第283話 聖印騎士団の話2
ミケが笑顔で自らが率いる二番隊を紹介した。
「次は俺が率いる三番隊だ!」
フローラが再び説明する。
「俺が率いる三番隊は斥候職が中心の部隊だ。武器は短剣や弓矢を使用するものが多い。偵察、遊撃、追跡を得意として、ダンジョン探索や野戦での情報収集では中心となって活躍する部隊だな。優秀な連中が揃っているぜ!」
「聖印騎士団は年に一回はこの大陸最難関の一つと伝わるダンジョンに冒険者達と共に潜るからね。三番隊の本領はそこで発揮されるのよ」
隣にいるミスティアがそのように補足する。
「ミスティア殿?騎士団がダンジョンに潜るのか?」
ティアがそう問い返すと、
「ええ。ダンジョン冥府への奈落ね」
「なかなかに不吉な名前のダンジョンだ…」
「致死性の罠が多く魔物も凶悪なとても危険なダンジョンよ。だけど探索の見返りは大きくて貴重な鉱石や素材が大量に取れるの。この国が税金を少なくして商業に注力できるのも聖印騎士団のこの探索があってこそなのよね。聖印騎士団の役目は主に二つ。民を外敵から守ること、それとダンジョンを探索することなのよ」
「そうなのだな…」
ティアが頷いていると、すっくとカレンが立ち上がる。
「ん!それには少し意見がある。その二つは確かにとても大事!だけどボクの部隊はまた別の側面から活躍している!」
そんなカレンの可愛らしい反対意見表明にミスティアはその通りだと笑顔で同意を示す。
「もちろんあなたの言う通りよ、カレン!あなたの部隊が開発している魔道具のお陰で探索がどれほど楽になったか…」
ミスティアの言葉にその場に居た全員が同意する。
「ん!分かっているならよろしい!ティアさん、ボクの四番隊はこの前話した通り魔道具の開発が主な任務。ちょっと変わっているけど楽しいメンバーが一杯なのでいつか遊びに来てほしい!」
「カレン殿!この国への滞在中、是非ともお邪魔させて頂こう!」
「ん!そう言って貰えてうれしい!歓迎する!」
カレンが率いる四番隊は日々研究と開発に明け暮れており探索や戦いに参加することは原則としてない。しかしそれは彼らが闘うことができないということと必ずしも一致しているわけではないということは一般的には秘密であった。。
「次は
そう言いながら優雅な所作でサラが立ち上がった。
「
「ん!とても貴重なアイデアや意見をくれる!魔石の利用に関しては魔導士の助言が欠かせない!」
その説明にティアが納得していると、
「最後はわたしですね」
そう言ってミスティアが席を立つ。
「わたしの六番隊は隠密部隊です。諜報、偵察、暗殺に特化された部隊でして…、メンバーはこの国の隅々に潜み日々情報を集めています。そして裏ギルドの管理もわたしの部隊の仕事ですね」
「裏ギルドとは?」
思わず聞き返すティア。
「それは私から説明させて頂きましょう」
そう答えてティアからの問いを引き取ったのはレーヴェ神国で宰相を務めるジュール=ヴォルフガングであった。
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