第235話 巨大な金色に光り輝く火球
「
頭上に出現した巨大な金色に光り輝く
これは音や光を外部へ漏らさないための結界を展開する魔法。冒険者のパーティや商人が他人に聞かせたくない打ち合わせなどを行う場合に使用される汎用魔法と呼ばれるものの一つである。しかしプレスが用いる場合はかなりの強度を持たせることも可能である。例えば巨大な金色に光り輝く
結界が展開された瞬間にプレス目掛けて金色に光り輝く
ティアは金色の炎によって焼き尽くされている結界内の惨状を想像しながら近くの建物の屋上から屋敷の庭を見下ろしている。
「ティア!完璧だったよ。ありがとう」
背後からそんな声がかかる。
「さすがの我も主殿を目掛けてあの
ティアの絶世の美貌を讃える表情が少し固い。
「ごめん。嫌なことをさせたね。でもあの魔物達も斃せたと思うしもし生き残っていてもおれが生きているとは思わないだろう?本当に助かったよ」
そう言ってティアの頭を撫でるプレス。途端に表情を緩めるティア。嬉しいらしい。その笑顔は見事なまでに美しかった。
「ふふふ…。遠慮なくもっと撫でてよいのだぞ…」
「よしよし…」
「ふふふ…」
結界を見下ろしながらじゃれ合う二人。もちろん周囲の警戒を怠ってはいない。
「それにしても主殿。あれほどのことをする必要があったのか?主殿であれば苦も無く斃せた魔物であっただろう?」
「そうだね…。最初はこの街で好き勝手やったあいつらを驚愕させたかったからね。だけど結果としてかなり有効な攻撃になったみたいだよ…」
「?」
ティアの表情に疑問符が浮かんだことを見てプレスは言葉を続ける。
「監視の目を感じたのさ…。あの黒魔物が部屋に現れたと同時に別の誰かもおれを見ていたような…」
「だから…」
「そう!第三者の視線も併せて殲滅するにはあの
「流石だ!それで何か得るものがあったのか?」
ティアのその言葉に頷き返すプレス。
「ああ。ちょっとヤバいものが手に入ったかもしれない…。孤児院に戻ったらしっかり確認しようと思う」
その言葉を合図にプレスとティアは夜の闇の中、孤児院を目指して移動を開始するのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます