223ページ目…小手調べ
魔族であるラドルの突然の襲撃により、若干、慌てる形になった物の、ラドルと僕の放った〖魔法:
そんな中、急いで
結果、防具を無事に纏う事が出来たの事により余裕が生まれた。
なので、先手は取られた形になったが、今度はこちらの番である。
幸いにも『
ならば、こちらから攻撃をしても問題はないはず…そう判断した僕は反撃をする事にした。
とは言え、相手は魔族であり、しかも聖王都ではまんまと逃げられるほどの実力者、一筋縄ではいかない相手である。
だが、あの時は基本的には僕のみでプリンもクズハも居なかったし、装備も身に付けていなかった。
ならば、実力で言えば、三人で戦えば問題は無いはずだ…僕は二人に素早く援護する様に合図を送ると、一斉に陣形を整える。
この辺りは、他の冒険者達と比べると段違いの動きを見せる。
僕は〖魔法:
そして、爆煙を魔族…ラドルが風魔法?で吹き飛ばした時には、既に僕達は戦闘準備が完了していたのだった。
「ほぅ…今の一瞬で、お前だけではなく仲間にまで戦える準備をさせたか…面白い、実に面白い!
お前を絶望させる事が出来れば、さぞや魔神の復活の贄になる事だろう!」
こう言う時、敵は何故面白がるのだろうか?
そもそも、相手が戦闘準備を完了させているのであれば、奇襲した方にとっては面倒なだけだと思うのだが…。
「生憎とお前一人倒すのに絶望なんてする訳無いだろ!
お前こそ、サブの仇だ!僕達に挑んできた事を後悔させてやるッ!」
「さて、それはどうかな?クックックッ…。
さぁ、殺戮ショーの始まりだ、出でよ我が
ラドルがそう言うと、周囲の地面が盛り上がり、スケルトンやグールなどの魔物が現れる。
とは言っても、これはおそらくラドルの力ではなく、ラドルに体を奪われた聖騎士団の副団長だった人の能力…
故に…この現象を見た僕にも、当然ながら同じ事が出来る様になった訳だ。
とは言え、今はそんな事を気にしている訳にはいかない。
「プリンとクズハは、アンデッドの処理を!
ラドル、僕と一騎打ちだ、逃げるなよッ!」
自分を強者と思っている相手に、下手な挑発は面白いほど効果を発揮する。
これが一流であれば、こんな手に引っ掛かる事はないのだろうが…。
「ほぅ…人間如きが、魔族であるこの俺様に一騎打ちだと?
余程、死にたいと見える…良いだろう、相手になってやる!
さて、貴様は俺様相手に、貴様は何秒持つかな?クックックッ!」
ラドルはそう言うと、いきなり僕の目の前に転移してきて僕に蹴りを放つ。
だが、僕はその蹴りを魔神剣で防いで後ろに飛び退く。
どうやら、ラドルは接近戦が得意の様なので僕は魔神剣を制御して剣から籠手…魔神剣から魔神拳へと変化させ、そのまま反撃を行った。
「魔神拳、
僕は先程のお返しとばかりに、無詠唱で〖
するとラドルは両腕で十字を描く様にブロックをする…所謂、クロスアームブロックと呼ばれる防御法だ。
確かに、クロスアームブロックであれば防御の面に関してはかなり有効だと思う。
だが、ラドルは一つ大きな間違いを犯した…何故なら僕の今の攻撃は只の打撃ではないのだ。
確かに、ラドルは魔力を纏った腕で防いたのだから本来であればダメージはほぼ無いであろう。
しかし、今、僕が使っているのは〖浄化の炎〗を核とした魔神拳である。
そして、拳が当たった瞬間、纏っていた〖浄化の炎〗を開放している。
つまり、零距離から魔法攻撃と闘気による攻撃を同時にしているのだ。
そして、その〖浄化の炎〗は聖王都戦においてラドルの腕を消した…魔族に対して有効な光属性の魔法なのだ。
そんな魔法を
当然、その代償は…推して知るべし。
『ピシッ、ピシッ、ピシッ…。』
ブロックしたラドルの左腕に次々と罅が入る。
しかし、ラドルの顔は苦痛に歪むどころか、逆に戯ける様に笑った。
「ギャハハハハ、良い、良いね~、これだけの力を持ったヤツなら、さぞや良い贄になるだろうな~。」
ラドルは、そう言うと再び転移をして姿を消す。
今度は何処から攻撃してくる?
僕は更に神経を研ぎ澄ますと、僕から少し離れた所に魔力による空間の歪みを感知する。
慌ててそちらを見ると、ちょうどプリンがスケルトンを撃破した所だった…。
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