26ページ目…プランB【1】

 僕は素手での魚の手掴みを断念し、次のプラン…プランBに移行する事に決めた。


 プランB…それは、つまり銛もりで魚を突き『獲ったどー!』と叫ぶ作戦だ。

 いや、別に魚を獲ったからと言って、わざわざ『獲ったー!』叫ぶ必要はない。


 むしろ、テレビとかと違い誰も見ていないのだから、そんな事をすると虚しいだけな気がするので叫ぶ気は全くない。

 と、言うか…叫んだりして、近くに魔物が居たら、寄ってくるかもしれないので叫ばないのが正解だと思う。


 そんな訳で、僕は銛を装備して川に入って行ったのだった…と言いたいが、残念ながら僕は銛を持っていない。


 ってな訳で、次の作業はコレで決まりだ。


 ◆◇◆◇◆◇◆


 1.森の中に戻り銛になりそうな長さの枝を探す。


 ここで1つ言っておきたい事がある…それは、先程から、森の中に戻り銛に…モリ、モリと言っているがダジャレを言った訳じゃない。

 そこだけは誤解しないで欲しい。


 なにはともあれ、僕は森でモリモリと銛を作る事に…ごめんなさい、調子に乗ってネタに走りました。

 ひ~!石を投げたりしないで~ッ!!


 さて、冗談はここら辺にして…改めて、本気で銛の制作に取り掛かる事にしよう。

 先ほども言った様に、まずは森の中へと戻り、銛に適した材料を探す。

 そこで目に付いたのが、下に落ちている大きな木の枝だ。


 少し歪いびつではあるが、それなりの長さと硬さがありそうなので期待が出来る。

 僕はその枝を持って、先程の川原へと運んだ。

 無事に川原まで運べ終えたら再び森に枝を探しに行く…そんなこんなで全部で3本用意する事が出来た。

 だけど…それだけでは満足出来ずに、直接、木から大きめの枝を採取する事にした。


 流石に錆びた短剣で枝を落とすのは無理なので、何回かに分けて闘気剣オーラブレードを使い斬り落とす。

 レベルが上がった事により、枝を切り落とすだけの事は出来る様になったが良かったと思った。


 コレにて枝の回収作業を終了とする。


 ◆◇◆◇◆◇◆

 2.先程回収した枝から、邪魔になりそうな小さい枝を全て斬り落とす、枝打ち呼ばれる作業を開始する。


 この作業も短剣ではサイズ的に厳しそうなので再び闘気剣のお世話になる。

 そんなこんなで、少々時間が掛かったが、無事に枝打ちが終了する。


 ◆◇◆◇◆◇◆


 3.次の作業は、枝の先端を尖らせる作業だ。


 ここからは短剣で先端を尖らせる作業の為、注意が必要だ。

 とは言え、残念ながら座るのに適した場所がない為、直接、地面に胡座あぐらをかいて座り、銛作りの作業をする事になる…実に川原の石が痛いが我慢が必要だ。


 う~ん…そもそもな話、短剣が錆びてるからか、それとも単純に木が堅いからか分からないが枝を削る作業がなかなか進まない。


「くっそ、本気マジで堅い…なかなか削れね~!とッ?!」


『ザクッ』


 削るのに使っていた短剣が枝からズレ…そして、僕の足を…ギリギリ逸れて、地面に刺さった…。


「あ、危ね~!この短剣使えね~!」


 短剣が使えないのか、自分の扱い方が悪いのか…何気に後者の様な気もするが認めたくないので僕は無限庫インベントリに短剣を放り込む。

 結局、闘気剣を短剣サイズで発動させ削り始めた…。


 まぁ、初めての作業だから無駄が多過ぎな気もする…だがまぁ、今回は色々と経験を積む事が出来たと言う事で、無理矢理納得する。

 それに、闘気剣で作業してたからSPの最大値も増えたし…ね。


 この苦労が今後必ず…きっと…たぶん役に立つはずだ…と、信じたかった…。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る