僕の疲れが酷い時以外は毎夜繰り広げられるイベントなので、他のメンバーでも同じ事が言えるのだが、恥ずかしいからツッコミは入れられたくないのだが…。
って、朝の挨拶すら無しで言ってくる所を見ると、かなり声が大きかったのかも知れない。
いくら新婚だからと言っても注意が必要な様である。
…って、もしかして、ご近所にまでしっかりと聞こえているのでは?と、怖ろしい考えに寒気が走る。
いかん、新婚だからって調子に乗りすぎているかも知れない…注意しなくては。
「おはようございます、
いつの間にか姿を見せたブラウニーのアリスは、僕に席に着く様に促すと朝食を取りにキッチンの方に歩いていく。
数分後、運ばれてくる朝食…今日は、白ご飯に味噌汁、そして鮭の塩焼きと白菜の漬け物…非常にシンプルであるが、日本人である僕には、非常に嬉しい朝食である。
余談ではあるが、僕は納豆を食べる事が出来ない…。
何せ、小学校の時に給食で出た納豆を食べた時、あまりの気持ち悪さからリバースして、今でもトラウマとなっているからだ。
ちなみに…参考までにだが、この世界では、なかなか新鮮な卵が手に入りにくいので、卵掛けご飯を食べる機会は少ない。
もっと養鶏場と言った専用の施設が出来れば良いのに…と思っているのだが、軌道に乗るまでの資金に問題があるので、未だに誰も手を出さないらしい。
そう考えると、元の世界の養鶏技術や流通は素晴らしいと実感する。
「うん、美味しい!やはり無理してご飯を運んで貰っているだけの事はあるね。」
そう、こっちの世界に来てから白ご飯を食べる機会が殆どなかった為、お米を発見した時に、つい大量購入をしたばかりでなく、この屋敷に配送して貰う様にお願いしたのだ。
もちろん、味噌や醤油等も、こちらの世界で発見済みなので和食を作る事も可能となっている。
その為、ご飯の担当者が気が向いたら和食になると言った所だ。
何はともあれ、僕は失った体力を回復させる為に、いつもなら腹八分目で止める所を満腹になるまで食べると、調査の為の準備に取り掛かる事にしたのだった…。
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