第26話
ランキング戦当日
「さてさて、マスターからも許可は得たしね。」
闘技場を抜けた先に対戦相手は居た。
「ランキング戦初戦、Cランクスキル『槍使い』二年イグアスVSBランクスキル『剣術師』三年網武」
「君がイグアス君か、女装趣味があるとは聞いていたがここまで行くとニューハーフでも通じるんじゃないのかい。」
そう今回は私としてランキング戦に出ていたのだ。しかも薄い化粧と真紅の口紅を塗って
「審判さん。試合開始の合図を。」
私は完全に無視をした。
「は、はい。では試合開始!」
審判は予定が詰まっていることもあり早々に始めさせた。
「つれね....................」
ドサッ
勝負は既に事切れた。
「勝者イグアス!」
審判すら気付くのが遅れるほど、しかしギリギリ見える速さで動き針で首筋を突いた。
装備制限の範囲は3つ。私は3つの得物に絞れるように構成しなおした戦術スタイルも持っている。選んだ得物は刺繍針、木槍 折紙、そして最後の一振り。
槍使いのスキルを最大限に使うことの出来るように服装はヒラヒラしたものではなくビッチリした服装。
そして、今この数秒の間に使ったのは刺繍針。槍使いのスキルを発動した上での攻防だった。
「早く次の相手を連れて来なさい。」
「はい、次はCランクスキル『槍使い』二年イグアスVSBランクスキル『炎使い』元冬」
今度の相手は油断は絶対にしないだろう。しかしながら、この戦いに置いてはそれは無意味に等しいことを彼らは知らなかった。
「開始。」
今度は炎を全身から放ち防壁を築かれた。
だが私には関係無かった。
「折紙、折紙外装」
紙の鎧を身に纏い。炎に突っ込んだ。炎使いは突っ込んでくるとは思わなかったのか驚愕していた。私はそのまま斬り伏せた。
なんとも呆気ない。Bランクスキルは強さの指標で言えば軍曹クラスなら誰でも持っているレベルには高い。その2人が何もできずにやられたのだ。
審判も唖然とする。Cランクスキルと安い魔道具だけが仕掛けでは無いと。間違い無く自分達とは違う領域にいると思った。
「あらあら、炎は木の弱点では無くってよ。試合組みは勝ち抜いて早く終わればその分休めるんでしょう。早くして頂戴。」
無論普通はこんなことはしない。連続戦はせず必ず何試合か開けるのが普通だ。これは学園長のささやかな復讐であるがイグアスは全く持って疲労を見せず連戦していく。
学園長がその攻防で気づけたのはイグアスの魔道具は最高級の和紙に近いものというくらいだった。
初日、イグアス全勝。
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