第2話
「今ここに決闘を行う者がいる。それもこの人生を賭けた決闘が!!」
「はあ、ミーナのやつ逃げたな。」
「あら、他人の心配かしら槍使いのあなたがこの槍術師の私に勝てるのかしら。」
対戦相手がこちらを見ている。
「スキルはスキル、野良試合なら負けたことはないぜ。」
そうあの日からはな。その言葉がのどから出そうになったのをぐっとこらえこちらも風紀委員、槍術師リュヒルを捉える。
「フフフ、その余裕へし折ってくれるは来なさい【雷槍 イナヅマ】」
雷をまとった槍がリュヒルの手元に現れた。そっと形状は突くことに特化しているよう細い穂先の槍だった。
「夫婦槍の片割れって感じの魔法具か。」
「その魔法具にやられるのがあなたよ。あなたの槍なんて何の力も感じられないし柄が木製だなんて馬鹿にしているのそれになにそのゴム、銛突きでもするのかしら。」
俺は槍を見据える。
「俺は槍使いなんでね。」
「ほざけ、地獄に叩き落してくれるわ。」
「さて皆さまそろそろ前座の話は終わりにして決闘を始めます。始め!!」
俺はすぐさま身を引いた
「あらあら一撃で終わると思っていたのに。」
「それはどうかな。」
俺の立っていた所には焼き焦げた大きな風穴が存在していた。
「槍ってのは突いて殺すことだけが使い方じゃあ無いんだぜ。」
「ふん、せいぜい吠えていなさい。」
「ほいほいっとなあ昔々の兵士の役割って知っているか?」
「なに.......な、砦?」
一瞬の出来事、あっという間に土の堀と壁が組まれ籠城の姿勢に入った俺はリュヒルに石を槍をカタパルトのようにして投げていく。
「俺の槍、スコップみたいだろ。」
「なるほどね。古代ローマの兵は建築なども担っていた。確かに槍術師の私ではできない芸当だわ。」
「槍術ってあんまり応用は利かないからな。ましてやお前の形状の槍なら尚のこと。」
「なら、槍使いには使えない槍術を見せて差し上げるわ。」
高速の乱れ突きが石を砕いて行った。
「その程度なら俺にもできるぜ。」
「な、いつの間に。」
懐に入り込んで全く同じ動きで乱れ突きを放つ。
「く、槍術師として槍で勝ちたかったけれど仕方ないわね。魔法具解放穿てイナズマ!!」
雷がほとばしりこちらに襲い狂う。
「あらあら?槍使いとの格の違いを見せてやるんじゃなかったのか?」
「良く吠えるはねえ。そのつもりだったけど本気で相手してあげることにしたわ。スキル昇華【雷槍術師】」
【スキル昇華】人生において一度だけ行える術、この術をには死線をにおり超える必要があり学生で使えるものはほんの一握り学内で知られている人物は今のところこの風紀委員ことその委員長でもあるリュヒルと生徒会のメンバーにいるくらいである。
「ふーん、槍は関係なさそうなスキル昇華だな。」
「ふん、スキル昇華もしてない人間がよく言うわ。」
「じゃあそっちがその手で来るならこっちも変化球を使っていいよな。」
ジャラッ!
俺は服の中に仕込んでいたベルトを出す。正確には工具がびっしり詰まった安全帯だった。
「な、あなたこそ槍で戦う気は無いと言うの?」
「いやいやあくまで戦うのは槍だぜ、ただし改造させてもらうがな。」
インパクトドライバーを取り出し槍の穂先を刹那で外しプラスとマイナスのドライバーと桐をネジでつなぎ合わせ即興の三叉の槍を作り上げる。
「そんなガラクタ、叩き潰してくれるわ。」
あくまでもお上品に挑発するリュヒル。
「じゃあ今度はこちらから行かせてもらうぜ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます