第19話

「待たせたわね愛理。」


お店の中の部屋で着替えを終えた状態で話しかけた。


「え、イグアスさんなんですか?」


「そうよ愛理。昔から可愛いもの好きだったのは知ってるでしょう。そ、れ、に、最初に女装させたのは誰だったかしらねえ。」


愛理は顔が真っ青になり汗をだらだら掻き続ける。それはもう滝のように


「だ、誰でしょうか?」


「そうねえ。私たちと歳が近かった気がするのよね。」


私は小悪魔的なSな性癖を発動させがら愛理を虐めていく。愛理は身内のためそこまで嫌悪感を感じない。さらにそこから個人的な異性としての好きとは違う可愛いもの好きの本能が上乗せされ愛理を虐めたくなっていた。


「そうですか。私は覚えていないのですけれども。」


愛理はなんとか表情に出さぬように緊張しながら話しているが身体は正直なようでどんどん服にシミができていく。(不健全な意味合いでもなければ性的な意味合いでもない。あくまでも汗という意味である。)


「あら、私は愛理の近くと言った覚えはないのだけれどもなんであなたが覚えていないと言い切れるのかしら。」


私は愛理の口元に触れながら耳元にふうっと小さく吐息も吹きかける。愛理は背筋をゾゾっとのけぞらせながらも答えようとしていく。


「それは、あれですよ、あれ、ええと幼少のころから女装していた気がするのは覚えてるけど原因は覚えていないなあと。」


愛理は服からスーッと透明な液体を垂らしながら水たまりを創っていく。そして心身を侵されたかのような恐怖による喘ぎ声を出していく。(なんども言いますがこれはあくまで会話であり不健全な行為をしているわけではありません。百合しいような同姓愛的感情もございません。


「あらそう。私の記憶が確かなら喜々として私の髪をリボンで結びゴスロリを着せ替えさせたのは貴方だったような気がするのだけれども。」


最後に耳元で淡く撫でるような声で小さく小さく囁いてく。愛理はどんどん涙目になっていきサディストに心を支配され手のひらで踊らされていた。


「うわああああああああん。覚えてるなら言わないでくださいよう。その時あなたのお父様からコッテリ絞られたんですから今でもあの世からやってきてもおかしくないくらいに怖かったんですからやめてくださいよ。」


泣きじゃくりながら体を震わせる愛理。ここでの私の顔は他の人に見せられないくらいの悪魔の笑みを浮かべているだろう。それほどまでに他人の自分にかかわるトラウマをえぐるのは楽しかった。


「わかったわ。じゃあ帰りましょう。私ともっと話したいことがあるんでしょう。マスター、後のことよろしくね。お疲れさまでした。」


そういって愛理と帰路に旅立った。

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